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世界への旅(旅行記)

ペルー

チチカカ湖-2 ~タキーレ島からの眺望

2009年9月22日

チチカカ湖
タキーレ島を目指し、チチカカ湖を進む
再びモーターボートに戻ってウロス島を出発し、今度はチチカカ湖の沖へと進路を進める。葦が群生する岸辺を離れると、目の前には広大なコバルトブルーのチチカカ湖(ティティカカ湖)の湖面が横たわっている。陸地はかなり向こうの方にしか見えない。

カパチカ半島とチュキート半島に挟まれた湖峡を通過。すると、先ほどまでよりも更に広いスパンで青の湖面が広がる。
船はやがて、タキーレ島に到着する。純粋なケチュア人が暮らす、こことスペイン・カタルーニャでしか見られない織物で有名な、電気も水道も無い昔ながらのスローライフが送られている島である。
「再乗船する場所が違うので集団から離れないようにしてください」とのガイドの言葉を受けた上で下船。丘の上に登ってみると、チチカカ湖を湖面から見るよりも更に広いスパンで見ることができる。18mmの広角レンズをもってしても、もはや湖を1枚の写真に収めることはできない。遠くに見えるアンデスの雪山のあたりはもうボリビアだ。

チチカカ湖
タキーレ島の、下記の広場から望むチチカカ湖。遥か向こうに見える雪山はボリビア領だ(パノラマ合成。クリックで拡大)

これまで見た湖の中で、最も大きかったのはツォ・ゴンポ(ココ・ノール)、最も青かったのはヤムドク湖(いずれもチベット)だったが、このチチカカ湖はそのいずれよりも広く、青い。
ウロス島から3時間近くかけて辿り着いたので、かなりの距離を進んだはずなのだが、前ページの地図をご覧いただきたい。この地点はまだ、湖横断の5分の1程度の位置でしかないのである。底知れない広さだが、それでも世界の湖の中ではベスト20にも入らないという。そう思うと、今度は世界の広さの底知れなさを感じさせられる。
地元の踊り
地元の踊り

テーブルがセットされた、コバルトブルーのチチカカ湖を見下ろす高台で休憩。まずは地元の踊りを鑑賞。しかし、動きと表情がどうもぎこちないのと踊り手が中年という点で、昨日レストランで見た華やかで元気いっぱいのフォルクローレのショーに比べると明らかにクオリティーが落ちる。
それから昼食。オムレツなら追加料金なし、地元名物マス料理なら18ソル追加ということだったが、マス抜きにしてチチカカ湖は語れない。私を含めて大多数が18ソルを支払ってマス料理を頂いた。

更に高台を目指す。村の中心部だろうか、湖を見渡せる広場に行きついた。ここで湖の景色を楽しんだ後、この島の名物である織物を売る市場を見学した。何か土産物でも買うかな?と物色していると…
「もう出発しますよ」
とお呼びがかかる。日帰りツアーで慌しいのが残念。買い物もろくに楽しめなかった。
チチカカ湖
太陽の光を受けて輝くチチカカ湖
タキーレ島の子どもたち
タキーレ島の子どもたち

山すそをぐるりと回る形で島の反対側に向かう。その間、湖は刻一刻と姿を変え、港に着く頃には波が太陽の光を反射して宝石箱をひっくり返したようにきらきらと輝いている。

「写真撮って♪」
10歳ぐらい、あるいはもっと幼いだろうか。地元の子どもたちが道中、語りかけてきた。お言葉に甘えて撮らせてもらったが、要お小遣いなのは言うまでもない。

この子どもたちは、一生この島で暮らしていくのだろうか。
一度でもプーノあたりに上陸して電気や水道のある生活を知ってしまえば、この島での自給自足の生活を拒むようになってしまうかもしれない。
島から人が流出して村が寂れる可能性…
風力発電所か何かができて、島が電化される可能性…
世界が文明化に進む中で、この島の伝統的なライフスタイルは今の姿を保つことができるのだろうか ―― 遅かれ早かれ、この島はその転換点を迎えることになるのかもしれない。いやもしかしたら既に、その時は来ているのかもしれない。

タキーレ島を後にし、2時間半をかけてプーノに戻る。

実は、旅の序盤に早くも一番の目当てであるマチュピチュを訪れて感動した際、後は旅のテンションが下がるばかりではないか、と危惧していた。
しかし、それは全くの杞憂だった。それどころか、この日目にした広く青いチチカカ湖の風景に、私のテンションはむしろ上がる一方だった。

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