会津若松周遊バスに乗ってまず向かったのは、鶴ケ城。地元以外では会津若松城の名でも親しまれている名城だ。今ある天守閣は戦後復興建築された鉄筋コンクリート造りのもので、外観も真新しい。

この城は江戸時代から明治時代に移る時代に会津戦争の舞台となった場所で、城内では朝敵とされ敗戦した会津の苦悩の歴史が展示で語られていた。
天守に上ると、会津若松の城下町を四方に見渡すことができるが、その眺めの中にはあの悲劇の舞台となった山も見ることができた。

天守閣から下りた後、近くにある県立博物館に赴くが、その近くに↓の銅像が立っていた。

新島八重。
NHK大河ドラマ「八重の桜」で描かれた人物である。先述の会津戦争では銃を手に明治政府軍と戦い、その後は同志社大学創始者の妻になったという数奇な人生を送った女性だ。

次に、何となく気になってバスを下りて会津武家屋敷を参観。会津戦争時の会津藩家老・西郷頼母の邸宅などを再現したもの（この場所にあった訳ではない）だ。西郷頼母と言えば、会津戦争時に妻や子供が集団自決を迫られた悲劇の人物だ。

しかし、会津戦争最大の悲劇の舞台といえばやはり、先ほど鶴ケ城天守閣からも見えたあの山だろう。

飯盛山…
あの白虎隊が集団自決を迫られた山だ。急勾配の階段を上った先には、彼らの墓があり、墓参の客が絶えることなく訪れる。

墓所から少し下った所にある見晴らしのいい場所が、白虎隊自決の地だ。ここには慰霊碑が建てられ、その横には犠牲となった少年武士の像が置かれ、ちょうど鶴ヶ城を見つめる格好になっている。（私も鶴ヶ城を探してみたが、意外に遠くて分かりづらかった）

白虎隊については先ほど鶴ヶ城でも展示を見たが、全員15～17歳の前途ある少年たちで、ずらりと並んだ似顔絵を見ていると胸が痛くなった。
権力者が始めた戦争で犠牲になるのはいつも庶民。特に未来ある若者がこんなことで命を散らせるなんて、余りに悲しすぎる。
やはり、二度と若者を戦地に送るようなことは絶対あってはならない。
勿論、戦争なんかで命を散らせてはならないのは若者に限ったことではないが、白虎隊の悲劇に触れて思うことはやはり若者のことだった。