バス憧れの大地へ

雑記ブログ

中国の知識人ら「中央テレビボイコット、洗脳拒絶」

今朝、東京新聞の国際面を見ると、トップで次のような記事が掲載されていた。

「中国人の知識人ら22人『国営TVの洗脳拒絶』
視聴ボイコット宣言」

【北京=池田実、平岩勇治】中国の学者や弁護士ら二十二人が、国営の中央テレビ(CCTV)に対し「洗脳を拒絶する」などとして視聴ボイコット宣言をインターネット上で発表した。(以下はリンク先にてご覧下さい)

ついに、中央電視台を「洗脳」と公に言い切る中国人が出たか。

私も中国在住時代(江沢民の頃)、CCTVのニュースは見る機会が少なくなかったが、トップニュースは9割方、この日の江沢民、この日の李鵬、この日の朱鎔基といった感じで、更に当時スローガンとして掲げられてた「三つの代表」の言葉がこれでもかと言わんばかりに連呼され、本当に知りたいニュースは後の方。うんざりしていたものだ。
しかも、このCCTVのニュース、午後7時になるとCCTVのみならず、全国の地方局の第1チャンネルでも同時放送されるのだ。洗脳体制は万全である。

[しかし、本当に「洗脳」という言葉を使っているのか? センセーショナルに意訳しているだけでは?]

と、気になって帰宅後、調べてみた。「宣言を発表したサイトは既に削除されたが、多くのウェブサイトに転載され反響も呼んでいる」とのことだったので検索してみると、確かにかなり転載されている
タイトルは、《抵制央视,拒绝洗脑》。確かに「洗脳」という言葉を使っている。

原文の中国語はやや小難しい。手元の辞書にも無いような単語が幾つか出てくる。

分かる範囲で主な部分をピックアップすると・・・

「CCTVのニュース番組は、中国の転換期の社会的矛盾に口を閉ざし、多くの突発的事件や群集事件をスルーしている」
「国内ニュースは喜ばしいことばかり報じて喜ばしくないことを報じず、国際ニュースは喜ばしくないことばかり報じて喜ばしいことを報じない。ニュース番組というよりも宣伝番組だ」
「言論弾圧を行った(清の皇帝)康熙帝、雍正帝、乾隆帝を美化し、歴史の真相を歪曲し、公正で率直な人々から広く反感を買った」
など。

彼らはCCTVがひた隠しにしてきた情報をきちんとキャッチしていた訳だ。インターネット全盛の昨今、いかに政策的に情報を操作しようとしても無理だということをよく表している。時代の変化が彼らに広い視野と自律的思考力を与え、今回の行動に出たということになるだろう。
上記のように、声明の元サイトは既に閉鎖されてしまったが、声明そのもの、そしてそれ以上に、それを報じたニュースはものすごい勢いで転載されている。そして意外や意外、それらのニュースの中にはこの声明に「支持」を表明するコメントが殺到している所もあるのだ。声明を出した22人だけではない。中国人の現状に対する不満は想像以上なのだ。

もはや、情報を統制して人民の考え方を誘導することは不可能な段階にまで至っていると言えそうである。中国共産党の体制を維持してきた”洗脳”の綻びがこれほどまでに大きくなっているとなると、中国共産党一党独裁ももはや末期を迎えているのかもしれない。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

全記事一覧

カテゴリ一覧

<新着記事>

Google

WWWを検索a-daichi.comを検索
お勧めメディア(Amazon)
だから僕らは旅に出る