2月8日に続き、チベットの歴史と文化学習会に参加してきました。
今回の内容は、
(1)講座「チベット仏教の潮流」第2回「仏教のチベット的展開」
講師:吉水千鶴子(筑波大学人文社会科学研究科哲学・思想専攻准教授)
(2)チベット報告「受難ということ」
報告:渡辺一枝(作家)
(3)緊急報告「国境線リポート」
報告:野田雅也(フォトジャーナリスト)
(4)基調報告「Tibet2009 vol.2…チベットの政変から60年」
質疑応答:長田幸康(ライター、I love Tibet! ホームページ 主宰)
といった具合。
吉水先生の講座は、チベット王朝分裂(842年)~ゲルク派の成立(1409年)のチベット仏教史について。この時期の仏教の復興と宗派の成立、仏教の多様化について分かり易く説明していただきました。
(『チベット問題』のコンテンツにいつか追加予定である『チベットの歴史』にこのへんの内容を盛り込んでいく予定です)。
渡辺一枝さんのお話は、今回も印象深かったので締めで紹介することにします。
野田さんの「国境線リポート」は、チベットの人たちが亡命する際に通過するネパール国境を現地取材したリポート。私も通ったことのあるダム―コダリの国境の様子や凍傷で足の指や膝から下の脚を失った人たちの話や2008年3月を境に国境を越える人が激減したことなどを交えて国境を越えることの困難さを、またネパールでマオイスト政権が成立したことでネパールのチベット難民たちが危機にさらされていることやチベット人強制送還の”ビジネス”が成り立っている可能性など、亡命後もなお困難が続いている状況を話して下さりました。
そして、質疑応答やTake Actionへの参加呼び掛けなどを行った後、今回の学習会は締めくくられました。
次回は夏ごろに行われるとのことです。
最後に、渡辺一枝さんのお話の一部を要約して紹介させていただきます。
あなたの一番大切なものが蹂躙されたということを想像してみて下さい。
チベットでは各地に山や湖など、その地の産土神として崇拝されているものがあります。
それらが今、次々と壊されているのです。
チベット人にとって最も苦しいのは信仰を禁じられていることです。
仏壇を置くな、ダライ・ラマの写真を持つな・・・「~するな」は手を変え品を変え、何とかすることもできます。
しかし、
ダライ・ラマの写真を踏みなさい、破りなさい、燃やしなさい
ダライ・ラマを批判する作文を書きなさい
これを強要されたら死ぬしかない、という、やりたくないことをやらされている、ということが日常頻繁に行われているのです。
これを”受難”と言わずして何と言うのでしょうか!
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