ルシャル ~仏教コミュニティ クンブム(タール寺)
2001年7月28日
西寧から南へ車で1時間ほどかけてルシャル(中国名『湟中』)の街に出かける。ここは一応西寧市に属するが、クンブム(タール寺)というチベット仏教ゲルク派の寺院がある、立派なチベット圏だ。この寺院のある場所はチベット仏教ゲルク派の開祖ツォンカパの生誕地でもある。ちなみに、ダライ・ラマ14世の生誕地もこの近くなのだが、当時はその知識が全く抜けていた。
クンブム
クンブムに到着したものの、入場券売り場がどこにあるか分からないまま、いつの間にか入場してしまう。
その後も幾つものチベット寺院を訪れて感じたことだが、チベット仏教の主だった僧院は「宗教施設」と言うよりは「コミュニティ」と言ってもいい程、大規模なものが少なくない。このクンブムもそんな巨大僧院の1つだ。
広大な敷地に、無数の建物がある。その中に入ると、ヤクの乳で作ったバター製のロウソク(チューメ)の臭いが充満する中、やはりバターで作られた塑像など、数々のチベット仏像が安置されている。
チベット寺院は以前北京で雍和宮を訪れて以来だったが、その時もこの時も、チベット仏教に関してはまだ「こんな感じなのか」という印象しか残らなかった。
<後日談>
6年後、私のチベット仏教に対する思いは劇的に変わることになる。
北禅寺
西寧に戻った後は、市街北部にある北禅寺(北山寺)へ。こちらはチベット仏教ではなく、南北朝時代に創建された中国仏教の寺院だ。湟水北岸の切り立った断崖にへばりつくように建立された寺は、遠目から見ただけでも恐ろしい。
実際にあの寺から街を見下ろしたら、どれ程足がすくむだろうか、と思ったが、残念ながら前夜の雨の影響で、寺そのものの参観は認められなかった。
列車に乗る時間となった。私は西寧巡りを終え、S君とともに、チベット高原への入り口の街・ゴルムドへと向かった。
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