プーノ-1 ~レイクビューの丘で一触即発
プーノの街に繰り出して、まずは宿からすぐのピノ広場とサン・ファン・バティスタ教会、そしてそこから南へと延びる街の中心街・リマ通り一帯を歩いてみる。しかし、このあたりもやはり、クスコでうんざりさせられた征服者スペインの風景ばかりだ。
ピノ広場とサン・ファン・バティスタ教会
リマ通り
ここはやはり、高台からチチカカ湖(ティティカカ湖)を見たいな、と思い、クスコの時に続いて坂道を上る。
プーノは標高3800mと、クスコ(3400m)よりも更に高く(ついでに言えば富士山よりも高い)、坂道もクスコ同様洒落にならないほどの急勾配なのだが、既にクスコで体が高地に順応してくれたのか、上り坂を歩いても先日に比べれば息苦しさは軽い。
プーノの坂道もかなりの急勾配だ。
電線が邪魔でチチカカ湖の眺めはいまひとつ。
上がれば上がるほど、チチカカ湖ははっきりと見えてくる。しかし、電線が邪魔で眺めとしてはいまひとつだ。電線の無いレイクビューを求めてひたすら坂道を這うようにして上がったところ、広場に行きあたった。そこから少し横道に入ったところで、ようやく電線が殆ど無いすっきりとしたレイクビューを見ることができた。
チチカカ湖はここから見るだけでも十分に広大なのだが、実はここから見えるのは全体の数十分の一にしかすぎないほんの一部なのである。そう考えると、この湖の広大さは底知れないものがある。明日のツアーでは、そのとてつもない広大さを肌で感じることになるだろう。
さあ、このへんで記念写真でも1枚、とカメラの三脚を立てる。スタンバイ完了 ―― と、その時、
「@#&%@*!!!」
2人の地元男性が、恐ろしい剣幕でどなりつけてくる。何を言っているのか全く分からなかったが、「写真を撮るな」とでも言っているのだろうか。そういうことなら穏やかに言ってくれればいいものを、余りに攻撃的で非友好的な態度である。身の危険を感じたためカメラこそバックに収めたが、その態度が気に入らず、私は襲いかかられても武器として使えるように三脚だけは手にしたまま、
「何だよ、写真撮ったらいけないっていう決まりでもあんのか!? この野郎!!」
負けずに怒鳴り返した。一触即発の険悪な状況だったが、敵も私が「武器」を手にしているからか、暴力に訴えてくることはせず、無事そこから退散することができた。
地元のおばさんたちが手招きしてくれた場所
から見た、電線の少ないチチカカ湖の景色
憤然としたまま坂道を下りていると、地元のおばさん2人が手招きする。相変わらず言っていることは全く分からないのだが、今度は「こっちに来てごらん。いい眺めが見えるよ」といった友好的な態度が感じられた。
誘われるがままにそちらに行ってみると、完全に電線フリーとはいかなかったが、確かに電線の障害が比較的少ないチチカカ湖の風景を楽しむことができた。
「Gracias(グラシアス=ありがとう)」
私は彼女たちにお礼の言葉を送った。しかし、それは「いい景色をありがとう」ということよりも、先ほどの騒動でささくれ立った気持ちを和ませてくれたことに対するお礼の気持ちの方が強かった。
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