バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

カナダ西部

バンクーバー-3 ~バンクーバーの自然

2019年12月29日

バンクーバー2日目。この日は「バンクーバーの自然」をテーマに巡ることにした。

まずは、中心部とはバンクーバー港のある海峡を隔てて北にあるノース・バンクーバーにあるグラウス山を目指す。ここへの移動は、昨日も訪れたカナダ・プレイスから出ている無料のシャトルバスが便利だ。
スタンレー・パーク~ライオンズゲートブリッジ経由で海峡を渡り、ノース・バンクーバーへ。山道を走って、グラウス山の麓に到着。
グラウス山のロープウェイ
グラウス山のロープウェイ
ここから山の上にはロープウェイで上ることになる。乗り場には長蛇の列ができていたが、多くの人がスキー装備だ。
山の上に到着すると、そこは一面の銀世界。私の旅行当時、雪とは全く無縁で降っても雨だったバンクーバー下界とは全く様相が違う。
道理でロープウェイの乗客の多くがスキー装備だった訳だ。この山頂は、冬場はバンクーバーでも人気のゲレンデだったのだ。山の斜面には大勢のスキー客が冬のレジャーを楽しんでいる姿が見える。これが、この季節のグラウス山の楽しみ方なのだ。
山頂にはこの山の名物であるアイ・オブ・ザ・ウィンドという風力発電の風車を模した展望台がある。私はそこまで行きたいと思っていたのだが、そこまで行くには更にリフトに乗る必要があるようだ。
ただでさえスキーではなくカメラ持参でやって来た私は、リフトに乗ることに対し――いや、ここにいること自体に強烈な場違い感を強く覚え、早々にここを引き上げることにした。
グラウス山山頂
グラウス山山頂
とはいえ、これだけの高台に来て景色を楽しまない手はない。レストラン等の施設が入った建物(ピーク・シャレー)のバルコニーに出てみると、カナダらしい針葉樹の林の向こうに、広がる海の中に佇むバンクーバーの街を一望することができた。
グラウス山の眺望
グラウス山からの眺望
ロープウェイからのキャピラノ湖の眺望
ロープウェイからのキャピラノ湖の眺望
帰りのロープウェイからも、バンクーバーの絶景を満喫。海峡の対岸の街を望むことができるほか、眼下には海峡のこちら側に横たわるキャピラノ湖という細長い湖の全容を見ることもできた。
バンクーバー周辺は、フィヨルドと思われる細長い入り江が幾つもあるが、陸に取り残されたかのようなこの細長い湖もまた氷河の名残なのかもしれない。

山道を下りるバスに乗ってグラウス山を後にするが、山を下りきる途中のバス停で下車。実はこのエリアにはもう一つ、「バンクーバーの自然」を堪能できる場所があったのだ。
公園施設に入場するとまず、トーテムポールに出迎えられた。トーテムポールは昨日もスタンレー・パークでお目にかかったが、今回はそれよりも間近に見ることができ、柱に刻まれたユーモラスな表情を1つ1つ楽しむことができた。 キャピラノ吊り橋のトーテムポール
キャピラノ吊り橋のトーテムポール
そしてその先に、この公園施設の主人公が見えてきた。断崖絶壁に挟まれた谷間を縫うように流れる川と、その谷の両岸を繋ぐ橋――柱は無く、真ん中が下に大きく垂れ下がっている。
吊り橋だ。「キャピラノ吊り橋」と呼ばれるこの橋は、先ほどグラウス山のロープウェイから見下ろしたキャピラノ湖から流れる川に架けられたものである。
長さは140m、幅は人が左右一列で行き交える程度、川からの高さは70mという規模。太いワイヤーで組まれた丈夫な橋で、高い柵も設けられているので安心だが、万一落ちたらひとたまりもない高さだ。私は「断崖絶壁の上に立つのはちょっと苦手だが柵やガラスがあれば高所は大丈夫」という人なのでほぼ問題なく渡れたが、その高さに、飼い主に連れられた小型犬も体をピクッとさせて怯える程だった。
しかし、この橋の本当の怖さは高さよりも揺れだった。ちょっと体重のかけ方が不規則になると橋は左右にグラっと揺れる。人が振り落とされる程の勢いではないものの、やはり足元が不安定になると少しばかりの恐怖心が生まれる。 キャピラノ吊り橋
キャピラノ吊り橋
吊り橋の遥か下を流れる清流
吊り橋の遥か下を流れる清流
橋の向こう岸(西岸)に着くと、そこには「ツリートップ・アドベンチャー」と呼ばれるアトラクションがある。木々の上にミニ吊り橋を巡らせて「リスの目線」を楽しむことができるというものだ。 キャピラノ吊り橋西岸の「ツリートップ・アドベンチャー」
キャピラノ吊り橋西岸の「ツリートップ・アドベンチャー」
キャピラノ吊り橋東岸の「クリフウオーク」
キャピラノ吊り橋東岸の「クリフウオーク」
そして、再び揺れる吊り橋を歩いて東岸に戻る。
こちら側には断崖絶壁に沿って空中に設置された遊歩道「クリフウオーク」がある。造りが頑丈で揺れることも無く、柵もしっかりとしたものなので安心して歩くことができるが、崖に繋がれているとはいえ、やはり気分は「空中を歩いている」。そこそこスリルを味わうことができた。

カナダ西岸一番の大都会バンクーバー――その街の目と鼻の先にこれだけの大自然を味わうことができる場所があるというのは、カナダがいかに「大自然に抱かれた国」であるかの証しにも思われた。

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