バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ラダック、北インド(2011年)

ザンスカールの朝

2011年9月28日

パドゥムは、ザンスカールの中心の街。
しかし、同じ中心の街とはいえ、レーとはかなり違う。
賑わいのある北のマーケットから一歩足を踏み出すと、そこはもう農村地帯。
雪山がすぐそこに見える田園地帯で、ゾ(ヤクと牛の交配種)、牛、馬、ロバ、ヤギ、羊たちが草をほおばっている。
家畜たち

勿論人間たちも、籠を背に拾い物をしたり、家畜を追ったり、ゾを使って畑を耕したりしている。
201109280102.jpg

そんな中を歩いていると、実に空気がすがすがしい。深呼吸をしながら「空気がおいしい」と心の底から思えたのなんて、どれだけぶりだろう。

さて、私が今回目指しているのは、パドゥムの北東6kmほどの場所にある(とガイド本にかかれている)ゴンパだ。片道6km程度なら、私の脚なら余裕で歩いて往復できる距離だ――ということで、歩いていくことにした。
上記の田園地帯を過ぎると、荒涼とした荒野となる。しかし、その荒野のすぐそばに、割と大きな川(スル川)が流れているから不思議なものだ。
スル川

その川のほとりに出ると、向こう岸に目標のゴンパはもう見えている――というのに、橋が遠い。一番近い場所ではなく、橋が一番短くて済む場所に造られているのである。おまけに、橋までの道も最短距離ではなくやや遠回りに造られている。ようやく辿り着いた橋の位置は、目標のゴンパを少しだけ過ぎていた。

橋からゴンパまでも結構離れている。おまけに道が曲がりくねっていて随分なロスになるように思われたので、私は道の無い最短距離を進むことにした。
傾斜はそれ程でもないのだが、石がゴロゴロしていて歩きにくい。おまけに、出掛けは寒かった天気がいい陽気になり、暑さと厚着で汗ばんでくる。

パドゥムを7時40分ごろに出発し、橋に到着したのが9時20分。ゴンパの下に到着したのは10時15分――写真を撮りながら歩いたり、坂道を上ったりしたとはいえ、6km程度の歩きにしては余りに時間がかかりすぎている。
私はようやく、ガイド本に書かれていた「6km」というのが直線距離であることに気がついた。

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