バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

海南島

三亜・1 ~ビーチに吸い寄せられて…

2006年5月2日

海南島には、島をぐるりと1周する形の環状高速道が整備されている。お陰で、島の最北端の海口から最南端の市である三亜までも僅か3時間20分程度で行くことができた。

到着したところで、宿探しである。初めは街の中心である解放路を歩いてみたが、やはり海辺で宿を取りたいと思うようになり、バスで大東海というビーチエリアを目指した。
しかし、このあたりのホテルはいずれも高い。リゾートホテルのような所ばかりだ。
暫く歩いていると「藍天青年旅舎」という看板が目に入った。そうか。三亜のユースホステルはここにあったのか。ただ、ここは出発前に既に予約を試みて「満室」と言われていた。当てにせずに行ってみたら、やはりGWの間は満室とのことである。
ユースから表通りに戻る途中、「HOTEL」という看板を掲げた小さな建物がある。ゲストハウスみたいな所だろうか。
「ここはどうだ?」と思ったその時、マスターが声をかけてきた。こんな感じで常日頃、ユースに泊まれなかった旅客を釣っているのだろう。
部屋を見せてもらったところ、お世辞にもきれいとは言えないが、テレビ、シャワー、トイレ、エアコンと必要なものは揃っていて、宿泊費は100元。これなら全く問題ない。私はここを三亜巡りの拠点に決めた。 大東海のビーチ
三亜・大東海のビーチ

一休みした後、早速大東海のビーチに出る。
折しも快晴。空も海も見事なくらいに青く、陽光は勿論、浜辺の砂も眩しいくらいだ。波打ち際から10数メートル離れたところに並ぶヤシの木が、南国情緒を際立たせている。

「すごい…」
思わず感嘆の声が口について出た。
香港のリパルス・ベイで、アモイで、南国のビーチはこれまでも見てきた。しかし、これ程見事なビーチは見たことがない。
出発時には、特に海水浴をしたいとも思わず、水泳の用意はしていなかった。しかし、この光景を見て泳ぎたいという衝動を抑えられる方がどうかしている。
私は近くの店で水着を買い、宿に戻って装備を身軽にし、再びビーチへ繰り出した。

久々の海水浴は、実に爽快だった。
波がやや強く、文字通りの“水泳”はなかなかできなかったが、軽く波に乗り、時には波に呑み込まれ ―― そうして体を海の水に委ねているだけでも自然と一体になっているような感覚を覚える。
中国では学校の体育で水泳を習う機会が少なく、金づちも少なくないのだが、それでも浮き袋を頼りに泳ごうとする中国人が大勢いる。やはり、海が生命の源であるが故に、“海に入りたい”という欲求が本能的に表れるのだろうか

泳ぎ疲れたら、砂浜で寝そべって甲羅干しだ。
ふと周りを見ると、西洋人の姿も少なからず見られることに気づく。ここ三亜は、意外にも世界に知られたリゾートビーチだったのだ。
夜の海辺
夜になっても海辺に人は絶えない

夕食は折角なので、海の見える野外レストランで取ることにした。しかし、ここの料理は値段の割に味が良くない。場所と雰囲気だけでぼったくっていると言われても仕方の無いものだった。

やがて夕日が落ち、辺りは暗くなる。
しかし、夜になっても海辺に人は絶えない。
ライトが照らされる中、人々はいつまでも三亜の海辺を楽しんでいる。

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