台北-1 ~“寒い”出迎え
入国手続きを終えた私は、リムジンバスで台北駅へと向かう。
目当ての宿は、駅前にそびえ立つ新光三越ビル隣というアクセス条件抜群のビル内にあるゲストハウスだ。いつもなら、次の日どこにいるかは直前にならないと分からないという旅ばかりやっていたので「宿の予約? 何それ?」状態なのだが、今回は台北でカウントダウンを迎えようという構想が2日前までに固まったので念のため予約のメールを出しておいた。まだその返事は無いが、まあ大丈夫だろう。
――と思っていたのだが…
私は台湾の年末年始を甘く見ていた。「台湾は旧正月が本番だから、新暦の正月は大丈夫だろう」と思っていたのだが、台湾の正月前後は結構旅行客が多いらしく、台北のゲストハウスはどこもFULL状態になるというのだ。目当てのゲストハウスに到着してはみたが、私の予約メールはスタッフが多忙を極める中未読のまま放置されていた。
初日の宿はこんな感じだった
結局、正規のドミトリーには泊まることができず、オーナーの大家さんが「年末年始は部屋が足りないんじゃない?」と臨時で貸してくれたという広めの1Rにマットレスを引いただけの雑魚寝部屋に泊まることになった。それでも十分だったのでそこに泊めてもらうことにしたのだが、就寝の段階になってもう一つの「台湾を甘く見ていた」問題が浮上してきた。
台湾は沖縄本島よりも南にあり、台北は宮古島と大体同緯度だ。冬に台湾に来る人は大抵、日本に比べて温暖な気候を期待して来ることだろう。
ところが、ふたを開けてみると…
寒いのである。
普段人が暮らしていないからなのだろうか。京都の底冷えのような寒さがする。エアコンの温度計を見ると15度――およそ快適な室内の気温とは言い難い。
とはいえ、やはり台湾は温暖であるというのが通常なのだろう。エアコンのリモコンを見ると、動作モードは送風、除湿、冷房…
暖房が無い。
どうやら、室温を上げる手立ては無さそうだ。自分の手持ちの備えで暖をとるより他にない。まさか台湾まで来て、凍える思いで夜を過ごそうとは思ってもみなかった。
※ちなみに2日目は通常のドミトリーに入ることができたが、3日目はまた空きが無くなってこの寒い部屋に舞い戻ることになる。
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