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世界への旅(旅行記)

モロッコ

サハラ砂漠への道-3 ~エルフード、リッサニ、そしてメルズーガ

2013年10月29日

トドラ峡谷からティネリールに戻り、再びカスバ街道を東へと進む。
幹線道路たるカスバ街道はやがて東向きから北東向きへと方向を変えてエルラシディアへと続くが、私たちの車は途中で幹線道路からそれてそのまま東へと進み、エルフードの街へと進路をとる。
エルフードに到着すると今度は進路を南に変え、休むことなくそのまま先へと進む。
リッサニ
リッサニ
そして、立派な門が印象的なリッサニの街を通過するが、それが最後の街らしい街だった。そこから先は、オアシスの潤いがあったこれまでの街道とは打って変わって、荒涼とした風景が続く。礫と、目の粗い砂――僅かに草が生えてはいるが、典型的な砂漠の風景だ。いよいよ、サハラの領域へと足を踏み入れたのである。

そして、リッサニを離れて程なくして――ついに、見えてきた。

メルズーガの大砂丘(またの名を『シェビ大砂丘』)…
黄土色に黒の絵の具を混ぜたようなごつごつとした荒涼の大地の向こうに、鮮やかな赤茶色の、ビロードのようなきめ細やかさを感じさせる大砂丘が横たわっている。手前の風景との色や形の差が強すぎて、その存在感には唐突さすら感じさせられる。

メルズーガの大砂丘
メルズーガの大砂丘が見えてきた

私たち日本人が ―― いや、日本人のみならず、このツアーに参加している他の国の人々ももしかしたらそうなのかもしれないが――“砂漠”と聞いてイメージしてしまうのはこうした砂砂漠だ。しかし、砂漠というのは実は、岩砂漠が圧倒的に多く、砂砂漠はそれ程多くないのである。つまり、私たちが目指しているは“典型的な砂漠”ではなくむしろ“例外的な砂漠なのだ。
とはいえ、そういうことをしっかり承知している私ですら、このツアーで求めていたのはこの砂丘の風景だ。既にサハラ砂漠に差し掛かっているにも関わらず、私もこの風景を目の当たりに、「ようやく目的の場所に辿り着いたんだ」という万感の思いでいっぱいになっていた。

やがて車は大砂丘に再接近する。すると、リッサニを離れてからここに至るまで1軒も見当たらなかった建築物がいくつも軒を並べている。大砂丘巡りのベースキャンプとなるホテルだ。私たちもその中の1軒に入って、荷物ともども車を下りる。
ラクダに乗っていざ、砂漠へ
ラクダに乗っていざ、砂漠へ
しかし、このホテルは宿泊するために立ち寄ったのではない。砂漠を巡るためのラクダをレンタルすること、そしてそのラクダに負担をかけないよう必要最低限以外の荷物を預けるためだった。三脚や寝袋など、持って行きたいものはいろいろあったが、仕方が無い。小型のデイバッグと布ショルダーバッグに収まるだけの荷物を纏めて、残りはバックパックごとフロントに預ける。
準備を整えてホテルの裏手に進むと、人数分数珠繋ぎにされたラクダが待っていた。参加者が後ろのラクダから順番にまたがっていくと、ラクダはまず後ろ脚を、続いて前脚を伸ばして立ち上がる。
午後4時半。全員のラクダが立ち上がったところで、ゆったりと歩き出す。いざ、サハラの大砂丘巡りへ、出発だ。

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