ナムツォ、ヤンパチェン ~天の湖
2007年7月4日
ナムツォは天の湖と呼ばれる、海抜約4700mの地点に位置する高地湖で、ツォ・ゴンボ(中国名『青海湖』)に次ぐ、チベットでも2番目に大きい塩湖である。
まず私たちの目を引き付けたのは、真っ青な湖面である。湖の向こうには、緑の山、更に向こうには、時折雲がかかってしまうものの、白い雪山が連なって見える。そしてその上を見上げると、湖面に勝るとも劣らないほど真っ青な空が広がっている。
ナムツォ
ここナムツォにも、無数のタルチョがはためいている。湖畔には仏塔が建っている場所もある。これを見ればよく分かる ―― いや、タルチョや仏塔を見るまでもなく、この神秘的な光景を見ていればおのずと分かる。チベットの人々にとって、ナムツォは"神の湖"なのだ。
カワカブなどにも見られるように、チベット人にはこうした自然に対する信仰心が顕著である。
経文が彫られた石
自然環境の厳しい地で暮らしているからこそなのかもしれない。
仏塔の側で、珍しいものを見つけた。チベット文字で経文が書かれた石が幾つも転がっているのである。この聖なる湖ナムツォで自然と宗教が一体となっていることを象徴しているかのようだ。
初めのうちは平らな場所から湖を望む。それだけでも湖の美しさ、広大さが十分に伝わってくるが、それだけでは飽き足らない。
バスが到着したタシ島には2つほど小山がある。私はそのうち低い方に上ってみることにした。
海抜4700mもの高地である。坂道を上って息切れしないはずがない。しかし、高台から望むナムツォの景色が、そんな苦労を吹き飛ばしてくれる。タルチョの向こうに、先程よりも一層広いスパンで横たわって見える真っ青な湖と、雪山が重なって見える光景は、ここチベットならではのものである。
高台から望むナムツォ
当初の予定ではナムツォでの自由時間は1時間だったが、この湖の美しさを目の前にしてしまえば、その程度で皆戻ってくる訳がない。ナムツォを出発したのは到着から1時間半後になった。
ラサに戻る途中、ヤンパチェンという温泉で有名な場所に立ち寄った。
しかし、ガイド自身が「大して面白くない」と言っていた場所である。確かに見どころには乏しい。私たちの中では誰も温泉には入らず、ただ表から温泉の湯気を見たり、周りの雪山の風景を見るばかりだった。
その上、温泉玉子売りの子供がしつこかったり、相も変わらず「俺の写真取っただろ?」と言ってくる輩がいたり(今回は大きなトラブルにも金を払う羽目にもならなかったが)で、余りいい気分になれなかった。
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