スラカルタ(ソロ) ~王族たちの名残り
2010年5月3日
ジョグジャカルタから日帰りでスラカルタ(旧名・通称『ソロ』)を訪れる。
前日は「当日買って下さい」と言われたスラカルタへの列車チケットを買おうとトゥグ駅の券売所に出向いてみるが、「急行の窓口は別」と別の券売所に案内された揚句にそこで言われたことは…
「当日券は販売していません」
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ど っ ち だ !!
マンクヌガラン王宮
同王宮内部
しかし、怒っていても時間の無駄遣いになるばかりである。私はさっさと頭を切り替えて、トランスジョグジャでプランバナンに行ってそこでスラカルタ行きのバスに乗り換えることにした。
プランバナンまではスムーズだった。しかし、そこからのバスがやたらと時間をかけてのんびりと走る。列車なら10時に到着する予定だったが、スラカルタに着く頃には11時近くになっていた。
ジョグジャカルタの街巡りの項目で先述したように、18世紀半ば、この地ではマタラム王国がジョグジャカルタとスラカルタの両王朝に分裂している。今回訪れたスラカルタの街は後者の中心都市であり、今でも当時の名残りを偲ぶことができる。
マンクヌガラン王宮はマンクヌガラン王家の初代王が建築した、その名残りを伝える遺跡の一つだ ―― いや、“遺跡”という言い方は不適切だろう。なぜなら、ここには今でも王家の末裔が暮らしているのである。そんな訳で、内部は一部参観できるものの、ガイドを付けることが義務付けられる。
王宮は外観こそ質素だが、規模の大きさと内部の豪華絢爛さがかつての王室の権勢を物語っている。内部では謁見の間、大食堂、王女の部屋、当時使われていた馬車などを参観することができ、正面の広間は展示室になっていて、剣やアクセサリー、一風変わった黄金の男性用貞操帯(私に付いたガイドは日本語ができたが、『貞操帯』という日本語は知らなかった模様)などのコレクションが展示されている。
ふと、インドのジャイプルで見たマハラジャの宮殿(シティ・パレス)を思い出した。規模も豪華絢爛さもマハラジャの宮殿に比べれば足元にも及ばないのだが、どこかで文化の根っこが通じ合っているようにも思われた。
カスナナン王宮
当時の文化や王族の暮らしぶりが窺い知れる展示
スラカルタにはもう一つ、王宮がある。マンクヌガラン王家より以前からあったススフナン王家(マンクヌガラン王家はススフナン王家から分裂して興ったもの)のカスナナン王宮がそれだ。こちらは先ほどのマンクヌガラン王宮と比べて部屋の内部の詳細な様子までは見ることができなかったが、八角形の塔が建つ中庭から建物の外観を眺めたり、博物館として公開されている一部の部屋で当時の文化や王族の暮らしぶりを窺い知ることができる。
スラカルタには他にもラジャ・ブスタカ博物館のあるスリウェダリ公園などの見どころもあるのだが、この日はもう一つ訪れたい場所があったし、それにカスナナン王宮を出たところで雨が降ってきた。私はスラカルタ巡りはこれで終わらせることにして、ベチャでバスターミナルまで行ってもらって、そこでミー・バッソというインドネシア式麺の昼食を済ませた後、バスでジョグジャカルタ方面へと引き返した。
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