根室半島チャシ跡群(1)―アツケシエト2号チャシ
2023年6月2日
1か月前に東北・北海道の100名城巡りをしてきたばかりだが、早くも次の城巡りへといざなうことになった。
きっかけは、JALの国内線一律6600円キャンペーン。
初回は回線がパンクするというトラブルに見舞われたが、5月12日の深夜0時から行われた6月前半分の第4弾は実にスムーズにアクセスすることができ、狙っていた行き先のチケットを無事購入することができた。
一律6600円なので、せっかくだからできるだけ遠くへ行きたい。
あと、6月だと北海道を目指せば梅雨を逃れるということもできる。
という訳で、私が行き先に選んだのは、100名城の中でも最も最果てにあって難関とされる「あの名城」最寄りの釧路だった。
6月2日早朝、梅雨の雨降る中を羽田空港に行き着き、7時45分、釧路へ向けて出発。殆どの行程が雲の中だったが、北海道の大地に差し掛かる頃には雲が晴れ、釧路空港到着時は晴天。どの日も夕方~夜こそ少し雨に降られたが、あとは関東の梅雨を他人事にして好天の下、旅を楽しむことができた。
この日の目標は根室だったが、列車の時間まで余裕があったので、釧路空港と釧路駅の間にある湿原展望遊歩道に寄り道。釧路湿原の果てしない大空と広い大地を楽しんだ。
釧路湿原
釧路駅から花咲線に乗車釧路駅に移動し、13時25分発の根室本線花咲線の列車に乗車。釧路空港に到着した時の好天とは打って変わって曇り空になってしまったが、時には牧場の風景を、時には太平洋や厚岸湖の風景を楽しみながら、北海道の大地を東へと向かう。
花咲線から見えた北海道の牧場
花咲線から望む厚岸湖列車は2時間半かけて東へ進み、根室半島に入る。日本最東端の駅・東根室駅を過ぎた後、少しだけ西に方向を変えて、程なくして15時57分、日本最東端の有人駅・根室駅に到着した。
日本最東端の有人駅・根室駅
根室駅の駅舎駅近くの宿に荷物を置いた私は、すぐさま目的の「城」に向けて行動を開始した。
今回目指したのは、日本100名城最東端であり最北端であり、そういう位置なので100名城の1つ目に数えられる、根室半島チャシ跡群だった。
「チャシ」とはアイヌ人によって16~18世紀に北海道道南・道東に築かれた施設の総称で、アイヌ語で「砦」「柵囲い」の意味らしい。特に根室市内の代表的な24のチャシが「根室半島チャシ跡群」とし国の史跡に指定されている。砦として使われたという説から日本100名城の1つに数えられている。
根室市中心部最寄りのチャシが、アツケシエトチャシだ。私は行きだけ途中までバスで行ったが、根室駅から歩いてでも30分程度で着くことができる。
根室市西浜町の半島西側の、半島先端に向かう細い道を歩く。左側に見える海は、随分前に網走を訪れた時にアプローチして以来のオホーツク海だ。
アツケシエト2号チャシやがてそのオホーツク海のほとりに「アツケシエト2号チャシ」の標識が見えた。群生するフキなどの草むらに阻まれて近づくことは難しかったが、堀のような窪みと土塁のような盛り上がりを確認。確かにここは砦だったのだろう、と想像することができた。
近くにもう1つ、アツケシエト1号チャシがあるはずなのだが、生い茂る草に隠されてしまったのか、幾ら探しても標識を確認することはできなかった。
これでひとまず、日本100名城No.1「根室半島チャシ跡群」に到達、ということにはなるが、100名城のスタンプがまだだ。また、最も有名なチャシは他の場所――ここより更に北、更に東にある。
今夜は駅近くで一夜を明かして、明日はそちらのチャシにチャレンジだ。
※「アッケシエト」と小さい「ッ」で表記されることもあるが、標識にも書かれている大きい「ツ」の「アツケシエト」が正。
コメント(0)
コメントする