北京動物園、白雲観、天寧寺 ~西区域の“オールド・ペキン”
2007年2月22日
パンダ。只今お食事中
早朝、市街西北にある北京動物園へと赴く。目的は勿論、大熊猫(パンダ)だ。“オールド・ペキン”とは何の関係も無いのだが、これだけはやめられない。
開園時間の午前7時半直後に入園したが、肝心のパンダ舎は8時から。朝っぱらからのフェイントである。
レッサーパンダや猿などを見て30分を潰した後、再度パンダ舎へ。朝食中のパンダとご対面だ。団体客も2組ほどやって来て、あちこちで「可愛い~」の歓声が起こる。
団体客は日本からのもので、北京動物園のパンダ舎はその刹那、日本人社会と化した。旅行社は大手のもので、「パンダを見るなら朝一番」という鉄則をさすがに心得ている。
パンダを満喫して動物園を後にし、帰りのバスを探していると、路線表の中に「白雲観」の文字がある。
白雲観は、北京駅西に近い広安門外にある道教寺院である。以前行ったことがあるはずだが、余り印象に残っていない。ここも唐代創建で、“オールド・ペキン”の一つである。もう一度、印象に焼き付け直すためにも行ってみることにした。
(左)白雲観の内門 (右)摸石猴
白雲観に着いてみると、おびただしい数の人が並んでいる。よく見ると、列とは別の場所にも入り口があり、そこには「石猴(石猿)を撫でない方はこちらからお入り下さい」と掲示されている。
折しも季節は春節。道教・全真教の総本山であるこの寺院は、初詣のメッカだったのだ。
人の列は、石造りの中門の中央入り口へと続いている。その入り口右側の壁に彫られている石の猿を撫でる(摸石猴)ことで、新しい年の無病息災を祈るというわけだ。
当時の私は不信心者だったので、石猴は撫でずに別の入り口から中に入った。
境内では、線香を焚いたり、賽銭を投げたり(日本のように木の賽銭箱へ現金を投げ入れるのではなく、プールの状の窪みへ別売りの銅貨のようなものを投げ入れる)している。信心者たちが祈りを捧げている中、不信心者が一人カメラのシャッターを押し続けているのは、少し申し訳ない気もした。
天寧寺塔
白雲観から少し南へ行ったところには、北魏の時代に創建された仏寺・天寧寺があった。寺そのものは今は無いが、遼の時代に建てられた(現存のものは明代に再建)塔が今でも残っている。
現在は工場の敷地内にあり、残念ながら中に入って間近に見ることはできなかったが、13層もある八角形の塔の姿は、塀の外からでもしっかり拝むことができる。