ポロンナルワ-1 ~人造湖畔の聖地
2015年5月1日
スリランカ風朝食
シーギリヤ・ロック訪問から一夜明けた。スリランカに来た最大の目的は達成されたが、まだ旅は前半だ。次の場所へと気持ちも新たにして向かう。
と、その前に腹ごしらえだ。シーギリヤで泊まったPalitha Home Stayは朝食付き。米粉で作った羽根付きクレープとでも言うのか、ホッパーという主食に、バナナや紅茶など。スリランカ料理と言うと真っ先に思い浮かぶのはカレーだが、さすがに朝からカレーは現地の人でも重いのか、こういう軽めの料理も根付いているようだ。
朝食を済ませたところで、シーギリヤを出発。まずバスで幹線道路まで出て、そこで一旦下りて北上する別のバスをつかまえて、行き先を訪ねて乗車。既に座席は満員で、立ったままの移動となった。
移動先は、ポロンナルワ。シーギリヤから東へ直線距離で20kmほどの場所にある街だが、実際の道は直線にはならず、結構大回りするのでシーギリヤからトータルで60kmほどの移動となった。
パラークラマ・サムドゥラ
田園風景がのどかだ
ポロンナルワはかつてのシンハラ王朝の都が10~12世紀に建てられた古都で、パラークラマ・サムドゥラという巨大な貯水湖のほとりに建つ街だ。この湖の恵みを受けて農業が営まれ、私が泊まった宿(Thisara Guest House)からもゆったりとした田園風景を見ることができた。
午前10時、宿で自転車を借りてポロンナルワの街巡りに出発。
ポロンナルワには、私の泊まっている宿から見て北側にある旧市街と南側にある新市街がある。見どころの大部分は旧市街の方にあるのだが、新市街方面にも少しあるので、まずはそちらに向かうことにした。
ポトグル・ヴィハーラ
旧市街と新市街のちょうど中間辺り、南北2つの貯水湖が狭い水路で繋がっている地点の近くに林があり、最初に目指す場所はそこにあった。
ポトグル・ヴィハーラ※は、ここに都があった当時の図書館の跡。ドームや建物の土台や柱の跡が残っていて、当時の様子をしのばせている。ここには、ヤシの葉というスリランカらしい紙に書かれた、仏典という仏教国らしい書物が収められていたらしい。確かに、静かで、暑さをしのぐのにうってつけな木々があるこの場所は、仏教を学ぶのにうってつけの場所だったかもしれない。
石立像
そして、図書館跡の北側に1体の大きな石立像が立っていた。スリランカで像というとすぐに仏像を連想してしまうが、この像は明らかに仏様ではない。ひげを生やした面長で目鼻立ちのくっきりとした顔立ちで、恰幅のいい、貴族とおぼしき俗人の像だ。両手で何か長いものを携えている。仏典の書かれた紙の束だろうか――ダライ・ラマ法王やチベットのお坊さんがそのくらいのサイズの紙の束を読んでいるのを見たことがある。
この像が誰のものなのか、確たる記録は無いようだが、ポロンナルワに繁栄をもたらした王パラークラマ・バーフ1世だという説が有力らしい。
このエリアは以上。再び自転車を走らせて、パラークラマ・サムドゥラ湖畔の道を北上する。
旧市街へと入り、ポロンナルワ博物館へ。ここは出土品などの展示場所であると同時に、遺跡公園のチケットオフィスにもなっている。シーギリヤの入場料も30米ドルと高額だったが、ここも25米ドルと結構な値段だ。
ポロンナルワ巡りは、この遺跡公園こそがメインだ。公園内も自転車で回ることができるので、そのまま自転車で乗り入れていざ、いにしえの王朝の面影を求めてペダルを漕いだ。
※ヴィハーラ(vihāra)とは、サンスクリット語で「僧院」「精舎」といった意味。
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