今年は2009年。
チベット、そして中国にとって重要な1年となりそうである。というのは、いろいろな意味で何十周年というアニバーサリーの年になるからだ。
まず、最初に挙げられるのが
1.チベット蜂起、ダライ・ラマ法王亡命50周年
1959年3月10日。中国共産党が観劇をダシにダライ・ラマ法王を拉致するのではないかとの噂が広がり、ラサのチベット人たちが法王を守らんとラサのノルブリンカ周辺に集まって抗議行動を行った。中国共産党軍はそれを武力を以て排除し、ダライ・ラマはインドへと亡命する。
3月10日はチベット人にとって特別な意味を持つ記念日である。増してや50周年となると、昨年3月以上の大きなムーブメントが起こるであろうことは十分に予想できる。
2.六四天安門事件20周年
1989年6月4日。民主化を求める中国人のデモを中国共産党軍が踏み潰す惨事が起きた。自国の国民を自国の軍隊が攻撃し、殺戮する光景が全世界からひんしゅくを買ったあの事件である。
これに関連する動きも必ず何か起きることだろう。節目の年という以外にもそう予想する根拠がある。
2008年12月10日、ある文書がネットを賑わせた。
自由・人権・平等・共和・民主・憲政を理念に、立憲民主制の枠組みの下に「中華連邦共和国」樹立を目指すことをうたった08憲章である。20周年記念日のほぼ半年前となる時期にこの憲章が発表されたのは偶然ではなく、このタイミングで出すことで20周年のその日に向けて中国国民の意識を高める狙いがあったのではないか。
「何が」までは言えないが、やはり6月4日前後に「何か」がありそうな予感がする。
3.法輪功弾圧10周年
気功団体・法輪功が中国共産党政府により”邪教”扱いされ弾圧を受け始めたのがちょうど10年前のことだ。法輪功が宗教団体か否か(本人たちは宗教性を否定しているし、日本では普通にNPO法人格で活動している)はここでは論じないが、今や反中国共産党の一大勢力になっているのは事実だ。
10年という節目の年で独自の動きを見せる可能性もあるだろうし、六四天安門事件に関わる動きがあればそれに呼応することも考えられなくない。
というように、2009年の中国は数々の火種を抱えている。しかし、敵も黙ってはいないだろう。
何しろ、
4.中華人民共和国建国60周年
というメンツがある。
2010年には上海万博を控えていて、普通なら国際社会から更なるひんしゅくは買いたくないだろうが、何せ五輪直前に平気でチベット弾圧を行う集団である。それに、チベットの民族運動弾圧でのし上がってきたような人物を国家主席に頂く集団である。また平気な顔をして装甲車などの過剰な装備を使い全力で踏み潰しにかかることだろう。
自由・人権・平等・共和・民主・憲政の勢力は悲願を達成できるのか。
「中華人民共和国」は無事に10月1日(建国記念日)を迎えることができるのか。
いずれにしても、ただでは済まないだろう。
目が離せない1年になりそうだ。