バス憧れの大地へ

日本100名城

100名城探訪記

石川・福井100名城(4)―丸岡城、福井城ほか

2025年6月9日

石川・福井の100名城巡り第2弾最終日。この日の午前はまず福井市北に隣接する坂井市へ、福井駅から出ているバスで向かう。
目指すは、丸岡城(日本100名城 No.36)。戦国時代、織田信長が越前一向一揆を制圧した後、坂井の地に封ぜられた柴田勝豊(柴田勝家の甥)が1576年に築いた平城だ。
バスの終点は城跡北側のその名も「丸岡城」バス停だったが、私は「丸岡本町」のバス停で下車して、城跡西側のお天守前公園からアプローチ。公園からの景色を楽しんだ後、西入り口から入城した。 写真
お天守前公園から望む丸岡城
写真
丸岡城 西入り口
余談だが、坂井市では、徳川家康家臣の本多作左衛門重次が長篠の戦いの陣中から妻にあてた
「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」
という簡潔な手紙文をモチーフに「一筆啓上 日本一短い手紙」を展開していて、丸岡城内の至る所で一般から寄せられた短文の手紙をあしらった行燈(あんどん)を見ることができる。
入城して少し坂を上がり、ものの数分で券売所に到着。ここで入場券を購入し、100名城のスタンプを頂いて、更に坂を上がった先が本丸だ。 写真
現存12天守の1つである、丸岡城天守
本丸に屹立するは、独立式望楼型2重3階の天守。明治の廃城令も第2次大戦も生き延びたが、1948年の福井地震により倒壊してしまう。しかし1955年、部材を70%以上再利用して組み直して修復再建されたため、現存12天守の一つに数えられる。
これまで私が訪れてきた現存天守が11。即ち丸岡城が最後の1つであり、この天守に入城したことで、
現存12天守完全制覇
達成である。
内部は勿論、木造。柱や梁がむき出しになっている。そして特筆すべきが、階段。現存天守はどこも階段が急なのが常なのだが、ここの階段は今までのどの現存天守よりも急峻で、備え付けの綱を頼りにしないと上り・下りとも厳しい。 写真
丸岡城天守1階内部
写真
丸岡城天守からの眺望
天守の最上階からは坂井の街を一望することができるが、その中には私が訪れた1年前に開通したばかりの北陸新幹線の高架を見ることもできた。
城を一通り見終わり、まだ戻りのバスの時間があったので、券売所を併設する霞ケ城公園管理事務所で丸岡城紹介の動画を見させて頂いたり、丸岡と明智光秀の関わり(光秀は世に出る前、丸岡の称念寺に住んでいたとのこと)などの話を聞かせて頂いたり、山の麓のマチヨリマーケットで土産物を探したりして時間を過ごす。
写真
福井県立恐竜博物館

せっかく福井に来たのだから、福井ならではの恐竜に触れたいと思い、丸岡城からバスとえちぜん鉄道を乗り継いで勝山へ。福井県立恐竜博物館を訪れる。恐竜の骨格標本の多くはレプリカ(本物の化石を使っているのは10体)だが、迫力は本物同然に伝わってくる。恐竜のみならず、生物界全体の進化の過程を知ることができる良質な博物館だった。

福井駅に戻り、預けた荷物を受け取りに宿との間を往復するついでに、もう一度駅と宿の間にある福井城を訪れる。2019年に訪問した際に既に続100名城のスタンプは頂いていたが、本丸屋敷跡に建てられた県庁の入り口で今回訪れた記念として別紙にスタンプを頂く。これで今回の城巡りは終了だ。 写真
福井城天守台
あとは最寄空港の小松空港(石川県)からの便で羽田に戻るばかりだったが、小松駅の近くに興味深い施設があったので、駅からのリムジンバスを1便後にすることにして訪れてみた。
こまつ曳山交流館みよっさは、1640年に加賀前田家第3代の前田利常が小松に入った後に始まったとされる小松の伝統芸能である曳山と「曳山子供歌舞伎」を紹介する施設だ。屋内には実際に使用されている曳山が展示されており、子供歌舞伎の様子は動画で拝見することができる。 写真
こまつ曳山交流館みよっさ
写真
江戸時代当時の小松城城下町地図
展示の一角に、曳山のコースの説明用に江戸時代当時の地図があったのだが、それによると当時あった利常の隠居城・小松城は複雑に入り組んだ堀に守られた城だったようだ。残念ながら今では堀は埋め立てられ、城の痕跡も余り残ってはいない、とのことだった。

今回の城巡りの旅は、これで終了。小松から羽田への帰途に就く。

実は福井の城巡りは本来、いつ行ってもいいか、というぐらいでそんなに急いでいなかったのだが、あるニュースが私を一転、急がせたのだった。
それは、
丸岡城天守の大規模修理のお知らせ(坂井市公式サイト)
というものだった。それによると

・2025年12月~2027年11月(予定)
・天守に足場がかかり、幕に覆われる期間があります。
とのこと。そこで「行くなら工事が始まる前に行こう」ということになったのだった。
丸岡城に行こうかと考えている方は、上記の工事のことを念頭に計画を立てる必要があるので、ご注意を。

コメント(0)

コメントする

<新着記事>

Google

WWWを検索a-daichi.comを検索
お勧めメディア(Amazon)
チベットの大地へ