青島・1 ~道教の山・崂山
2004年10月1日
この日から国慶節の法定休日が始まる。今日はまだ移動日に当てる人が多いだろうが、明日からは観光都市としても有名なこの青島は、人でごった返すことだろう。特に山のハイキングコースが人で一杯になったら、歩きにくいこと極まりない。そこでこの日のうちに、青島の東郊外にある崂山を訪れることにした。
崂山行きのバス始発点には、ホテルから歩いていくことができる。のんびりと歩いてバス停に到着してみると、目指していた太平宮エリアへのバスは既に出発した後だった。仕方が無いので、取りあえずはもう一つのスポットである太清宮エリアを目指すことにした。
太清宮に到着する手前で、乗客全員が降ろされた。そこにあったバスターミナルからバスを乗り換えろということらしい。私もバスを降りて、ターミナルに向かう。しかし、乗り換えの前に、ますはトイレだ。
トイレから戻って、さて、乗り換え、と思ったところ、一緒にバスを降りた中国人たちがぶつぶつ言いながらバスターミナルを離れて道路の方に向かっている。横から話を聞いてみると、どうやらここから太清宮へ行くバスは出ていないようなのだ。
無責任なことを言って乗客を降ろしたバスの乗務員にあきれながらも、私たちは太清宮へのバスを待った。しばらくして走ってきたバスに乗りこんで、ようやく太清宮に到着することができた。
私はまだ太平宮を諦めきれず、太清宮の登山口で周辺で太平宮行きのバスを探したが、しばらく探して見つからなかったので、太平宮にこだわるのはやめにして、太清宮を巡ることにした。
崂山。山の向こうに黄海も見える
脚が少々疲れていたので、無理はせずにリフトで明霞洞のある山の上まで登る。明霞洞まで行くには別料金を払わなければいけないが、登ってみたところ、小さな道観(道教寺院)があるぐらいである。崂山と、その向こうに見える黄海を見渡すこともできるが、それ程絶景という訳でもない。
帰りは徒歩で下山する。途中、上清宮の近くの岩に、白と黒のオタマジャクシがからみついているようなマークが刻まれているのが目に入った。太極図(いわゆる陰陽マーク)である。
崂山は、蓬莱同様、道教の聖地であり、陰陽道は道教と密接な関係を持っている。実は、私はこの崂山を訪れるに当たって、道教の色彩満載の山を期待して来たのだが、これまでのところ、いまひとつ道教というものを感じられずにいた。ここにきて、陰陽マークを目にしてようやく、”道教”を感じることができた。
岩に彫られた陰陽マーク
もう一つ、私が崂山に期待していたのが黄海の眺めだった。太平宮エリアの山から眺める黄海が 素晴らしいと聞いていたので、私は太平宮エリアを訪れたいと思っていたのだ。それを諦めて太清宮エリアに来た訳だが、ここからも黄海は見えるものの、崂山の山並に遮られて余りよくは見えない。余り時間が無いので、今更太平宮を目指す気にもなれなかったが、やはり見事な黄海の風景を見たかったものである。
青島中心街に戻る道すがら、青島の開発区を通過した。
開発区は私の住んでいた大連にもあるが、青島の開発区は大連とは様相を異にしている。大連の産業は、どちらかと言えば外資に依存しているのだが、青島では青島ビール、海爾といった、中国でも指折りの現地企業が元気である。青島と大連は、同じ発展した沿海都市・産業都市ということで並び称されることがあるが、こうした面で決定的な違いがあった。