バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

台湾西岸(2012~2013年)

彰化 ~台湾で初詣(2)

台湾の国鉄
台湾の国鉄(彰化駅にて)
台中近辺にもう1か所、初詣にうってつけの場所があるらしいので、行ってみることにした。ここで初めて、台湾の国鉄に乗ることになったが、どうも切符の自動販売機の使い方がよく分からない。地元の人に教えてもらってようやく切符を買って、1駅だけではあるが台湾列車の旅を少しばかり楽しんだ。

到着したのは、台中のすぐ南にある彰化という街。看板の文字が日本とは違っているものの、街角にはどこか昭和の日本を思い起こさせるような風景をそこここに見ることができる。
先ほど台中でも訪れたが、ここ彰化にも街の東側に孔子廟がある。台中の時にも書いたが、孔子廟は宗教施設とは違う性質なものだ。ところがこの孔子廟では、まさしく天神の神社のように、おびただしい数の合格祈願の絵馬が奉納されていた。日本と台湾とでは、儒教の位置づけそのものが少々異なっているのかもしれない。

彰化の街角
どこか日本的な趣のある彰化の街角
彰化の孔子廟
彰化の孔子廟

孔子廟から更に東へ進むと、八卦山という山が見えてくる。その頂に、何か黒いものが建っている――大仏だ。これこそが、彰化の初詣の目的地だ。こちらの大仏は台中・宝覚寺の大仏とは様相が異なり、螺髪と呼ばれる丸い髪の毛もある日本でもお馴染みのスタイルをした釈迦如来像である。奈良の大仏(16m)よりも更に大きく、高さ21mもある。
まずは外からしっかりとお参りする――と書くと、「この大仏は内側からでも参拝できるとでも言うのか?」という突っ込みを受けてしまいそうだが…

八卦山大仏 八卦山大仏
八卦山大仏
八卦山大仏内部の礼拝施設
八卦山大仏内部の礼拝施設

その通りなのである
この大仏、中に入ることができるのだ。
足元から体内に入ると、まずそこには礼拝堂がある。台湾の仏教徒が祈る姿には日本の仏教徒には無い熱気があるのだが、ここで祈る人々も、やや控えめながらも熱いまなざしで仏に祈りを捧げていた。
更には階段もあって、全部で5階建てになっている。階上にはブッダの生涯を描く人形展示があった。仏像が立派な割にはこちらの人形はやや安っぽい。
そして、各階には明かり採りの窓が背中側にあり、仏像を背後から見るとあたかも背中に膏薬を貼っているように見える(上の写真にマウスを合わせるとその写真に切り替わります)。
この画期的な?試みを省スペースで合理的なものとして評価するか、はたまた「罰当たりだ」と感じるか――信仰心や感性成によって、意見は分かれるところだろう。
肉圓
彰化名物・肉圓

来た道を駅へと戻るが、途中のある界隈で、来た時から気になっていた看板があった。あっちに「肉圓」、こっちに「肉圓」――どうやらこの「肉圓」というのが彰化名物であるようだ。幾つも並ぶ店の中から、私は特に客の入りのいい「阿璋肉圓」という店に入って、いかにも「看板商品ですよ」と主張するかのように大きく書かれている「香茹肉圓」を注文した。
出てきたのは、スープの旨味を芯まで吸い込んだようなゼラチン質のものが椀に盛られたものだった。そのゼラチン質の衣の中に、豚肉や椎茸が封じ込められている。食感に対して好みが分かれるかもしれないが、味はいいのでゼラチンの感触に抵抗が無ければ間違いなく美味しく頂ける一品だ。

初詣もして、古き良き日本を思わせる風情に出逢い、グルメも楽しむことができた彰化への小旅行だった。しかし、“味”に関しては、この後すぐに今回の旅一番のインパクトに出逢うことになる。

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