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世界への旅(旅行記)

ラダック、北インド(2011年)

カルシャ・ゴンパ

2011年9月28日

目的のカルシャ・ゴンパの麓に到着した私は、2時間半もかけて歩いてきたことを少々後悔した。
ゴンパは崖にへばり付くようにして、かなり高い位置まで建てられていたのである。
カルシャ・ゴンパ
上り始めのうちは小川のほとりで遊ぶ子どもたちや、水浴びを嫌がって飼い主から逃げようとする羊を上から眺めて楽しんでいたが、それが見えなくなると急な坂に脚の筋力を奪われ、汗も出て、息も絶え絶えになり、身も心も疲れが蓄積されてくる。
それでも、最上部からザンスカールの広大な景色を見ていると、少しは気分が晴れやかになってくる。
ザンスカールの広大な景色

最上部にある本堂の右側の部屋に入れさせて頂く。正面には中央にダライ・ラマ14世の写真が置かれていて、その左右には経典の棚や金色の像などが安置されている。右側の壁には色鮮やかな仏画が描かれていたが、現在作成中のようで手前半分はまだ下絵状態。そんな中、一番手前には子どもの悪戯描きのような絵が描かれていた――と言うより、間違いなく小僧さんの悪戯描きだろう。

本堂左側3階の部屋は最初鍵が掛けられていたが、やがてやって来たお坊さんに開けていただいて中に入れてもらった。
入ってすぐの部屋は正面に仏像やチョルテンが安置され、壁には仏画が描かれていたが全体的にがらんとしていてもの寂しい。
と、お坊さんが「奥へどうぞ」と促す。誘われるがままに入った奥の部屋は、手前より狭いながらも、正面には聖者たちの像などがずらりと並んでいて、こちらの方が壮観だった。
奥の部屋
正面右の方に、ツァンパ(麦こがしの粉末)にお布施が刺されている台があった。私もそれに倣ってお布施の紙幣をツァンパに刺すと、その様子を見ていたお坊さんが私を呼びつけた。何かと思うと、お布施の台帳に名前やパスポート番号まで記入を求められ、更にはお布施の証明書のようなものまで頂いた。
こんなものまで出していただいて恐縮である――たった10ルピーのお布施だというのに。

中身もなかなかのゴンパだったが、とにかく上るのに疲労困憊させられた。このゴンパで一番テンションが上がるのは、少し遠目から崖にへばり付くゴンパの全体像を見た時かもしれない。

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