チベット旅行用語集
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<カ行>- カイラス
- 西チベットにある、海抜6656mの山。現地名は「カン・リンポチェ」。山肌が切り立っていて、非常に端正な形をしている。仏教のみならずヒンドゥー教、ジャイナ教、ボン教などで聖地とされている未踏の高峰だ。周囲に巡らされた巡礼路は52kmもあり、仏教徒はこれを13回もコルラすることを目指すという。(筆者は未到達)
- カワカブ(カワ・カルポ)
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チベット東南部の、中国語で「梅里雪山」と呼ばれている山系の最高峰。海抜6740m。チベット人にとっては聖なる山である。聖山であるが故に登山は信者によってタブーとされているが、1991年、日中合同登山隊がこの山を登頂しようとするも遭難している。
- ガンデン寺
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ラサ東郊外タクツェの、4000m級の山の上に建てられたゲルグ派総本山の寺院。1409年に、ゲルグ派の創始者であるツォンカパによって建立された。毎年チベット暦6月15日に巨大なタンカが開帳されることで有名。
- 五体投地
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仏教で、体をのばした状態で五体=全身を地に投じてまた立ち上がり、を繰り返す方式で行う祈り、若しくは巡礼。
- コルラ
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聖地の周りを右回りに巡礼する行為。
<サ行>
- ジョカン
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バルコルの中心に位置する、ラサの中心的寺院。7世紀にネパールから嫁いできた妃らが建てたといわれている。チベット仏教徒にとっては、イスラム教徒のメッカにも相当する、巡礼の対象。正式名は「トゥルナン寺」。中国語名は「大昭寺」。
- 雪山獅子旗
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1912年、チベット独立宣言の折に制定されたチベット国旗。日本人の青木文教が原案作成者の1人といわれる。
- セラ寺
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ラサ市内北部にある、1419年ツォンカパの弟子が創建したゲルグ派の僧院。かつて河口慧海や多田等観がここでチベット仏教を学んだ。広い敷地に多くの建築物が並ぶ。中庭で多くの僧侶たちが手を打ち鳴らしながら問答する光景が有名である。
<タ行>
- ダライ・ラマ
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チベット仏教の最高指導者。1578年にソナム・ギャムツォがモンゴルのアルタン・ハーンからダライ・ラマの称号を受けたのが始まり(ダライ・ラマ3世)。「ダライ」はモンゴル語で「大海の師」の意味。観音菩薩の化身とされ、後継者には、予言に基づき先代の転生者と認められた者が就く。現在の14世は、1959年の中国によるチベット弾圧以来、インドに亡命してダラムサラ在住。
- タルチョ
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チベット仏教の経文が書かれた白・黄・青・緑・赤の五色の小旗。チベット仏教の聖地などに幾つも並べて掲げられることが多い。
- タンカ
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チベット仏教における宗教画。掛け軸のような形式で寺院に飾られることが多い。ガンデン寺などでは年に一度、巨大なタンカが開帳される。
- チューメ
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ヤクの乳で作られたバター製の蝋燭(バター灯)。チベット寺院でよく灯されており、訪れた信者たちがバターをつぎ足す光景がよく見られる。このため、チベット寺院ではバター臭が充満している。
- トゥクパ
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うどんに似たチベット式麺。スープはあっさりとした塩味で、具には主に野菜やヤク肉が使用される。
<ナ行>
- 入境許可証(TTPパーミット)
- チベット旅行局が発行する、外国人がチベットに入ることを許可する証書。外国人はこれが無いとチベット(中国が言うところの"チベット自治区")に入ることができない。(詳細はこちら)
- ノルブリンカ
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ダライ・ラマ法王の夏の離宮。夏の時期はノルブリンカで、冬の時期はポタラ宮でチベットの執政が行われた。広い敷地の中にチベット様式の建築物が建ち並ぶ。毎年8月にはショトゥン祭が行われる。1959年に主であるダライ・ラマ14世がここから脱出して以来、主を失っている。
<ハ行>
- バター茶
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茶葉を煮出した汁にヤクのバターと塩(このため『塩バター茶』と呼ばれることもある)を混ぜた、チベット独特の飲み物。チベットのヤクバター文化を象徴するものである。バターが主材料なだけに重いので、飲みすぎにはご注意を。なお、「バター茶」は勿論通称で、チベット語では「チャスマ」と言う。
- バルコル
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ジョカン周囲の石畳の歩道。チベット仏教の聖地を周回するだけに、多数の信者がここをコルラする。土産物屋も多い。中国語名「八角街」。
- パンチェン・ラマ
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ダライ・ラマに次ぐチベット仏教の高僧。シガツェのタシルンポ寺の座主である。現在タシルンポ寺に住む11世は中華人民共和国による傀儡で、本物のパンチェン・ラマ(ニマ)は中華人民共和国に拘束されている。
- ポタラ宮
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1642年以降、チベット政府(ガンデンポタン)の本拠地となった宮殿。ラサ市内の丘の上に建つ。同市のどこからでも見えるランドマーク。1000以上の部屋を有し、内部構造は複雑。仏像、黄金の曼陀羅、歴代ダライ・ラマの霊塔などの文物が安置されている。1959年の中国によるチベット弾圧以来、主であるダライ・ラマを失っている。
- ボビ
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チベット料理の一つ。薄いナンのような小麦製の皮で炒めた野菜・ヤク肉をくるんで食べる。
<マ行>
- マニ車
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中にチベット仏教の経文が収められた円筒形の車。表面にはマントラ(真言)が刻まれている。軸を中心に、コルラ同様右方向に回すことで、お経を唱えたのと同じご利益を得られるという。片手で回せるものや大人数でないと動かないものなど、大小さまざまある。
- モモ
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チベット料理の一つ。小麦粉で作った皮で、一般的にはヤクのひき肉をベースとした具をくるんで茹でたもの。形は一般的に中国のギョーザに似ているが、中国の小籠包に似た形で作られることもある。
<ヤ行>
- ヤク
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チベットに生息する、毛の長いウシ科の哺乳類。肉、毛皮、骨製品、乳(乳製品やチューメ=バター灯にも利用される)、糞(燃料になる)などに利用され、チベット人の生活には欠かせない家畜である。
- ヤクバーガー
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ヤク肉ハンバーグを使ったハンバーガー。但し、味は普通のハンバーガーとそう変わらないので、言われなければ食べてもヤクバーガーとは分からないかもしれない。
<ラ行>
- ラモチェ
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ラサ市内の、バルコル一帯からメーンストリートを北へ渡って少し歩いた所にあるチベット仏教寺院。ジョカンと同じく、7世紀(641年)に文成公主らが創建した。その名は「この世で最も大きな建物」という意味である割にはポタラ宮はもとよりジョカンよりも小さいが、密教の学院として、文化財として重要な位置を占めている。中国名は「小昭寺」。
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