ギェルタン(シャングリラ)-2 ~標高3000mのチベットの寺院と民俗
注:ギェルタンとは、シャングリラ(香格里拉)の名で知られている街で、現状中国雲南省に属しているが本来チベットの版図に属する。
2007年6月13日
仏塔のあるギェルタンの風景
ナパ海から市街地の入り口まで戻ったところで、ソンツェリン・ゴンパ(中国名『松賛林寺』)へ行くバスを見つけ、それに乗車する。しかし、道路工事のためソンツェリン・ゴンパ手前2kmほどでバスでは先に進めなくなり、そこから先は徒歩で向かった。
ソンツェリン・ゴンパまでの道中でもいい風景を見ることができた。白い仏塔と田園の向こうに、ギェルタンの町並みを望むことができる。
それに、昨日は中国・昆明で雨にたたられたが、今日ここでは、雲もあるものの、太陽と真っ青な空が眩しい。よくチベットなどの高地の印象を「空が近い」と表現する人がいるが、この時の私の印象は「太陽が近い」だった。
20分強歩いて、ソンツェリン・ゴンパが見えてきた。
ソンツェリン・ゴンパ(松賛林寺)
ソンツェリン・ゴンパは17世紀に創建され、ダライ・ラマ5世によって拡張された、このエリア最大のチベット寺院である。ラサのポタラ宮に例えられることも多いが、ポタラ宮は宮殿、ソンツェリン・ゴンパは寺院であるのでジャンル的には異質なものである。それでも、丘の上に建つ荘厳なチベット建築という点では確かに共通しているので、比されるのも確かにうなずける。
寺院の前には池があり、そのほとりでチベット僧たちがたむろしている。勿論、それ以外の場所でも多くのチベット僧たちがいる。
この日は至る所でチベットを感じたが、一番チベット色が濃厚だったのはやはりここである。
しかしここで、体調に変化が発生した。何か、頭がぼうっとしてきたのである。
―― 忘れていた。
この地は、標高3000mの高地だったのである。
ナパ海からの帰路の途中から事故渋滞を嫌って歩いたり、ソンツェリン・ゴンパまでの道中に道路工事のため途中から歩いたりと、来て早々頑張って歩きすぎ、軽い高山病になってしまったのだ。
ソンツェリン・ゴンパを参観しようにも、寺院の入り口には急で長い階段が立ちはだかっている。今にしてみれば何とももったいない話だが、外観だけで十分満足していた私は、敢えてその階段を上ることはせず、大人しく中心街へと引き揚げた。
タルチョはためく広場で踊るチベット人たち
色鮮やかな民族衣装姿
久しぶりに日本語入力ができるパソコンに恵まれ、インターネットやメールをしているうちに、ようやく体が落ち着いてくれた。
夕刻、古城を歩いていると、中央にある広場に人だかりができていた。覗いてみると、タルチョがはためく下、大勢のチベット人が輪になって踊っている。
チベットの雰囲気を満喫したギェルタン初日を、最高の形で締めくくることができた。
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