サーリセルカ-1 ~北極のリゾート地
2018年1月2日
まだ真っ暗な午前7時すぎ。宿を出てロヴァニエミのバスターミナルへと歩く。8時、私が乗り込んだバスは一路北へと向かった。
次に向かうは、サーリセルカ。スキーリゾートとして有名であると同時に、ロヴァニエミ同様、オーロラ観測スポットとしても有名な街だ。
ようやく辺りが明るくなったのは、やはり11時ごろ。車窓の外には北欧らしい銀世界の森の風景が広がっていた。
しかし、白いのは大地だけではなかった――空もだった。一昨日、昨日とロヴァニエミの空を覆っていた雲は、今日もサーリセルカまで広く空を覆っているようである。確かに、雪景色は北欧らしい風景かもしれないが、私が今求めているのはこういう北欧らしさではない――オーロラを見に来た私にとって、この風景は絶望感を増幅させるものでしかなかった。
ロヴァニエミ―サーリセルカ間の白銀の世界サーリセルカに到着したのは、正午すぎ。10分程で端から端まで歩ける程の小さな街だが、この小さな街がスキーで、そしてオーロラで、多くの人々を引き寄せているのである。
なので、宿もリゾートホテル色が強く、私が今回泊まったサーリセルカ・イン・マヤタロ・パニモは安い方だったが、それでも1泊99ユーロかかった。しかしそれだけに、木造コテージの客室は居心地が良く、宿泊客ならフィンランド名物のサウナを無料で利用できる特典もあった。
サーリセルカ・イン・マヤタロ・パニモのコテージ
フィンランド名物のサウナ
さて、せっかくラップランドまで来たのだからトナカイ料理を食べたいという思いをロヴァニエミから引きずっていたが、サーリセルカ・インの向かいにあるホテルHoliday Clubのレストランに来てみると、看板に「トナカイソテー(120g)16ユーロ」とあり、北欧(しかもリゾート地)のレストランとすればお値打ちな値段で、しかも1人分にちょうどいい量と思い、ここで食べることにした(ちなみに2人で食べたければ240gで25ユーロ)。
トナカイ肉のソテー
注文して程なくして、ポテトのムースに包まれたトナカイ肉のソテーが運ばれてきた。ロヴァニエミのスーパーで買った燻製同様、ちょっと癖のある風味なのだが、ベリーの甘酸っぱさがそれを和らげてくれて、美味しく頂くことができた。
先にも書いたように、サーリセルカは小さな街だ。街中で旅行者が観光できる場所と言えば、観光案内所の2階の小さな博物館ぐらいだが、ラップランドの文化・風俗を手早く知ることができる。
観光案内所2階の展示さあ、あとはオーロラを見られるかどうかだ。空は相変わらず、分厚い雲に覆われているが…。
私は、サンタズホテル・トゥントゥリ内に冬季限定で開業している、ロヴァニエミでもオーロラツアーでお世話になったツムラーレ(北欧トラベル)=2022年営業終了=のオフィスに出向いた。
ロヴァニエミで参加したオーロラツアーは定点観測だったが、ここで行われるのはオーロラが見えそうな場所を探して移動するオーロラハンティングツアー。それなら、見える確率が少しでも上がるかもしれない――そう思うと、街中でじっとしている気にはなれなかった。私はカードで80ユーロを支払い、そのツアーへの参加を申し込み、夜を待つことにした。
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