宮崎市・青島で迎えた朝。
神々しい朝日に、青島が、青島神社が照らされる。
しかし、この島が本当の魅力を見せるのは昼頃のことだ。それまでは近場で別の場所を巡ることにする。
昨日は小雨が降る時も少しある生憎の天気だったが、この日はすっきりとした青空が広がり、日向灘も青々とした水面を横たえている。17kmも先のフェニックス・シーガイア・リゾートまでくっきりと見ることができた。
この日の最高気温は25度ほどだったが、体感気温は明らかにそれ以上あり、半袖でも過ごせるくらいで「夏の日差し」と言ってもいいくらいの陽気だった。
青島からバスで30分ほど南下。鵜戸神宮へと赴く。
鵜戸神社は断崖絶壁の途中にある洞窟の中に造られた社だ。本殿に向かう参道は急な下り道を下らなければならない。伝説によると、ここは豊玉姫神という女神が主祭神を産む産屋を建てた場所だという。
海辺には、ラクダか何かの動物のようにも見える巨大な岩が海から生えるようにして屹立している。この地形もまた、この場所を“神の住む場所”とする信仰のゆえんなのではないかと思われた。
鵜戸神宮から少し北へ戻った丘の上にあるのが、サンメッセ日南。ここには本場イースター島公認というモアイ像が、本場同様海を背にして立っている。
しかし、モアイはやはり絶海の孤島のロマンであってほしい気がする…
日南海岸からの景色はどこから見ても海の眺めがいいが、お勧めスポットの一つが道の駅フェニックスだろう。バスに乗ったままでも、丘の上から遥か遠くまで見渡せる海の景色を楽しむことができる。
青島にはちょうど昼前に戻ることができた。朝に訪れた時には海の下に隠れていた青島周囲の海底が、この時は引き潮になってあらわになっていた。
波の侵食で一直線に削りだされた細長い岩が、何十、何百もの平行線になって連なっている。その様子は、まさしく洗濯板…
鬼の洗濯板と呼ばれる奇景である。
どうやら地層に沿ってこのように削りだされたようなのだが、これだけきれいな平行線が描かれるのは、まさに巨大な鬼が人工的に削り出したと信じてしまいたくなるほどの自然界の奇跡だ。これもまた、日向が「神の国」たるゆえんの1つなのだろう。
これで今回の宮崎訪問は終了。本当に駆け足な弾丸の1泊2日だったが、古き良き文化に触れ、自然の美しさと細やかさに触れることのできた週末旅行となった。