大連―瀋陽 - 世界への旅(旅行記):満洲(2006年)【憧れの大地へ】
バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

満洲(2006年)

大連―瀋陽 ~夜の“奉天駅”

2006年10月1日

10月初頭 ―― 中国では、国慶節(建国記念日)で1週間の連休だ。
連休なので、列車の切符が入手困難であることは分かっていたが、今年の国慶節は、中国人同僚によると、「春節の時よりも切符の入手が難しい」とのことだった。実際、大連駅で朝早くから並んで切符を購入しようと試みたが、今回の目的地への臥鋪(寝台席)の切符が1時間もたたないうちに売り切れるという有様だった。
同僚のつてで、ようやく瀋陽から目的地に到達する列車の臥鋪の切符を手に入れることができた。
さて、そうなるとまず大連から瀋陽まで行く必要があるが、これは大連駅前から高速バス(所要時間4時間強)が多数出ているので便利だ。
目的の列車が瀋陽北駅を出発するのは夜の10時すぎだが、連休ということで高速の渋滞も考慮に入れて、午後3時発のバスで瀋陽へと向かう。
ところが、渋滞などどこにあるやら。車の流れは至極順調で、バスは時速120kmで快調に飛ばし、結局予定よりやや早く、午後7時には瀋陽北駅に到着した。
この時間に到着するのは無論、想定内ではあったが、既にあたりは暗くなっていて、瀋陽北駅もライトアップされている。この状態で3時間もの時間を潰すとなると、夜市か夜景ぐらいしか思い浮かばない。
取りあえず夕食で少しだけ時間を潰した後、私は夜の景色が見応えあるのでは、と思われる場所へ向かうことにした。
その場所へはバスで向かおうとしたが、瀋陽北駅の市バス乗り場は、行き先が非常に分かりづらい。バス路線図らしきものも見つけることができず、各路線の停留所表示はスクロールする電光掲示で、じーっと見ていないとどこへ行くのかを見落としてしまいやすい。
しばらくうろうろしていたが、やがて「南站、南站!」という掛け声が聞こえてきた。まさに、私の向かおうとしていた場所である。やっとのことでバスに乗り込むことができた。
目的地は近いようで意外に遠かった。30分ほどバスに揺られて、ようやく“南站”に到着した。
“南站”というのは瀋陽南駅。一般的に瀋陽駅と呼ばれている駅だ。
瀋陽は満洲時代に“奉天”と称されており、この駅も当時、奉天駅と呼ばれていた。その当時の駅舎が、今でも残っている。
今でこそ瀋陽一の駅の座を北駅に譲っている格好で、私もこれまでに瀋陽を訪れたことはあったが、いずれも北駅利用で、南駅は見ることすらこれが初めてだった。
しかし、風情という点では、近代的な北駅をはるかにリードしている。私の思惑通り、適度にライトアップされた瀋陽駅は、古(いにしえ)の風情を十分に醸し出していた。
瀋陽駅
満洲時代の雰囲気を残す瀋陽駅
瀋陽北駅
モダンな瀋陽北駅
南駅から北駅に戻り、“クラシカル”から“モダン”に引き戻された。気がつけばその後の時間の過ごし方も、ファストフード店でコーヒーと、いかにも現代的なものに戻っていた。
そうこうしているうちに、列車の時間だ。
私が入手した切符は軟臥だったが、旧式車両のローカル線である。最新式の硬臥と比べても見劣りする印象だ。
時間が時間だけに、乗車したら間もなく消灯。車内が明るくなる頃には、次の目的地に到着だ。

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