昨日に続いて東京・渋谷のUPLINKへ。この日の映画は実に3度目となる「風の馬」(詳しいレビューはこちら)。
ドルカがペマの手を取りながら一緒に歌うシーン・・・
ドルカが狂ったようにマニ車を回すシーン・・・
家族との別れ・・・
不覚にも涙腺がゆるんでしまった。
ビラ1枚で殺された祖父・・・
たったの一言で獄に繋がれたペマ・・・
昨日の「雪の下の炎」トークイベントで田崎先生が「あり得るべき映画ではない」とおっしゃっていたが、この映画についても同じことが言える。チベットでは、あってはならないことが余りに起きすぎている。
さて、この日も上映後にトークイベントが行われた(実は映画そのものもだがこちらの方も目当てだった)。
今回の弁士はチベット仏教世界の歴史と文化を専門とする早稲田大学教授・石濱裕美子先生。ダライ・ラマ法王のことを中心に、
ダライ・ラマの実存(1.一人の人間としての立場 2.一宗教者としての立場 3.チベット難民としての立場)
亡命後にしたこと(僧院の再建、チベット子供村[TCV]創設、民主化、文化諸機関の設立)
非暴力(ガンディー、キング牧師、ツツ大主教、アウン・サン・スー・チーが法王に与えた影響や、1989年の東欧におけるほぼ無血の民主化とのかかわりなど)
などのお話をいただく。
そして、奇しくも昨日田崎國彦先生がおっしゃったことと似た趣旨のことを話された。
「(チベット人がナショナリズムを教育などで出さないことに絡めて)中国人の愛国心は日本軍が侵攻したことによるものである」
日中戦争に関してはいろいろな立場・意見があるだろうが、この点について日本人は心の隅にでもしっかり置いておいた方がいいのかもしれない。
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