バス憧れの大地へ

雑記ブログ

【レビュー】映画「風の馬」(ポール・ワーグナー 監督)

<3月10日>
映画「風の馬」「雪の下の炎」プレミア上映会のレビュー、次は「風の馬」です。

 

1998年。幼い頃祖父を中国人に殺された兄妹はラサにいた。兄のドルジェ(ジャンパ・ケルサン)は職にも就かず、酒びたりの毎日を過ごしていた。妹のドルカ(ダドゥン)はナイトクラブで歌う歌手で、中国人の恋人の協力でスターへの道を歩んでいた。ある日、2人のいとこの尼僧・ペマ(女優名不明)が、当局の宗教弾圧に反発してバルコルの人だかりの中「チベットに独立を!」と叫んで拘束されてしまう。ぼろ雑巾のような姿で釈放されたペマを見た2人は・・・

 

この映画は、2つの実話を基に1998年に創作されたドラマですが、

 無差別の殺戮、伝統的な町並みの破壊、同化、洗脳、
 宗教弾圧、言論弾圧、監視、拷問、検閲、密告、亡命・・・

チベットのありとあらゆる問題が、そこには織り込まれていました。

ペマの「チベットに独立を!」という言葉、ダライ・ラマの写真を祭壇に飾ることに固執するドルジェとドルカの祖母の姿は、チベット人の心の内を代弁するものでした。

一番心が痛かったのは、この映画が11年も前に創られたものであるにもかかわらず、そこに表現されている当時のチベットの状況から現状が全く変わっていないことです。
この映画の内容が「過去のもの」になる日はいつ来るのでしょうか。

<予告編>

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【レビュー】映画「雪の下の炎」(楽真琴 監督)

<3月10日>
チベット民族蜂起50周年当日・・・

不気味なほど、現地の様子が伝わってこない。

しかし、何も起こっていないはずもないだろう。中共当局の報道締め出しが功を奏してしまった格好である。

※               ※               ※

さて、話題は変わりまして・・・

当サイトでも告知しました映画「風の馬」「雪の下の炎」プレミア上映会に行ってまいりました。東京・渋谷のアップリンクの会場は満員。キャンセル待ちが出るほどでした。

順番としては、まず「風の馬」、次に「雪の下の炎」でしたが、ここでは当サイトで書籍も含めて強くプッシュしてきた「雪の下の炎」について先に紹介したいと思います。
(注:この映画は2009年4月11日から本公開されています。映画館で見るまで内容を知りたくない、新鮮な気持ちで本公開を迎えたい、という方はここまで!!)

 

チベットに人権など存在しません。
私がその生き証人です。

この一言で映画は始まりました。

パルデン・ギャツォさんの生い立ち、逮捕、獄中の様子などが当時の映像・画像も交えて淡々と語られます。
語り手は勿論、パルデンさんが中心。獄中で受けた力と言葉の暴力 ―― しかしそれに屈することなく、正面から立ち向かっていった様子には書籍同様、痛々しさと同時に力強さが伝わってきます。
自らに拷問を加えた者に対しては、普通なら恨みを感じることでしょう。しかしパルデンさんは
「彼らも手心を加えてしまったら、任務を履行しなかったかどで追及を受けることだろう」
と、むしろ許し、哀れみさえ抱いています。チベット仏教の慈悲の心 ―― 単純にその一言で纏めてしまうのは適切ではないかもしれませんが、いずれにせよ、恨みというマイナスの感情を心に蓄積しなかったこともまた、パルデンさんが33年という苦痛の日々を耐え抜くことができた一因なのかもしれません。

その他、彼の獄中の同士に時折語らせたり、彼が実情を知り得ない尼僧の証言を挿入したり、チベットの問題について海外のチベットサポーターに語らせたり、そしてダライ・ラマ法王のお言葉を交えるなど、変化をつける工夫がされていました。
そして、そうした方々の言葉を効果的に挿入することで、チベットの現実、監獄の現実の描写により広さと深さが加わっていました。

そして、書籍「雪の下の炎」出版後の、書籍には書かれていない重要なエピソード・・・

2006年に冬季五輪が行われたイタリア・トリノにおける北京五輪中止を訴えるハンスト。

これが、パルデンさんの獄中生活を訴えることと並ぶこの映画の重要な柱の一つだった気がします。

[お年なんだから、無理しなさいでくださいよ!]

まるで現場にいるかのような緊張感が伝わってきました。

結局、商業主義にまみれたIOCは全く動かず、パルデンさんたちは思いを実現させることができませんでした。
しかし、決して徒労ではなかったと思います。その決意と実行力はこの映画などで人々の心を打ち、志はしっかりと伝わり、受け継がれていくことでしょうから。

パルデンさんは今でも、デモの先頭に立つなどして「フリー・チベット」を訴え続けています。
専ら獄中生活を描いた書籍が注目を集める中、ともすれば「33年の獄中生活」に関心が集中しがちになるかもしれませんが、釈放・亡命後の”今”もしっかり伝えなければパルデンさんの全てを知ることはできません。
1998年出版の書籍がカバーしていないその部分を苦心してフィルムにまとめ、伝えてくれた楽真琴監督には最大の感謝・尊敬の念を表するところです

非業の死をとげた彼ら(獄中での同志)のため
パルデンさんの闘いは今後も続きます。
後年再びパルデンさんの人生が何らかの形でまとめられることがあれば、その時は1998年の書籍や2009年の映画とはまた違った「雪の下の炎」に仕上がることでしょう。

※               ※               ※

次回は「風の馬」のレビューです。

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ダライ・ラマ法王の長寿儀式の法要

いよいよ明日、チベット民族蜂起50周年の日を迎えます。今週は平日もチベット関連のイベントが幾つもとり行われます。

本日は、亡命政府のあるインド・ダラムサラで同様のことが行われるのに合わせ、東京・西新宿の常圓寺でダライ・ラマ法王の長寿儀式の法要が、チベットハウスの主催で行われました。

仕事があったため、18時の集合時間に30分以上遅れて到着・・・。一昨日もお会いした顔ぶれが多く見られました。
開場に入るとチベットハウス代表の方がお話をしている途中で、程なくしてチベット語による読経が始まります。

法王様はもうお年です。何としても法王がご存命の間にチベット問題の解決を、というのが皆の一致した願い。参加者は配られた資料を見ながら全員で、ダライ・ラマ法王の長寿そしてチベット問題の早期解決を願ってお経をあげました。

 

法王様、皆の祈りの声は届いておりますでしょうか?
皆、法王様とチベットの人たちのことを心の底から大切にお思いしています。

 

常圓寺では明日も18時から、「世界、同時多発法要」がチベットの平和を考える僧侶の会主催でとり行われます。
しかし、私は明日、別のイベントに参加するのでこちらには行けません・・・。

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チベット、抵抗の50年(民族蜂起50周年記念イベント)

<2009年3月7日>

チベットの自由を求めるピースウォーク」後の夜19時からはチベット民族蜂起50周年記念イベント「チベット、抵抗の50年」に参加しました。

日本発上映のフィルム”Undercover in Tibet”(チベット潜入)の上映に続き、「チベット問題を考える議員連盟」代表世話人の牧野聖修さん、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のラクパ・ツォコさん、在日チベット人コミュニティ代表ケルサン・ドゥンドゥクさんからお言葉がありました。

牧野さんからは議員連盟の流れと現状のお話があり、
「私が国会に返り咲いたら議員連盟を200名以上にさせます!」
「日本からチベット問題を何とかしましょう!」
との力強いお言葉をいただきました。
(静岡1区の皆さん、ぜひとも牧野さんを再び国会に送り出してください)

ラクパさんからは
「チベット問題に関して日本は特殊な位置にある。日本は中国へのODAが第一位の国であり、日本のメディアは(中国の狡猾な戦略により)中国のプロパガンダ宣伝の担い手にされてしまっている」
(※jiro.siwakuさんからご指摘があり、加筆・修正しました)
「チベット族ではなく、チベット人」
という訴え、
「トイレの出入りまでチェックされている」
というチベット本土での厳しい監視体制の様子のお話などをいただきました。

ケルサンさんからは代表に指名されたことへの戸惑いながらもの決意、自分をインドに送り出してくれた父君への思いなどを語っていただきました。

チベットサポーター、チベット人双方の問題解決への意気込みと温かさが感じられました。

しかし、今回のイベントで特筆すべきは、何と言っても

“Undercover in Tibet”(チベット潜入)

イギリス籍のチベット人が、チベット本土に潜入して撮影したこのフィルムです。

厳しい監視の下、撮影は困難を極め、カメラを隠しながらの撮影、検問での緊張感、パトカーへの警戒、安全な場所でのインタビューとその場所に無事に到着できた時の安堵感、顔を隠してのインタビュー、インタビュー拒否――チベット本土での統制の厳しさが全編を通して伝わってきます。

いろいろなインタビューがありましたが、特に強烈だったのが
「遊牧民への定住強制」
「不妊手術」
に関する証言。
いずれもそういうことが行われているということ自体は知っていました(拙サイト「チベット問題とは」でも簡単に触れています)が、これほどまでにむごいものとは思っていませんでした。

「遊牧民への定住強制」については、「遊牧民に定住する場所を与えた」といえば聞こえはいいですが、その実は住居と土地を奪われ、粗末な家屋をコンクリートの壁で固く囲んだエリアに無理矢理住まわされているのです。居住区と言うより、その姿は強制収容所そのものでした。
そこに住む老婆は「牧草地のほうがいい」と悲しげに語っていました。

「不妊手術」については、3人以上の子どもを産んだ女性に対し、麻酔もせずに卵管を切除するという生々しい証言(特に女性の方にはそう感じられることでしょう)。
女性に対する冒涜というべき所業であり、チベット人が子孫を残すことに対する悪質な妨害行動です。
インタビューに応じた女性の下腹部に残った傷が、余りに痛々しかったです。

その他、ダム建設によって沈みゆく村落の様子や、吊るし上げ・水中での電気棒使用といった拷問の様子など、目を覆いたくなるような証言・映像が続きます。

危険を冒してインタビューを敢行したチベット人・タシさんには敬意を表するばかりです。

フィルムは、次のような言葉(要約)で締められました。

「もし誰かが弱いものいじめをされていたらどうしますか?
死ぬまでそのままにさせますか?
それとも、いつか立ち上がって闘いますか?」

その答えはもはや、言うまでもないでしょう。

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チベットの自由を求めるピースウォーク(2009年)

1959年3月10日のチベット蜂起から50周年を迎える日を前に、この日東京・六本木での集会・デモに参加しました。

ただ、今回の参加はいつもとちと違いました。

これまではいち参加者にすぎなかったのですが、今回は初めて、お手伝い募集に名乗りを上げてスタッフとして参加させていただいたのです。アピール用のチベット国旗やプラカードの準備、来場した方々への資料配布などをした後、持参したカメラを手に写真班として活動させていただきました。

13時半、集会開始。

14時半、デモが始まりました。

デモ デモ

三河台公園から笄公園まで、力強くも秩序だったデモ行進が行われました。

開催告知がやや遅かった割には300人もの参加者を集め、意義のある活動となりました。

私は今回、隊列の中には殆ど入らず、歩道から写真を撮ることと列が乱れないか監視する(幸い全く乱れませんでした)役割に専念しましたが、初めて通行者視線から見た同士たちのアピールは訴えかけるもの大でした。

NHK BS-1 「きょうの世界」特集 チベット 暴動から1年

NHK BS-1 「きょうの世界」でチベットの特集が組まれました。
(以下、青字字下げは放送の内容。黒字は私の所感もしくは注釈)

テーマは、「”暴動”の街はいま」。

冒頭で述べられた要点は、

というものでした。

 

まず映し出されたのは、”甘粛省”サンチュ(中国名夏河)。
ラプラン寺で有名な観光の街はその華やかさを失い、重苦しい雰囲気に包まれていました。

 

次に”四川省”カンゼ。
チベット暦大晦日の街は閑散としていて、正月気分は皆無。伝わってくるのは緊張感ばかりです。

 

油井記者によると

「いつ暴動を起こしてもおかしくない」と考えているのなら、その理由を謙虚に考えて、不満を解消する方向にもっていくべきである。それをせずに力で抑え込もうとするなど、独裁国家のやり方に他ならない。

 

次に、中国の見苦しいプロパガンダ攻勢に関するレポートです。

(北京での”チベット解放”50年展覧会の映像)

(映画『チベットの今と昔』の映像。”昔”の様子として悲惨な様子を映し出していたが、私には全てが『チベットの今』であるように感じられてならなかった)

全く差は大きい。チベット仏教を信仰しながら平和に暮らしていたのが、経済発展の美名の下で抑圧・弾圧の地獄に引きずりこまれたのだから。

(中央テレビの、チベット暦正月の祝いの様子を伝えるプロパガンダ映像)

 

再び、油井記者との中継。

 

 

以上。

NHKらしい、抑制のきいた公平な特集でした。
チベット人の本音と中国政府のプロパガンダのギャップが浮き彫りになる内容だったかと思います。
油井さんの「チベットの人たち」という言い方にも、チベット人に対する思いやりが感じられました。
欲を言えば、「経済成長ばかりを強調する」ことの何が問題なのか、経済成長の裏で行われていることなどをもう少し突っ込んでくれたら言うことなかったのですが、限られた時間の中での特集なので、仕方がないかもしれませんね・・・。

特に、危険を冒しながらダライ・ラマ法王の写真を掲げている寺院の様子に、胸が痛くなりました。チベット人の法王への信頼・敬意、信仰の強さ、意志の強さが窺えた思いです。

<追記>
youtubeにアップされましたので、以下に貼っておきます。

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チベット暦新年の新聞記事から

昨日はチベット暦の新年だった。チベットが平穏であることにしたい中国共産党当局は支配下にいるチベット人に新年を祝うことを強要しようとしていたが、外敵による民族的虐待・虐殺を受けてまだ1年たたないのだ。仏教徒としては”喪に服す”のが当然の行為となる。

本日の東京新聞朝刊国際面では、
「チベット旧正月 祭り自粛
抗議込め 読経響く
まもなく騒動1年 武装警官が巡回」

と題して大きな扱いがされていた。

【黄南チベット族自治州(中国青海省)=小坂井文彦】チベットの旧正月を迎えた二十五日、昨年三月のチベット騒動の犠牲者に対する哀悼と、中国当局への抗議を込めた僧侶たちの読経が各寺院に響いた。例年行われる競馬などの祭りを自粛し、静かな新年の始まり。街では暴動を警戒して、新年には不釣り合いな武装警官隊が巡回を続けていた。

同日早朝、青海省都の西寧市からチベット人居住区に向かう途中、出会ったチベット人男性(32)が携帯電話を差し出した。チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ十四世の所蔵写真を見せる。

昨年の騒動弾圧以降、ダライ・ラマの写真を所蔵するだけで公安当局による拘束の理由となるが、「信仰は絶対だ」と話す。中国当局によるダライ・ラマを批判する教育にも、僧侶は「信仰がいけないのか。国連は何と言っているのか」と訴えた。

午前八時半、青海省海東地区のシャチュン寺で読経開始の太鼓が鳴った。僧侶たちが経堂に集まる。近くの村人たちは、経堂の脇で祈りをささげた。今年は「喪に服す」ため、新年のごちそうも、服の新調も控えた。

経堂の外では、警官約百人がにらみを利かせていた。約一週間前から毎日、警官が巡回に来ている。
(以下略)

中国共産党当局がラサの様子を隠ぺいする現在、”チベット自治区”からのレポートはかなわない。しかし、黄南とて立派なチベットである。

静かに喪に服す中、警官が巡回――緊張感の伝わってくる記事である。また、記事中のチベット人男性の言葉からは、チベット人としての強いアイデンティティ、強い信仰心、中国共産党当局に対する強い憤りが伝わってくる。彼の言葉は、チベット人の意思を代表するものであると断言していい。

一方、その記事の左側には、脅しによるのか洗脳によるのかは不明だが、チベット人としてのアイデンティティを失ってしまったかのようなチベット人学者の言葉が掲載されていた。

「中国、統治を正当化 チベット族学者通し」

【北京=平岩勇司】チベット暦の正月にあたる二十五日、中国チベット学研究センター研究員のルオロンジャンドィ氏(46)は北京で記者会見を開き「中央政府の政策でチベット族の生活は向上した」と強調した。チベット族学者の発言を通じて当局のチベット統治を正当化する狙いだ。

チベット族の間で正月を祝わない動きがあることについて同氏は、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世などの「外部勢力が扇動した。個人の意思を政治利用してはいけない」と主張した。

また、チベット族がダライ・ラマの写真を持つだけで拘束される現状をドイツ人記者がただすと、「ドイツでヒトラーの宣伝ができないのと同じで、ダライを公共の場で宣伝してはならない」と言い切った。

文脈としては、中国共産党当局がチベット人に真実と異なることを言わせてそれを公表するというプロパガンダを行ったということだが、チベット人にそれを言わせるという点が重大であり、中国共産党当局の狡猾なところである。
そして、この記事にはもうひとつ、見出しには表れていない、重大な内容を含んでいる。
こともあろうに、ダライ・ラマ法王をヒトラーに比している点である。

一体、法王がいつ他民族を迫害・虐殺し、他国を軍事力で支配し、プロパガンダで国民を扇動したというのだろうか。

他民族を迫害・虐殺し、他国を軍事力で支配し、プロパガンダで国民を扇動したヒトラーに比して宣伝を許さないということであれば、この世で最も宣伝が許されないのは毛沢東であるということになる。

<追記>
朝日新聞と読売新聞にもチベット正月の様子を報道する記事が掲載されていた。

読売新聞は小さな囲み記事だけだったが、朝日新聞は国際2面のトップで
「チベット 追悼一色
旧正月、人影まばら
自治州、警察が監視」

という見出しで大きく報じており、中国支配下の地域のほか、ダラムサラの様子も記されていた。

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【お誘い】イベント「チベット、抵抗の50年 」(3月7日 東京・代々木)

間もなく2009年3月10日――1959年のチベット蜂起50周年を迎えます。
その50周年記念日に先だって、東京・代々木でStudents for a Free Tibet Japan(SFT日本)主催で記念イベントが開かれます。

日時:
■2009年3月7日(土)開場 18:30 開演 19:00

場所:
■国立オリンピック記念青少年総合センター 大ホール
(渋谷区代々木神園町3-1)
小田急線参宮橋駅下車 徒歩約7分

参加費:
■1000円

プログラム:
■チベット本土の模様を伝える映像”Undercover in Tibet”(チベット潜入)上映
■講演/スピーチ

  • チベット問題を考える議員連盟
  • ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
  • 在日チベット人コミュニティ

中でも、”Undercover in Tibet”(チベット潜入)は日本初上映だそうです。中国当局がひた隠し、なかなか伝わってこないチベット本土の現状を知ることができる映像とあって、必見でしょう。

講演/スピーチの方も、公的な立場にある顔ぶれが並んでいます。どのような内容になるかはまだ明らかではありませんが、蜂起、ダラムサラでの会議など激動の1年だった昨年を受け、50周年の節目を迎えるということで、過去50年の回顧、そしてこれからのチベットについて実のあるお話が聞けそうです。

旅行したぐらいでは見えてこないチベット本土の現状を知りたい――そんな方は奮ってご参加下さい(私は主催者ではありませんが・・・)。

なお、参加するためには事前予約が必要です。
参加申し込み及び詳細な情報については↓をご参照下さい。
http://www.sftjapan.org/nihongo:50event

<追記>
同じく3月7日(土)のお昼すぎ、東京・六本木にて「チベットの自由を求めるピースウォーク」が行われます。
(以下『We Love Free Tibet 自由なチベットを愛する会』より転載)

=========================
今、チベットの人達には人間として当たり前の「宗教の自由」、「言論の自由」、「教育の自由」がありません。
私たちは、チベットの人達にこれらの自由を取り戻すために支援をします。
そのために、ダライ・ラマ法王の中道の精神,非暴力と対話で解決をしようとされるお考えに賛同し支持します。
そのダライ・ラマ法王及びチベット亡命政府の正式な代表機関である、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所を全面的に支持します。

開催概要

チベット民族蜂起50周年を記念して、六本木でピースマーチを開催します!チベットを愛する皆さん、お誘い合わせの上お越しください。

 2009年3月7日(土)13:00ー16:00

  • 13:00三河台公園集合
  • 13:30集会
  • 14:30デモスタート 
  • 15:30笄公園解散

=========================

こちらも併せてご参加呼びかけさせていただきます。

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祝・「雪の下の炎」重版!!

以前、このブログで紹介した、無実の罪で中共当局に31年もの間拘束され、拷問され続けてきた不屈のチベット僧パルデン・ギャツォ氏の「雪の下の炎」。
一度は絶版になりながら今年復活(復刊)し、私も微力ながらこのサイトで宣伝活動などさせていただきましたが・・・。

本日、復刊を実現させてくれた「復刊ドットコム」様からこんなメールが届きました。

===============
復刊ドットコムで171票ものリクエスト投票を集め、先ごろ復刊が実現
した『雪の下の炎』。好評により早くも重版決定です!
http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68310729&tr=s

本書『雪の下の炎』は、28歳の時に身に覚えのない容疑で中国政府に逮
捕されて以来、実に33年もの長きに渡り、過酷な投獄生活を強いられた
チベット僧パルデン・ギャツオによる、偽らざる真実の記録です。

復刊後の反響も著しい本書ですが、本書をもとに昨年制作されたドキュメ
ンタリー映画『雪の下の炎』(監督:楽真琴)が、この度待望の国内公開
決定! 4月11日(土)渋谷アップリンクを皮切りに、全国で順次公開
される予定です。
===============

重版!!

一度は絶版になった本が復刊から2か月(復刊ドットコムで予約した方への発送から数えて)で、重版を達成するとは・・・。

復刊ドットコムで予約した当初、私はいち購買者に過ぎませんでしたが、読んで以降は「ノーモア・絶版」を目標に、アマゾンのレビューで一番乗りするなど、気持ちはすっかり普及させる側。
同書を買っていただいた皆様には、感謝の言葉を述べたいぐらいです。

同書が最初に出版されたのは1998年。しかし、当時は今ほどチベット問題が注目されていなかったことが絶版という残念な結果に繋がってしまったのでしょう。
しかし今回は、昨年3月のチベット蜂起でにわかにチベット問題が注目を浴び、もはや同問題は日本人にとってマニアックな海の向こうでの出来事ではなくなりました。こうした時の背景が、一度は絶版になった同書を重版にまで後押ししてくれたと言えそうです。

しかし、やはり一番の要因は同書の内容の素晴らしさであると確信しています。

ただ、同書が売れた理由には、「復刊」「準新刊」という話題性があったことも間違いないでしょう。
今後、この流れを一過性のものとせず、ロングランにさせるためにも、当サイトでは引き続き、同書を推奨していきたく存じます。

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チベット学習会ハシゴ

今週のコンテンツの更新はお休みです。他にいろいろやることがありまして・・・

その「いろいろ」のメーンが本日。東京都内で開かれたチベット学習会をハシゴしてきました。

参加したのは、
1) 「チベットの歴史と文化学習会」

~2008年蜂起からまもなく1年….そしてラサの蜂起から50年~
文京区後楽園 13:00~16:30
2) 「チベットは今~最新のビデオ映像&勉強会」
港区高輪台 17:30~22:00

1)では筑波大准教授吉水千鶴子さんがチベットに仏教が伝来するプロセスを、作家の渡辺一枝さんがチベット人の信仰について、Students for a Free Tibet 日本代表ツェリン・ドルジェさんがこの1年の回顧を語ってくださりました。
また、以前にもこのブログで触れた、チベット本土でチベット人の生の声をインタビューしたドキュメンタリー映像「Jigdrel(ジグデル)- LEAVING FEAR BEHIND(恐怖を乗り越えて)」の映像鑑賞、フリーライターでありチベット総合サイト「I LOVE TIBET」主催者の長田幸康さんらによる質疑応答が行われました。

2)ではサンスクリット語による般若心経を聞きながらお祈り、チベット仏教研究者の田崎國彦さんによる「チュ・ユン共存体制」から理解する清朝末期までの中央アジアチベット仏教圏に関する講演、主催者の方が撮影した、本土チベット人の本音を引き出した映像の鑑賞が行われました。最後にはまたまた「ジグデル」――前の学習会で見たばかりだったのと、時間が遅くなったこともあって、田崎さんや来場していた「チベットチベット」監督キム・スンヨンさんと挨拶を済ませ、途中で引き上げさせていただきました。

いずれの学習会も新しい知識・視点・情報を得ることができて実りあるものでした。
しかし、一番印象に残ったのは、1)での渡辺さんのお話でした。
大体こんな感じです。

チベットで、漢人がお魚を売っていて、それをチベットの人が買ったんです。チベットの人はそれを川まで運んで川に放してあげたの。そしたらその側で、漢人がまた魚を獲ってる。
「何やってんのーー!!」と私が怒ったら、チベットの人が私の肩をたたいてこう言うの。
「あんたが怒ってどうする!心を平らに持ちなさい。そして、あんたはあの人を哀れに思って、あの人のために祈ってやりなよ

―― 一体、チベット人の慈悲の心ってどこまで深いものなのでしょうか。チベット仏教を、チベット人の心の文化をもっとよく知りたい!と思わせるエピソードでした。

その他にもいろいろ「なるほど」と思わせる話でいっぱいでしたが、それについてはまた機会があればこのブログで、或いは別コンテンツで触れられればと思います。

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