南紀続100名城(2)―赤木城ほか
2024年12月8日
三重県のJR紀勢本線阿田和駅近くからバスに乗車して、海辺から山間部へと向かう。
45分ほど経ったところで、道の駅熊野・板屋九郎兵衛の里に到着。ここが次に目指す城のスタンプ設置場所なのだが、ここでは下車せずに、バスに身を委ねて更に山奥へと進む。というのも、目指す城最寄へ行くバスは1日2本しか無かったからだ。
道の駅から更に20分ほどの大谷橋バス停で下車。城までの道のりは次のバス停の方が近かったのだが、そちらからだと城を見下ろすビューポイントを逃してしまうので、1つ前を選んで下車したのだった。
大谷橋バス停でカメラの装備を整え、先に進む。少し歩いたところで谷側の木々が無くなって視界が開ける。そして高台の下に、赤木城(続100名城 No.155)の全景が目に飛び込んできた。まずここで写真を撮った後、坂道を下りて城に近づきつつ、色々なアングルから城の全景を写真に収める。
赤木城全景赤木城は安土桃山時代、豊臣秀吉による紀州攻めの後、熊野地方の木材の確保と、奥熊野の地侍が蜂起した「北山一揆」への対応のため、当時の紀伊国主・豊臣秀長の家臣だった築城の名手・藤堂高虎が築いた初めての城だ。その後大坂の陣の折にも北山一揆が勃発するが、高虎は赤木城を拠点にこれを鎮めて関係者たちを粛正している。
麓から望む赤木城の城山
赤木城 東郭「城山」の麓に到着し、早速登城。城山の尾根沿いに郭が設けられ、主郭や東西南北の郭の跡などが残り、特に主郭は野面積みの石垣が立派だ。
赤木城 主郭建物は現存・再現いずれも無く、規模も30分ぐらいで一回りできるぐらいの城だ。しかし、郭の配置や石垣の強固さ、虎口の構造など、城好きを「なるほど」と思わせる要素が随所にある。この城を皮切りに各地に名城を築いていく藤堂高虎の、ここはまさに「原点」なのだ。
虎口から望む赤木城本丸上部
赤木城 西郭城巡りを終えてさて、続100名城スタンプ設置場所へと移動だが、赤木城最寄りのバス停は1日2本しか便が無く、次のバスは随分後だ。私は城巡りに「自動車は公共交通機関のみ」という縛りを設けていたので、ここは歩くしかない。真っすぐ行けば下り坂を6㎞で済んだところだが、私は近くにある名所・丸山千枚田という棚田にも立ち寄ったので、8㎞を時々走って1時間半かけて歩くことになった。
丸山千枚田
熊野市紀和鉱山資料館に展示されている赤木城ジオラマ道の駅熊野・板屋九郎兵衛の里でスタンプを頂いた後、すぐ近くにある熊野市 紀和鉱山資料館を参観。かつてこの地に栄えた紀州鉱山の展示のほか、以前はここがスタンプ設置場所だったこともあって、ジオラマや藤堂高虎のエピソードなど、赤木城に関する展示もあるので赤木城を訪れた際にはぜひ訪れたい。
17時発のバスで帰途に就くが、往路と同様、阿田和駅での乗り継ぎ時間が1時間ほどできたため食事などで時間を潰した後、紀勢本線で和歌山・新宮に戻る頃には19時になっていた。
今回の城巡りは以上で終了だが、せっかく南紀まで来たので、この日は新宮で1泊して明日は1日かけて白浜まで各地を巡ることにする。
2024年12月9日
朝一番で新宮の宿を出て、和歌山県南部の名所を巡る。
那智の滝を中心とする熊野古道のさわりの部分、本州最南端・潮岬、ジャイアントパンダをはじめとする動物たちを楽しめるアドベンチャーワールドを巡ったが、公共交通機関の乗り継ぎのタイミングの悪さもあって、これら3箇所だけで夕方の帰路の飛行機にちょうどいい時間までかかってしまった。南紀を存分に巡るならあと1日は欲しかったところだった。
那智の滝
本州最南端・潮岬
アドベンチャーワールドのジャイアントパンダ2024年の城巡りはこれで終了。今回の旅で、近畿の100名城・続100名城は全制覇となった。
100名城・続100名城いずれもほぼ4分の3の制覇である。あと2年程で全制覇なるか。
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