バス憧れの大地へ

雑記ブログ

宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会

昨日(5月23日)のことになるが、「宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会」にボランティアスタッフとして参加。東京・護国寺に仏教各宗派のお坊さんや俗世間のチベットサポーターが参加し、チベットの平和を祈る。

本尊法楽、代表挨拶等の後、特別ゲスト・ダライ・ラマ法王特使ケルサン・ギャルツェン氏の講演。私は雑務や写真撮影に追われて断片的にしかお話を聞けなかったのだが、どうやら5月21日の講演とほぼ同じ内容だったようだ。とはいえ、21日にはいなかった顔ぶれの方が多かったので初めての方には貴重な話を聞く機会になったことだろう。
熱弁するケルサン氏
熱弁するケルサン氏(右から3人目)
続いて、早大教授・石濱裕美子氏のお話。こちらも断片的にしか聞けなかったが、欧米で仏教が、ダライ・ラマ法王がいかに受け入れられてきたか、などのお話をいただいた。

最後に、チベット語による読経。チベット人の若者たちも集まり、まさに「宗派を超えた祈り」が会場内に響く。
チベット語による読経
チベット語による読経

今回のテーマは「聞・思・修 ~学び、考える、行動する~?」というものだった。今回のイベント告知のページによると、

三慧、聞・思・修 ―。学び、論理的に考えて、繰り返す瞑想実修により「正しい理解」を身につける。このプロセスから生じる仏陀の叡智が、慈悲(共感共苦)による「行動」へ、そして「社会参加する仏教」へ。宗派を超える思いが、今、一歩踏み出します。

とのこと。チベットのことを「学び、考える、行動する」こともまさに仏教的プロセスであるということになる。
この呼び掛けは仏教界にのみ向けられたものではないだろう。私のような俗人にも、仏教的アプローチで、チベット問題を学び、チベット問題を自分の頭で論理的に考え、また自分に何ができるかを考え、そしてそれを実践する、ということが求められる。
今回のイベントの質疑応答で、「正しい理解」が足りないまま全く的外れな質問をして参加者たちから大ひんしゅくを買った質問者がいた。
かくいう私も、「聞・思・修」―全てにおいてまだまだ全く不足している。今後も様々なアプローチで、チベット問題に関する「聞・思・修」の修養を重ねていく所存なので、何卒各方面からご鞭撻いただきたく思う。

関連コンテンツ

ダライ・ラマ法王特使ケルサン・ギャルツェン氏来日講演会

先日告知したダライ・ラマ法王特使ケルサン・ギャルツェン氏の来日講演会を拝聴させていただいた。

あらためて、ケルサン氏のプロフィールを以下に掲載。

<ダライ・ラマ法王特使(使節員) ケルサン・ギャルツェン氏 経歴>
1951年 チベット・カム地方に生まれる
1963年 勉学のためスイスへ。ビジネスおよび事務管理を学んだ後、 1983年までスイスの大手銀行に幹部として勤務
1983年 インド・ダラムサラの中央チベット行政府の情報・国際関係省(外務省)において1年間のボランティアに従事
1985年 スイスにあるチベット事務所においてダライ・ラマ法王の代表者に任命
1992年 ダライ・ラマ法王の秘書官としてインド・ダラムサラにあるダライ・ラマ法王事務所に異動
1999年 ダライ・ラマ法王の駐欧州連合特使として再び欧州へ異動
2005年 スイス・ジュネーブにあるチベット事務所の代表となり2008年春まで兼任。現在は、ダライ・ラマ法王により任命されたチベット代表団特使のひとりとして中国政府との交渉にあたっている

<職責>
ダライ・ラマ法王の駐欧州特使として、チベット亡命政府と中華人民共和国との対話の促進を図ることを主要な職責とし、これを全うすべく、ダライ・ラマ法王の中道政策を欧州諸国に伝え広め、支援を得、チベット問題が平和的に解決するよう取り組んでいる。
ダライ・ラマ法王は、チベットの分離独立を求めているのではないことを明確に表明しておられ、中華人民共和国という枠組みのなかで名実を共にする自治権を得るべくご尽力されている。
これを伝えるための中国政府代表団との対話にあたり、ダライ・ラマ法王が委任された2名の高官特使のうちのひとりとして、2002年以降、中国指導部との8回の公式協議と1回の非公式協議に臨むとともにチベット交渉対策本部のメンバーも務めてきた。
ダライ・ラマ法王の特使という立場から、チベットに関する講演やインタビューにも精力的に取り組み、チベットの人々の悲劇に光をあてるべく尽力している。

会場は東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センター国際会議室。通訳機による同時通訳付きと、結構本格的である。

19時、ケルサン氏入場。TVニュースなどで既に登場しているのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれないが、ケルサン氏は穏やかな表情をした、スーツの似合うジェントルマンだった。

講演が始まり、まず出たのがチベット問題に対する日本への期待感。
「日本はアジアで非常に重要な国です。日本は完全な民主主義、自由、開かれた情報、モラルのある国であり、大きな役割を果たすことができます」

それから、チベットの歴史において「最も闇の時代」である中共侵略以来の60年におけるチベットの問題を語った後、
「なぜ中国政府はこのような政策を用いているのか。それはチベットに対する理解が無いことに起因します。また、(中国とは違う)ユニークなチベットの文化・言語・地理、そしてアイデンティティが脅威になることを恐れているから、抑圧を続けているのです。現在の状況は中国人の利にもチベット人の利にもなっていません」
と語る。

そして、中国共産党政府との交渉に携わってきたケルサン氏ならではのお話――交渉の様子に話が及ぶ。
ケルサン氏は独立を求めず、両者にとってメリットがあり同意できる中道のアプローチの姿勢を以て交渉に当たる。
亡命チベット人が帰省する、また亡命チベット人を家族に持つ本土のチベット人が亡命者と会うために海外に行くことを認めてください
ダライ・ラマ法王の写真を禁止することをやめてください
年に1度程度の対話の機会をもっと増やしてください
法王のチベット巡礼を許可してください
などのことを要求するが、視点・立場の違いから中国共産党政府はそれらをことごとく拒否する。

そして、2008年11月。
前回の会談で「『真の自治』ということを言うのならそれがどんなものか見せてみろ」と言われたことから、代表団はチベット人にどのようなニーズがあるか、中国の憲法の枠内で実現できるか、を考慮した上で草案をまとめ、提出した。
しかし、中国側は
草案のタイトルさえも容認できない。ダライにチベットのことを語る権利は無い!!
と一蹴。
「ならなぜ提出しろと言ったのですか?」
と尋ねると、
これはお前らの中国に対する態度のテストだ。お前らはテストに無残に落ちたのだ

――何という傲慢。
――何という不誠実。
完全に上からの目線、自分たちが絶対であるという姿勢で語っている。

「中国政府は最初の交渉の時から変わっていない。政治的な意志も、勇気も、問題を解決する気持ちもありません」
と、ケルサン氏は批判する。

それでも、ケルサン氏は法王譲りの?オプティミズムでこう語る。
私たちはこれからも中道のアプローチを支持します
常に非暴力の道で行くべきです」」
北京政府からゴーサインが出ればいつでもチベット問題に関して話し合う用意があります
政府レベルにとどまらず、違ったレベルでのコンタクト――例えば、チベット人と中国人の学者・専門家との交流、若いチベット人と若い中国人が一堂を会するフォーラムの開催、中国の仏教徒とチベットの仏教徒の交流、中国語の出版物・Webサイトの発行――等の方法もあります。チベットの若者は、中国語・中国文化を学んで直接コンタクトできるようになってください。そして、チベットの視点を相手に分からせてください。
チベット人の声だけでは足りません。国際社会の協力が必要です。日本を訪問したのも、チベット問題がアジアの政治的問題であることを知ってほしかったからです

講演終了後も、質疑応答で会場の熱気はやまない。
質疑応答の最後の方が語った。
チベット問題を(中国の)国内問題として理解してはいけない。国際問題であり、人道問題である。日本人はもっとチベット問題に関心を持たなければならない
この言葉で、講演会は締めくくられた。

実際に中国当局との交渉に挑んだケルサン氏の言葉には重みがあった。
ケルサン氏はアジアの有力国として日本に対して大きな期待を寄せている。如何に小さなことでもいい。その期待に応える努力を続けようではないか。

注:文中のケルサン氏の言葉は、通訳者の言葉をそのまま書いたものではありません。「自分だったらこう訳出する」という思いで書いた部分が少なからずあります。

関連コンテンツ

【告知】ダライ・ラマ法王特使の来日講演会(終了)

チベット亡命政府特使ケルサン・ギャルツェン氏が来日され、東京で講演会が5月21日(先日告知した「宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会」)及び23日に行われます。
今回は21日の講演会について告知させていただきます。

◆ 日  時:2009年5月21日(木)
◆ 受付開始:午後6:30
◆ 講演開始:午後7:00~
◆ 会  場:国立オリンピック記念青少年総合センター 国際交流課 国際会議室
◆ 参加費用:無料 
◆ 定  員:200名
◆ 講演は英語。150台限定で翻訳機あり

〈内容〉
◆ ダライ・ラマ法王日本代表部事務所ラクパ・ツォコによるご紹介
◆ ダライ・ラマ法王特使ケルサン・ギャルツェン氏 講演
◆ 参加者とケルサン氏によるディスカッションタイム

<ダライ・ラマ法王特使(使節員) ケルサン・ギャルツェン氏 経歴>
1951年 チベット・カム地方に生まれる
1963年 勉学のためスイスへ。ビジネスおよび事務管理を学んだ後、 1983年までスイスの大手銀行に幹部として勤務
1983年 インド・ダラムサラの中央チベット行政府の情報・国際関係省(外務省)において1年間のボランティアに従事
1985年 スイスにあるチベット事務所においてダライ・ラマ法王の代表者に任命
1992年 ダライ・ラマ法王の秘書官としてインド・ダラムサラにあるダライ・ラマ法王事務所に異動
1999年 ダライ・ラマ法王の駐欧州連合特使として再び欧州へ異動
2005年 スイス・ジュネーブにあるチベット事務所の代表となり2008年春まで兼任。現在は、ダライ・ラマ法王により任命されたチベット代表団特使のひとりとして中国政府との交渉にあたっている

<職責>
ダライ・ラマ法王の駐欧州特使として、チベット亡命政府と中華人民共和国との対話の促進を図ることを主要な職責とし、これを全うすべく、ダライ・ラマ法王の中道政策を欧州諸国に伝え広め、支援を得、チベット問題が平和的に解決するよう取り組んでいる。
ダライ・ラマ法王は、チベットの分離独立を求めているのではないことを明確に表明しておられ、中華人民共和国という枠組みのなかで名実を共にする自治権を得るべくご尽力されている。
これを伝えるための中国政府代表団との対話にあたり、ダライ・ラマ法王が委任された2名の高官特使のうちのひとりとして、2002年以降、中国指導部との8回の公式協議と1回の非公式協議に臨むとともにチベット交渉対策本部のメンバーも務めてきた。
ダライ・ラマ法王の特使という立場から、チベットに関する講演やインタビューにも精力的に取り組み、チベットの人々の悲劇に光をあてるべく尽力している。

お申込方法
◆ FAXでのお申し込み
参加希望なさる方は、申込用紙にご記入の上、FAX(03-3225-8013)にてご応募ください。
◆ メールでの申込
以下の事項を明記のうえ、moriya_at_tibethouse.jp (_at_は@に変換ください)に送信してください。
1. お名前
2. お電話番号
3. 翻訳機をご利用されますか(はい/いいえ)
4. 今回のイベントはどこで知りましたか?
①ダライ・ラマ法王日本代表部事務所HPで、②その他のインターネットで、③チラシで、④友人・知人から、⑤その他

大物来日です。Don’t miss your chance!

薬物依存のチベットの若者支える人

こんなことをやっている人もいるんだ、という感想と同時に、こういう問題も起きているんだ、という悲しみを禁じ得ないニュースがあった。

ひと:ミシル千世美さん 薬物依存のチベットの若者支える
http://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20090518k0000m070096000c.html

 「異国で自分を見失った若者に寄り添いたい」。6000人以上のチベット難民が暮らすインド北部のダラムサラで、薬物依存に陥る難民を支援するNGO「ツァンオ」(チベット語で「川」)を05年に結成した。チベット民族衣装の店を経営し、売上金で依存症の若者が暮らす施設を運営する。これまで約80人から相談を受け、15人を受け入れた。施設には24時間スタッフが常駐。酒、たばこ、単独の外出は禁止。若者たちの話に耳を傾け、共に料理や掃除をし、日常生活の中で自立へと導く。

 25歳の時、祖母をがんで亡くした。死について考え始め、西欧へ放浪の旅に出た。29歳で初めて教会に行き、「私があなた方を休ませてあげます」という聖書の言葉に、すべてを受け止めてもらえる気がして、肩の荷が下りた。

 01年、教会の活動を通して出会ったインド人のNGO職員(35)と結婚し移住。西欧の援助で建てられた若者の支援センターが、薬物入手の場所になっていることにショックを受け、活動を始めた。

 設立後間もなく駆け込んできた男性は、亡命政府発行の難民証明書まで薬物と交換していた。親身に話を聞くうち、若者が次々と相談に訪れるようになった。さまよう人たちの姿は異国を放浪していた昔の自分に重なる。「人生はいつでもやり直しができるということを伝え続けたい」。今日も若者がドアをノックするのを待ち続ける。【黒岩揺光】

 【略歴】ミシル千世美(みしる・ちよみ)さん。広島県尾道市出身。夫キンサイさんと2人暮らし。NGOのホームページはhttp://tsangwo.org。45歳。

毎日新聞 2009年5月18日 0時21分

記事の中で紹介されていたNGO「ツァンオ」のサイトを覗いてみた。上記の記事を読むと薬物依存の若者に特化したような印象を受けてしまうが、実際にはドラッグのほかにもアルコール依存症、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、HIVなどその他の悪癖・病に悩む人々も受け入れているようである。

こういう支援の仕方もあるのだな――先日の「チベット支援」をテーマとしたシンポジウムを拝聴して以来、どのような形のチベットサポートがあり得るだろうかと考えるようになったところなので、少しばかり感銘のようなものも受けた。

しかし、この記事を読んで真っ先に感じたのは、やはり「悲しさ」だった。
「チベット人のドラッグ問題」――恥ずかしながら殆ど聞いたことのなかった問題だったが、この記事を読む限りでもかなり深刻である。

西欧の援助で建てられた若者の支援センターが、薬物入手の場所になっている
設立後間もなく駆け込んできた男性は、亡命政府発行の難民証明書まで薬物と交換していた

本当なのか?

祖国を奪われ、抑圧され、厳しい生活を強いられ、祖国を離れることすら余儀なくされている人々である。私たちには想像もよらないストレスを抱えているということはよく理解できる。
しかし、亡命政府発行の難民証明書(ダライ・ラマ法王から直接手渡されたものかもしれない可能性すらある)を手放してまで、というのが信じられなかった。
日本でも薬物依存症やギャンブル依存症のために無理矢理金をつくるという話は聞くが、自由を求めて命がけでヒマラヤを越えて、やっとのことで手にした難民証明書を手放してでも、となると「想像もよらない」ストレスではもはや通用しない。

ここまでのストレスを抱えた人々の心のケアとなると、一筋縄ではいかないだろう。こんな大変なことを異国の地で何年も続けているミシル千世美さんには幾ら敬意を表しても足りない。”ダラムサラのマザー・テレサ”と呼ばせていただきたいほどだ。

 

それにしても、彼らにこれ程のストレスを植え付けた張本人たちに憤りを禁じ得ない。
思わず、こんな邪推が頭をよぎった。

まさか、チベット人を廃人にするために当局主導でチベット人に薬物を投与して彼らを薬物依存症にしてはいないだろうな??
――すみません。あくまで”邪推”です。(今のところそういう証言には接したことが無いので、全くの想像でしかない。やりかねない気はするが)

関連コンテンツ

【Take Action!】アウン・サン・スー・チーさん救出を

中国以外にも人権侵害が深刻な国は幾つかあるが、軍事独裁政権が支配するビルマもその一つである。
ここ最近、軟禁状態が5月27日に解除されるはずだった平和民主活動家アウン・サン・スー・チーさんの件で慌ただしいことになっている。
ニュースの見出しで簡単に流れを紹介すると・・・

5/5 スー・チーさんの解放拒否 ミャンマー軍政
  http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090505/asi0905051642002-n1.htm
5/6 スーチーさん宅に侵入? 米国籍の男逮捕
  http://mainichi.jp/select/world/news/20090508ddm007030060000c.html
5/11 アウン・サン・スー・チー氏の健康悪化、医師面会できず
  http://www.cnn.co.jp/world/CNN200905110006.html
5/12 アウン・サン・スー・チー氏の健康状態は回復
  http://www.cnn.co.jp/world/CNN200905120023.html
5/13 スー・チー氏を拘留・訴追へ ミャンマー、総選挙控え拘束延長
  http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090514AT2M1401314052009.html
5/14 軍事政権スーチーさんを告訴、5年禁固刑の可能性も
  http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090515/34481.html

米国籍男性侵入により「外部の者と接触した」かどで軟禁期限直前での追訴。これに対し、東南アジアや欧米各国、日本の中曽根外相などから遺憾の意もしくは非難の声明が出され、国連も「国際基準を逸脱」と非難声明。アメリカは経済制裁を1年延長すると発表した。

何とか圧力をかけないと――と思ったところに、またまたロンドン在住の若松さんからオンライン署名のお知らせが。
「Campaigning for Human Rights and Democracy in Burma(ビルマの人権と民主主義を求めるキャンペーン)」が、国連とASEANにアウン・サン・スー・チーさん解放への働きかけを呼びかけるオンライン署名を展開中です。

http://www.burmacampaign.org.uk/ASSK_action.html

世界に人権を!!

ダライ・ラマ猊下 南ア入りへ一歩前進

以前、ダライ・ラマ猊下が南アフリカからビザの発給を拒否されたというニュースをお知らせしたが、それに関して朗報が入った。
南アで新たに指名された外務大臣が猊下に対するビザ発給に積極姿勢を見せたのだ。

以下、BBCが報じたニュースの翻訳。

南ア ダライ・ラマに関する方針を転換(BBC)

http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/8051435.stm
Page last updated at 08:06 GMT, Friday, 15 May 2009 09:06 UK

南アフリカ政府は、ダライ・ラマへのビザ発給を拒否するという3月の決定を転換した。
Maite Nkoana-Mashabane新国際関係省大臣は、チベットの精神的リーダーは今やいつでも好きな時に訪れることができる、と述べた。
政府は、2010年のサッカーワールドカップと関連した平和会議へのダライ・ラマの参加を認めなかった際、国際的な抗議を浴びた。
批評家たちは、南アフリカは中国に屈した、と批判した。
ビザ発給拒否は、ツツ大司教やFWデクラーク元大統領らがノーベル賞受賞者会議をボイコットし、会議主催者に実施を無期限延期させることにつながった。
当時の熱狂にもかかわらず、政府スポークスマンThabo Masebeは「現在から(南アで行われる)ワールドカップの期間中」ビザは発給されない、と述べた。政府は、ダライ・ラマの出席は南アで初めて開催されるワールドカップへの注目がそらされることに繋がる、としていた。
しかし、今週ヤコブ・ズマ内閣の閣僚に指名されたNkoana-Mashabane女史は見解を明らかにしたいと述べた。
彼女は「ダライ・ラマはわが国を訪れたいと思っている世界中の市民の誰よりも自由である」と報道陣に述べた。
北京中国政府は、ダライ・ラマがチベットの独立を後押しし、チベットでの暴力行為を煽っている、と言っている。
しかし、1959年に中国の支配に対する騒乱の中インドへ亡命したダライ・ラマは、祖国の自治のみを求める、とおっしゃっている。

まだ外務大臣の個人的見解の段階だが、大きな前進と言っていいだろう。
猊下の出席しない平和会議など何の意味もない。
もう一歩。何としても完全実現させていただきたい。

関連コンテンツ

【告知】「宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会」(5月23日=終了=、東京・護国寺)

来たる5月23日、東京・護国寺にて「宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会」第2回が開かれます。本尊法楽のほか、チベット代表団特使、ケルサン・ギャルツェン氏のお話や、石濱裕美子・早大教授のお話もあります。

以下mixiより転載。

皆さま

「宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会」http://www.supersamgha.jp/では、只今以下のような企画を準備中です。

どなたでも無料でご参加いただける内容となっております。

5月23日(土)午後3時、皆さまぜひ護国寺様まで足をお運びください。

また当企画のボランティアスタッフも大募集中です!!
どうぞ宜しくお願いいたします。

合掌

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会
第2回結集 聞・思・修 ~学び、考える、行動する~

【日時】 平成21年5月23日(土) 午後15時~18時

【場所】 東京 護国寺 【桂昌殿】
  http://www.gokokuji.or.jp/index.html
  東京都文京区大塚5丁目40-1

【テーマ】 聞・思・修  ~学び、考える、行動する~

【趣旨】
チベットのこと、知っていますか?-学び、考え、行動する日本仏教へ-

ダライ・ラマ法王がインドに亡命して半世紀、チベット問題は今なお混迷の度を深め、解決の糸口を見出せずにいます。
今こそ、私たちは「聞・思・修」というサンガの基本に立ち返り、チベット問題の本質とその普遍性を学ぶとともに、宗派を超えて叡智と行動を結集し、希望の道を探る時ではないでしょうか。
そこで、当会結成1年を迎えるに当たり、宗派を超えてチベットの平和を祈念する私たち日本の仏教者が、再びその思いを寄せ合う結集を開催いたします。
当会設立の意義を見つめなおし、未来に向けて、私たち日本の仏教者が果たすべき役割を見出す集いにしましょう。皆さまのご参加を心よりお待ちしています。

「聞・思・修」とは、全宗派に共通する仏道修行における重要な基本姿勢です。これを三慧とも言い、すなわち、学び、論理的に考えて、繰り返す瞑想実修により「正しい理解」を身につけること。
私たちは、この三慧のプロセスから生じる仏陀の叡智が、慈悲(共感共苦)による「行動」へ、そして「社会参加する仏教」へとつながっていくことを願っています。
宗派を超える思いが、今、一歩踏み出します。

〔第2回結集特別講師〕
■ケルサン・ギャルツェン氏(ダライ・ラマ法王特使)
1951年チベット・カム地方に生まれる。83年以降チベット亡命政府の任務に就く。スイスのチベット事務所代表、駐欧州連合特使などを歴任。現在、ダライ・ラマ法王により任命された2名のチベット代表団特使のひとりとして中国政府との交渉にあたり、2002年以降、中国指導部との8回の公式協議と1回の非公式協議に臨むとともにチベット交渉対策本部のメンバーも務める。ダライ・ラマ法王の特使という立場から、チベットに関する講演やインタビューにも精力的に取り組み、チベットの人々の悲劇に光をあてるべく尽力している。

■石濱裕美子氏(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
文学博士。早稲田大学大学院博士課程修了。同大学教育学部専任講師、准教授を経て現職。
編著書に「チベット仏教世界の歴史的研究」(東方書店、2001)、「チベットを知るための50章」(明石書店、2004)、「図説 チベット歴史紀行」(河出書房新社、1999)、訳書に「聖ツォンカパ伝」(大東出版社、2008)、「ダライ・ラマの仏教入門」(光文社、2000)、「ダライ・ラマの密教入門」(光文社、2001)など。現在、日本国内におけるチベット史研究の第一人者。

【内容】
 《第1部》
・開会宣言
・本尊法楽(導師は護国寺ご貫主、岡本猊下)
・当会代表挨拶
・当会特別顧問挨拶
・チベット代表団特使、ケルサン・ギャルツェン氏のお話し

  ~休憩~
 
 《第2部》
・石濱裕美子先生のお話し
・ダライ・ラマ法王日本代表部事務所、代表ラクパ・ツォコ氏挨拶
・質疑応答(ケルサン特使・石濱先生)
・法要
・閉会宣言

※ 更に詳しい内容については当会ホームページに随時アップいたしますので、ご確認ください。
http://www.supersamgha.jp/
 

【参加費】 無料
※事前のお申込みをお願いします。 

お申込み方法は下記3つのいずれかに、必要事項明記の上お願いいたします。

・当会HP「お問い合わせ」へ http://www.supersamgha.jp/contact.html
・FAX045-431-2241 観音寺宛 
・info@supersamgha.jp

〈お申込み 必要事項〉
(1)氏名
(2)住所
(3)電話番号
(4)メッセージ

【参加資格】なし(どなたでもご参加いただけます)

【主催】 宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会 
      URL:http://www.supersamgha.jp/

【協力】 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所(チベットハウス)
      URL:https://www.tibethouse.jp/home.html

【募集】当日のボランティアスタッフを募集しています。(僧俗問わず)
    是非ご協力ください!!

【問い合わせ先】
(1)当会HP「お問い合わせ」へ http://www.supersamgha.jp/contact.html
(2)FAX045-431-2241 観音寺宛 
(3)info@supersamgha.jp

何卒ご参加宜しくお願い致します。

※このアクションは終了しました。

NEVER GIVE UP Tシャツ

東京・渋谷にある私の勤め先近くに、Import Gallery Akoという輸入雑貨店がある。インド、ネパールの雑貨があってベリーダンス愛好家がよく利用しているほか、チベットグッズも多く取りそろえており、私もちょくちょくお邪魔して既に常連となっている。
この日、昼食後に前を通ったところ、いつも店先に飾ってあるチベット国旗入りのTシャツが、国旗なしのTシャツに変わっていた。
下の写真が、それ。(購入後自宅で撮影)

NEVER GIVE UP Tシャツ

Tシャツには以下のような英語が書かれている。

NEVER GIVE UP
no matter what is going on
Never give up
Develop the heart
Too much energy in your country
is spent developing the mind
instead of the heart
Develop the heart
Be compassionate
Not just to your friend
but to everyone
Be compassionate
Work for peace
in your heart and in the world
Work for peace
and I say again
Never give up
No matter what is happening
No matter what is going on around you
Never give up
H.H. THE XIV DALAI LAMA

諦めてはならない
何が進行していようとも
諦めてはならない
心の深い処を豊かにしなさい
汝の国では余りに多くのエネルギーが
心の深い処ではなく
心の浅い処を豊かにすることに費やされている
心の深い処を豊かにしなさい
慈悲の心を持ちなさい
汝の友人だけでなく
あらゆる人に対して
慈悲の心を持ちなさい
平安のために尽くしなさい
汝の心の平安と世界の平安のために
平安のために尽くしなさい
さすれば我は繰り返そう
諦めてはならない
何が起きていようと
汝の周りで何が進行していようとも
諦めてはならない

ダライ・ラマ14世猊下

 

素晴らしい!!
ダライ・ラマ14世による有名な詩である。

衝動がうずいた。店に入り、顔なじみのおかみさんに声をかけた。
「表の”NEVER GIVE UP” Tシャツ・・・」
「気になった? そうよね! ”NEVER GIVE UP”よね!」
大のチベットファンであるおかみさんが強く答える。
このTシャツはImport Gallery Akoさんオリジナルのもので、表裏ともにこの有難い詩がプリントされていて、暗いところでも光って見えるという(試してみたところ、闇に目が慣れてくると確かにほのかに光って見える)。
これで値段が1500円(税別)!! 即購入。帰宅時には、風が強くて昨日に比べ思いのほか冷え込んだためアピールのためYシャツの上から着込んで自宅までウロウロした。

Import Gallery AkoさんGJ!!

関連コンテンツ

チベットの人道的侵害でスペイン最高裁が判決

「普遍的管轄権」という言葉をご存じだろうか。私はつい最近になって初めて知った。

国際法によれば、国家は、国際法上の犯罪の加害者を訴追することが可能であり、場合によってはそれを要求されている。この管轄権は、どこで、いつ犯罪が起きたかに関わらず、また被疑者あるいは被害者の国籍に関わらず、また、法廷が設置されている国に何か特別な関係、例えば当該国家の安全保障など、があるかどうかに関係なく存在する。
普遍的管轄権は、国際法上もっとも重大な犯罪として、ジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪、拷問、超法規的処刑および「失踪」に適用される。国内法の犯罪である、殺人、誘拐、暗殺および強かんなどにも同様に適用される。

(アムネスティの資料より)

これまでに、ピノチェト事件(後述)で普遍的管轄権によってチリのピノチェト元大統領がスペインでの判決に基づきイギリスで逮捕された例や、グァテマラの虐殺や拷問に対しスペイン憲法裁判所が普遍的管轄権を認めた例があり、日本でも日本の法輪功愛好者が中国大使館と江沢民・前中国国家主席らに対し集団虐殺罪と名誉棄損で損害賠償を求めて大阪地裁に訴えたことがあった(これは却下された)。

先日、ロンドン在住の日本人チベットサポーターのWさんから興味深い情報が流れてきた。
またもスペインで、チベットの虐殺・拷問の問題で最高裁が中国法務部代表8人に判決を通達したというのである。(これが、私が『普遍的管轄権』という言葉を初めて知ったきっかけだった)

以下、WさんからTSNJメーリングリスト経由で送られてきた内容を引用。

スペイン最高裁の裁判官はチベット自治区党,張慶黎書記長を含む、中国法務部代表8人に最高裁決定を通達した。決定は2008年3月以降続いているチベット人に対する厳しい取り締まりに関し、チベットの人々に対する犯罪についての調査を懸案事項に含む。
裁判官は中国外務省に対して、もしスペイン国内の裁判所での被告人に対する質問が拒否された場合には、中国国内で行われることができるよう許可の申請をした。
Santiago Pedraz裁判官はまた、チベット内の刑務所と抗議行動の起こった主要地を視察する許可を申請し、インド政府にもダライラマと亡命政府の拠点であるダラムサラでチベット人目撃者に証言をとる許可も申請。

この訴訟は現在スペイン最高裁判所で” 普遍的管轄権” に基づき現在進行中の2つのチベットに関する訴訟のうちの一つで、これによって最高裁はテロや戦争犯罪、拷問の関連が認められた場合には国境を越えてアクセスが可能になる。

特に昨年の武力鎮圧を含む、2006年以降に関するこの訴訟はTibet Support Committee of Spain (CAT) と Fundacion Casa Del Tibet, Barcelona(バルセロナ、チベットハウスファンデーション)から起こされ北京オリンピックの開幕わずか数日前に、裁判所に受理された。

Judge Pedraz裁判官は中国当局に、 AFP通信社 (May 5, 2009)によって指摘され提出された、今訴訟に関する裁判の参考書類によると、2005年に中国はスペインと二国間の司法協力協定に署名したことについて指摘し”私たちのそれぞれの二国間の友好関係を考え,私の要求に対して良い回答をしてくれることを望む”と書面で発表。

裁判官はさらに、これらの告訴内容が実証されれば、人道侵害の罪でスペイン法と国際法の両方で裁かれることになると発言。

”チベット住民は政治的、民族的、文化的、宗教的、国際法のしたで世界的に認められないとされているその他の動機などによって迫害されてるグループのように見えるだろう”と同氏は、書いたとAFP通信の報道。

裁判所によって公表された判決内容では Pedraz裁判官は”現在訴訟手続きの経過で調査中である、チベットの人々に対する人道侵害の犯罪の関与”について” 中国の指導者を質問することの必要性を強調.
また同様の書面の中で訴訟に関する書類のコピーが同封されている事にふれて”スペインの刑事法
と刑法775に乗っ取って弁護する権利を行使するためには、
もし被告人がこの(スペインの)最高裁でそうするのを拒否した際には、中国国内にて中国法務部から中国への被告人質問を行う司法許可を得るため、
スペイン国内で連絡が可能な指定されたアドレスをもつことが必要です。”と
ある。

起訴状によると8名の中国当局関係者、被告人の中には以下の3名も含まれている。

●- チベット自治州チベット自治省の共産党書記Zhang Qingli(張慶黎)
ダライラマに対する悪意に満ちた声明や、チベットにおける愛国教育のキャンペーンなどで知られ、チベットにおいて反感や不安を招いたとされる。

●- 新疆自治区ウイグル自治区トップの共産党委員会書記、
ウイグルの人々に対して、一連の強硬政策の指揮をとった
中国共産党中央政治局Wang Lequan(王楽泉)

●- 前中国少数民族?外交流教会会長、チベットを含む中国の西部地域全体の経済政策の指導計画の実施にしていた Li Dezhu(李匇洙)

今回の訴訟の指揮を執ったのは、
Jose Elias Esteve Moltoバレンシア大学国際法学科教授と、Alan Cantos のSpanish Tibet Support Committee(スペインチベット支援委員会)で海洋学の研究者は、今回の訴訟についてこう語った。

「我々は国際法を用いてチベットの人々に正義を求めると同時に、中国政府指導者に対してはっきりと責任をとうことの出来る方法を調査しました。現段階ではまだわかりませんが、起訴された中国指導者らの証言要求に従うことが彼等によって拒否された場合には、スペインと犯罪者引渡条約を結ぶ国の国内で、彼等を逮捕することができます。これはインターポール(国際刑事警察機構)による規約であり、個々の政府によるものとは関係なく施行されるものです。

ICT広報担当官で今回の裁判にも、スペインに出向いて証言資料等の提出をしたケイト サンダーズの語る所では、

スペインにはチリの独裁者ピノシェ(ピノチェト)逮捕を可能にした裁判官Baltasar Garzonなど参加する『Group of Progressive Persecuters』という司法家の団体があります。

裁判官Baltasar Garzonはピノシェの” 普遍的管轄権” の行使を可能にしたパイオニアで、1998年にインターポールを通した国際逮捕状の発布により、治療目的でロンドンを訪れたピノシェを逮捕に至リました。この件に関してはアムネスティとメディカルファンデーションがピノシェのスペイン最高裁出頭に対して、かなり運動をしましたね。

今回のチベットに関する裁判を担当しているSantiago Pedraz裁判官も、その『Group of Progressive Persecuters』のメンバーの一人で、今回の訴訟の指揮を執った、Jose Elias Esteve Moltoバレンシア大学国際法学科教授と、Alan Cantos の二人は自国の法の枠を越えて普遍的な人道に関する罪を” 普遍的管轄権” の行使によって可能にすることこそが、ダライラマの説く「中道」アプローチだと共感し、10年の歳月をかけて訴訟を起こしました。

現在スペインではチベットに関する2つの個別の訴訟が起こされています。
一つが、この記事に関する去年3月動乱以降に関するもの。
と、もう一つは過去50年にさかのぼって、チベットにおける中国の「人道に関する罪」を問うものです。(労働改造所への強制収容、漢族との通婚の強制などを含む)
なお、2006年9月30日に起きたナンパラ峠での少年・尼僧射殺事件についても、現在準備中だそうです。

この国際法によるアプローチの優位性は、国際法というインターポールを通した刑の行使によって個々の国の法律を乗り越えことを可能にする点です。
ロンドンでピノシェを逮捕可能にしたように、スペインと犯罪者引渡条約を結ぶ国の国内で、起訴された8人の中国人被告人を逮捕することも可能になります。

これに触発されて、様々な国で現在話し合いが始められているようです。

日本でもどのような運動の可能性があるかなど、模索してみたいですね。

日本がスペインとどのような司法協定をもっているか、今回のスペイン最高裁決定に関して、今後どのような運動することが可能かなどについて、日本の司法家でご協力、アドバイスをいただける方、是非とも、ご連絡下さい。

スペインは日本と司法共助条約を結んでいる(参照:外務省公式サイト『スペイン王国』)。その内容によっては上述の被告の身柄を日本からスペインに引き渡すことも可能な訳だ。
「インターポール(国際刑事警察機構)による規約であり、個々の政府によるものとは関係なく施行されるものです」ということだから、つまり、中国の顔色ばかり窺っている腰ぬけ日本政府がどう思おうとインターポールの権限によって施行できるということである。

いずれにせよ、今後の動きに注目。面白いことになるかもしれない。

関連コンテンツ

テンジン・ドルジェさんを交えて「チベット支援」を考える

昨日トークを拝聴させていただいたテンジン・ドルジェ(テンドル)さんを迎えてのイベントがこの日も開かれた。

まずはテンドルさんのお話。初めに、拘束されていた5人の僧侶が逃げ延びてインド入りに成功した、という一報が紹介され、会場内が拍手でわく。
それから、昨日同様「中国の体制は長続きしない。チベットは必ず自由になる」ということを繰り返し強調。そして、文化的でソフトパワーなグローバルサポートを訴える。

第2部では、アムネスティ日本チベットチームの望月さん、ネパールでチベット人支援をしている貞兼綾子さん、チベット本土で支援をしている「I Love Tibet」主宰の長田幸康さんも交えて「チベット支援」についてディスカッションが行われた。
望月さんは、手紙や署名による圧力で囚人たちの待遇を改善させてきた、若しくは釈放させたアムネスティの成果や、今後は個別のケースから大型のケースへと変化させていく計画などについて言及。
貞兼さんからはネパールでの難民支援の変遷についてお話があり、「1990年に難民センターができてからネパールは第三国へ移住するために通過するだけとなり、居ついてしまったチベット人は『難民ではない』と処罰の対象になっている」「外国からの支援はダラムサラに集中していて、ネパールでは自分たちでサポートしているケースがある」などの問題点も指摘。
長田さんからは現地で信頼できるパートナーを探し、学校や職業訓練所設立の資金を提供するという活動の報告があった。一方、本土では住み込んでの支援が難しいこと、中国と付き合っていくことの難しさも指摘。
「中国と付き合っていくのは難しいが、利用できるところは利用する。役所や公安にも、党員にも『チベット文化を守っていかなければ』と考える人もいるのでその人を信用してやってみる。党員だからダメ、ということはない」
とのお話もあった。
そしてテンドルさんは
「自分にしかできない得意分野でサポートすることが大切。何が一番大事かは今は分からないので、あらゆる分野で努力する必要がある」
などと話した。

自分の得意分野・・・
何だろう、と考えてみた。

現状、私がやれている支援はデモなどに参加するか、このサイトでチベット問題を訴えることぐらい。
他に自分にできることは・・・

中国語。
これを生かすことができる場面は必ず出てくることだろう。

その他には、何かあるだろうか。

チベットサポート1年目は、「チベット問題を知る」ために費やされた。今後は、「何ができるかを考える」ための時期になるだろう。

 

さて、テンドルさんはこの日夜、東京・渋谷のUPLINKで上映中の「雪の下の炎」のトークイベントにも招かれていた。すっかりテンドルさんの人柄にひき付けられてしまった私は、ストーカー追っかけの如く予定外だったUPLINKにも出向いてしまった。
さすがにこの時のトークは既に聞いた内容が多かったが、
「日曜の夜にこんなに重い映画をご覧になって『パルデンさんはアンラッキーだった』とお思いになるかもしれないが、パルデンさんはむしろラッキーな方だ。なぜなら、釈放されずに未だ獄中で苦しんでいる大勢の人たちがいるのだから」
「パルデンさんは拷問の結果、今は病気を抱えていて毎日大量の薬を服用する必要がある。それでも彼は、病気を押して世界中を駆け回っている」
この話を聞いた時には、不覚にも涙腺が緩んでしまった。

関連コンテンツ

<新着記事>

Google

WWWを検索a-daichi.comを検索
お勧めメディア(Amazon)
チベットの大地へ