青島・4 ~“多国籍地区”
2004年10月2日
中山公園から南へ少し歩くと第2海水浴場にたどり着くが、その近辺に八大関景区という場所がある。ここは、かつての要人たちの別荘地であり、時代を感じさせる各国様式の建築物が並んでいる。
アメリカ風あり、ロシア風あり、スペイン風あり、日本風ありで、言わば“多国籍地区”である。
花石楼
中でも目を引くのが、第2海水浴場の東側に建っている、ロシア風建築の花石楼だ。この建物はかつて蒋介石が使っていたもので、驚くほど大きな建物でもないのだが、独特の石造りの外観は特徴的で、迫力すら感じる。蒋介石と言えば、国民党を率いた軍人だ。そんな気風が表れているのだろうか。
対照的なのが、デンマーク様式の公主楼だ。武骨な花石楼に対し、こちらはきれいに青く塗られた壁が美しい建物である。
この建物は、デンマークの王子が1929年に青島に来た際、ここに公主(王女)を呼ぶために造らせたものだという。結局、公主は青島に来ることは無かったのだが、建物の名前は今でも“公主”という言葉を冠している。
公主楼
この公主楼には、王女のための建物、という雰囲気が如実に現れている。
その他にも、朱徳別荘、元帥楼などがあるが、期待を外されたのが東海飯店だった。石造りの立派な建物だと聞いていたのだが、そこにあったのは無味乾燥なコンクリート建築だったのだ。(と思っていたら後日、そのコンクリート建築の後ろに今でも古い建物が残っているということが分かった)
東海飯店の裏側からは、第1海水浴場から半島の先端に到るまでの海の光景が一望できる。1枚の写真では収まりきらない程、広々とした光景が眼前に広がっていた。
(1枚では収まらないので、何枚かの写真をつなげてみました。ページ画面にも収まりきらないので、別ウィンドウでご覧ください)
海辺で写真撮影をする新婚カップルたち
ところで、この場所で建物や海の風景以上に私の目を引いたのが、人の風景である。
前日、基督教堂で写真撮影をする花嫁の姿を見たのだが、それは前触れに過ぎなかった。海辺に出る以前から、八大関景区で記念撮影をするカップルの姿がちらほら見られたが、海辺に出て海水浴場の東の方に行くと、そこかしこでウェディングドレス姿の女性に出くわした。適切な表現ではないかもしれないが、“うじゃうじゃ”いるのである。
恐らく、挙式はこの時期にいっせいにやる訳ではなく、アルバムの写真撮影だけを連休を利用してやっているのだろう。それにしても大勢いる。この日だけでも少なくとも、100組は見たことであろう。
いずれにせよ、彼らの今後の人生が、眼前に広がっている海同様、揚々たるものになることを祈りたい。