バクタプル ~古都を歩く
古都バクタプルのメインストリート
トゥマディー広場近くの屋上カフェで少し遅めの朝食をとった後、時間まで各自自由にバクタプルを散策する。
私はトゥマディー広場で暫く写真を撮り回った後、1人で地図も見ずに勘に任せて歩き始めたが、すぐに見覚えのある場所が目に入ってきた。5年前にも通った、狭いが立派なメインストリートである。あの時は雨が降っていたこともあってか閑静な雰囲気が強かったが、雨が上がった今回は人も多く、路肩に露店が出ていたりもして、古めかしく落ち着いた町並みも賑わいを呈している――いや、天気の違いだけだろうか。そうではないだろう。昨夜パタンで感じたのと同じように、ネパールは5年前と比べて明らかに活気づいている。
やがて、やはり見覚えのある場所に行き着いた。ダルバール、トゥマディーに続く3つ目の広場・タチュパル広場だ。ダルバール、トゥマディーに比べると規模は小さく、人もそれ程多くはないが、その分古風な雰囲気は他の2つの広場に勝っていたように感じられた。
その中心にあるのが、ダッタトラヤ寺院。ご本尊は、ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァの3神が一体になったものだというが――創造神と維持神と破壊神が一緒になってしまって内部矛盾を引き起こしたりしないものなのだろうか。
バクタプルのタチュパル広場
ここのお土産屋さんはお勧め
広場の入り口近くに土産屋がある。ネパール土産でお勧めなのが、ハンディクラフト製品なのだが、ここでは紙製のハンディクラフト製品が中心だった。
バクタプルの路地裏
中でも目が留まったのは、ネパール・ライスペーパーと呼ばれる和紙のカレンダー。ネパールの“和紙”という言い方は少々違和感があるが、意外な所にネパール文化と日本文化の繋がりを見た思いだった。
ちなみに、このタチュパル広場には「孔雀の窓」と呼ばれるネワール芸術の傑作があるらしいのだが、この時ガイドブックを開こうともしなかった私は完全にその存在を逃してしまっていた。
一度はトゥマディー広場方面に戻りかけたが、途中で同じツアー参加者のキョウイチ&エミと合流した流れで、もう一度タチュパル広場を巡ることになる。
帰り道、3人で時折、路地裏に入り込んでみる。表通りよりも更に狭く、看板も無く、人通りも少なくてたまに見かけるのは地元の人たちばかりだ。表通りは外国人観光客も多いので古めかしい中にも僅かながらモダンな空気が漂っていたが、ここにはそうした要素が一切無い。そこに漂っていたのは、3王朝時代からそのまま時間が止まっているかような、現代離れした空気だった。
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