世界への旅（旅行記）

まずは宿替え。バックパッカーの間で有名な紅山茶賓館に移る。ここのドミトリーは先客がいて、情報交換にも話し相手にも困らない。暖房はやはり無かったが、毛布があったのでこれで夜をしのぐことができた。 大理古城から北20kmほどの所に、喜洲という街がある。小さいが、昔ながらのペー（白）族の町並みが残っている味わい深い街だ。中心部にある厳家院では、ペー族の建物を味わうことができるばかりでなく、ペー族の民族舞踊や三道茶（ペー族が客をもてなす時に出す茶で、甘い、苦い、苦甘い、の3通りの味のものを出す）を楽しむこともできる。私もきっちり三道茶と民族舞踊を楽しんだ。

喜洲は洱海に比較的近い。前日に間近から見ることができなかったので、ほとりまで行ってみることにした。

洱海のほとりで農作業をするペー族 広々とした田園地帯をぬって歩いている道中、自転車に乗った老人が声をかけてきた。身なりで観光客と分かり、しかもこの道を歩いているとなると目当ては湖だ、と分かったようである。
「湖に行くなら、あそこの道を左だ。間違えると湖に着かないよ」と、親切に教えてくれた。
しばらく彼と話しながら歩く中、私はふと彼に尋ねた。
「あなたは、ペー族ですか？」
「そうさ、生粋のペー族だよ！」
胸を張ってそう答えた彼の姿は、自らの民族に対する誇りそのものだった。

１時間歩いて、湖畔にたどり着いた。
洱海は確かに広大な湖だ。しかし、ここ１年で青海湖、太湖など幾つもの湖を見てきた私にとっては、さほど目新しいものでもない。
この日のメーンイベントは、この後思いがけず訪れた。