【纏め記事】ラダックで出会った動物たち
2011年10月28日
帰国後、ちょっと疲れが出て更新ができなかったが・・・
ここからは、ラダックのことを振り返りながら纏め記事のようなものを。
まずは、前回牛を扱った繋がりで、ラダックで出会った動物たちを紹介。
<牛>
明らかに腹ボテ
前回散々扱ったのでもう十分な気がするが(笑)。
取りあえず写真をあと1枚だけ。
<ヤク>
チベット文化圏といえば、やっぱり彼らでしょ~。長い毛と後ろに反りかえった角が特徴。
しかし、チベット本土ほどお目にかかれなかったのが残念。
<ゾ>
ヤクと牛を交配させた動物。ラダックではヤクよりもこっちの方が多かった。
力持ちなので、畑仕事などに大いに役立っている。
<馬>
今でも荷物の運搬や移動にバリバリ使われている。
ポロでも大活躍。
<ヤギ>
ラダックで一番たくさんいた家畜は彼らかもしれない。ラダックはインドに取り込まれていることから牛(ヤクも含む?)や豚の肉が食されることは殆どなく、肉と言えばマトンかチキンなので、彼らは重要なタンパク源なのである。
で、肉屋の店先には普通に↑こんなもの↑が・・・
<ロバ>
ニンジン食ってる・・・
家畜として飼われているものも多いが、野良もよく見かける。野良ロバとなると、インドの他の地域でも見た記憶が無い。
ラダックに来て初めてロバの声を聞いたのだが、「ウォォォォォ~~ン」と、まるで悲しげなチューバッカのような声だった。
<犬>
レーの街中で牛とともに多く見かけるのが彼ら。昼間は上の写真のようにグータラ昼寝ばかりしていて、臆病で大人しいようにも見られる。
しかし、夜になるとまるでジキルとハイド。集団で気が狂ったように吠えるその声は、屋内にいても恐ろしいのに、夜中に道端で独り車を待っていた近くで吠えられた時には、姿が見えなくとも恐怖におののき、「こっちに来るな~~!」と念じたものだ。
いや、「狂ったように」ではなく、本当に狂犬だったらこれほど恐ろしいものは無い。
とにかく、ラダックには野良犬が多い。
ということで、
時々、避妊手術のために慈善団体が野良犬を大きな網で捕獲することがある。
犬もしっかり分かっていて、犬狩りの車を見ただけで怒りの咆哮を上げながら追いかける。上の写真でも、右側で犬が吠えて威嚇している。
ラダックの牛、インドの牛
2011年10月23日
今回の旅は、ラダックを含めてインドを巡るものだった。
インドはご存知の通り、ヒンドゥー教で神聖視されている牛の天国である。
てか、こいつら甘やかされすぎ。
時々現地の人たちに怒鳴られたり引っ叩かれたりもするが、基本的に気ままで偉そうに振舞っている。
飼われている牛もいるが、私が目にした牛の大多数は野良だった。
自然に生き、自然に食べ、自然に繁殖している。
レーの路地を普通に歩く野良子牛
本当は、チベット文化圏に来たからには見た野良牛の数だけヤクを見たかったのに・・・
本当は、チベット文化圏に来たからにはヤク料理を食べたかったのに――牛を食べないインドの習慣がヤクにも当てはめられたのか、ついにヤク料理を食べることはできなかった。
そして、この牛たちには困らせられたこともしばしばあった。
ダラムサラでは、リンコル(コルラ道)でサルの写真を撮っていたら何度も牛に軽く頭突きを食らわせられた・・・。
バラナシでは、道に普通に落ちている牛の糞を踏まないようにと変な所で気を遣わさせられた・・・。バラナシで残飯をあさる野良牛。こいつらのせいでバラナシの道が・・・
バラナシで牛と言えば、4年前、往来を走り回る暴れ牛に危なく追突されそうになったこともあったっけ・・・
(話を今回の旅に戻して)
歩いていて牛に道を阻まれるなど日常茶飯事。車に乗っていても、牛の大群に道を阻まれることがあった・・・。
道を阻むぐらいならまだしも、私が乗っていた車の前に急に飛び出して来て危うく轢き殺されそうになった牛すらいた・・・。
ニクイ・・・
牛が肉い・・・。
ええい。
お前なんてこうしてやる!!
てな訳で?日本に戻って真っ先に食べたのが、↑コレ↑。
インドにいる間、好物の牛肉を全く食べることができず、牛肉に飢えていたのである。
6週間ぶりの牛肉――あーうまかった(笑)。
<追記>
いえ、本当は嫌いじゃないですよ、牛。最後の部分は言うまでもなく半分ジョークです。
アルチの人々とゾ
2011年9月24日
夕方、アルチ・チョスコル・ゴンパの近くを散歩していると立派なゾ(ヤクと牛の交配種)を連れているおじいさんに出くわした。
「わ、すごい。写真を撮らせてもらっていいですか?」
「写真? それじゃ
はいどうぞ」
と、おじいさんまでゾの頭と角を抱えるようにしてポーズをとる。
その後、バス発着所の片隅にそのゾが繋がれているのを見つけ、またしてもカメラを向けていると、通りすがりの青年が
「写真? 俺も撮って!」
と、先程のゾの主人とほぼ同様にゾと一緒にポーズをとって写真に収まる。更に、
「国に帰ったら写真を送って下さい」
と、私のノートに名前と住所を書くことまでする。このへんでは、まだカメラを持つこと自体が一種のステータスに値するのかもしれない。
「この次はどこに行くのですか?」
と、青年が尋ねてくる。
「明日、ラマユルに行こうかと思ってる」
「それなら、7時30分にここからレー行きのバスがあるので、それで橋まで行くといいですよ」
これは、いいことを聞いた。本当なら、バスでも10分かかる鉄橋までバックパックを背負って歩くなどという馬鹿げたことをしなくて済む。
それにしてもアルチの人々、陽気で気さくで素朴で、接していて実に楽しかった。
パンゴン・ツォとの別れ~ヤクとの出会い
2011年9月22日
車は昨日来た湖畔の悪路を、今度は立ち止まることもせずにひたすら走り続ける。しかし、昨日は山々を映し出していた部分もあった湖が、今は一面のブルーになって私たちの右手に横たわっている。これを見てカメラの虫がうずくのを抑えられるほど、私は我慢強くはなかった。カメラのシャッター速度をかなり早めに設定すると、私は車の窓を開け、湖との名残りを惜しむかのように青い湖面を写真に収め続けていた。
やがて湖を離れて峠道に入ると、それも叶わなくなった。車はパンゴン・ツォに別れを告げ、来た時と同じように峠道をひた走り、チャン・ラ峠を越えていく。
峠を越えて20分ほどした時のことだった。
草原の中に牛のような動物がいるのが見える。しかし、普通の牛ではない。長い毛をふさふさと伸ばしていて、角も牛より長い。
――ヤクである。
今回の旅で、これまではヤクと牛の交配種であるゾばかり見てきたが、正真正銘のヤクにはなかなかお目にかかれずにいた。
実は、それが私にとっては大きな不満だった。
[どうして、チベット文化圏に来ながらこうもヤクに巡り合えないのだ?]
レーの土産屋には「Yak Yak Yak」とか「Hard Rock Yak」などと刺繍されているTシャツが売られているにもかかわらず、である。
ヤクのいないチベット文化圏なんて――と思い始めていた矢先の出会いに、私はようやく、チベット文化圏に来た感慨をほぼ完全に満たすことができた。後は、ヤク肉の料理さえ食べられたら・・・(おい)
(ちなみに、ヤクとゾの見分け方は、角が後ろに反っているのがヤク、反らずに上に伸びているのがゾであるとのこと)