バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ラダック、北インド(2011年)

ザンスカールへ(1)

2011年9月27日

夜が明けたらバススタンドへ行こうと考えていたが、5時半に起きてみるとまだ辺りは真っ暗だった。6時。ようやく東の空が明るくなり始めた。

[これ以上は、待てないな・・・]

できれば明るいうちに次の目的地・ザンスカールパドゥムに着いていたかった。前日宿の主人が話していたところによると、パドゥムまでの所要時間は12時間。今出発しないと到着が夜になってしまう。
私は、日の出を待たずにバススタンドへと向かった――とはいえ、バススタンドは宿のすぐ隣である。着くのに3分とかからなかった。

ジープもバススタンドで探すことになるのだが、さすがに朝一番だと待ち構えている運転手も殆どいない。
そこへ、ちょっと西洋人っぽいインド人が尋ねてきた。
「ザンスカールへ?」
「そうです」
「あそこに運転手がいるんだけれど、どうも渋っていて・・・」
彼に連れられてその運転手のところに行ってみた。どうやら、乗客が少ないことを理由に渋っているようである。
西洋人っぽいインド人が運転手と話し合った結果、こうなった。
「今回は人が少ないので、本来1500ルピーのところを2000ルピーなら行くと言っていますが、どうしますか?」
頭の計算機を働かせてみた――この騒がしいだけで何も無い街でもう一日待ったとすると、差額の500ルピーは飛んでいってしまうだろう。それなら、ジープに500ルピー余分に払って1日早くパドゥムに到着した方がいいに決まっているではないか。
決まりだ。私はその話に乗って、そのジープでザンスカールへ向かうことに決めた。

午前6時半、いざ出発。インダス川の支流であるスル川を上っていく。
Jeep
パドゥムへのジープ。サンクにて

カルギルから約40kmのサンクには7時50分ごろに到着した。ここで朝食をとって再出発である。
ここで全行程の約5分の1まで来たことになる。この調子で行けば、12時間もかからないのではないか ―― 一瞬、そんな考えが頭をよぎった。

しかし、そう甘くは行かなかった。
サンクまではきれいに舗装されていたからそのペースで来ることができた。しかし、サンクから先は舗装道路あれば悪路あり、と言うより、悪路の方が多い行程が待っていたのである。

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