アルチ~ラマユル ―トラック・ヒッチ
2011年9月25日
朝7時30分発、と言いながら8時すぎにようやくやって来たレー行きのバスに乗るが、客席は既に一杯だったので、屋根の上に乗って出発する。途中、木の枝が伸びている部分があったりヘアピンカーブがあったりのスリルもあったが、風を切って進む気分は爽快だ。
インダス川に架かる鉄橋を超えて最初に停車した場所で、私はバスを降りた。そして、用意していたスケッチブックを広げる。
I want to go to LAMAYURU
いざ開始。次の目的地・ラマユルに向けてヒッチハイクだ。
初めのうちは、車そのものが殆ど通らず、通ったとしても満員の乗用車ばかりで少し心配になったが、程なくしてトラックが通りかかったので、スケッチブックを大きく広げると停まってくれた。車の中の2人は殆ど英語を話さなかったが、
「LAMAYURU,OK?」
「OK!」
殆どノリと勢いでトラック・ヒッチが実現した。運転手と助手の間に挟まれて、インダスわきの道を下流へ走り始める。
しかし、レー~アルチ間の道がほぼ整備され終わっていたのに対し、アルチ~ラマユル間の道は悪路が多かった。
時には、車1台がようやく通れる程度の橋を渡ることもあり、
時には、すれ違いが無理な場所で前後にうまく退避できる場所を見つけて何とかすれ違う。
道がきちんと整備されていたのは、ヌルラ~カルシ間ぐらいだったのでないか。
カルシから先はインダス川の支流を上る道となり、目もくらむような絶壁の上を走ることになった。
途中、前輪を絶壁の淵から外してしまったトラックや、悲惨なことに谷底に転落してしまった大型車(恐らくトラック)が見える現場も目にした。
さて、私が乗ったトラックだが、次々と他の車に追い抜かれるスローペースぶりだった(トラックだから仕方がないが)。しかもかなりオンボロで、アスファルトで舗装されている道でもガタガタ揺れる程である。しかし、運転手の腕は確かで、道中危なげなく難所も切り抜けてくれた。
そして、11時20分、右手の山の上にに大きなゴンパが見えてきた。ラマユルに到着である。
「Thank you!」
「200ルピーね」
しっかりと請求されたが、ここまで難しい道を乗せてきてくれたので、まあいいだろう。
ところで、実は筆者、ヒッチハイクはこれが初めての体験だった。
車が停まってくれるか不安だったり、道中の悪路にかなりスリリングな思いをさせらられたりもしたが、その不安やスリリングさも含めて実に楽しい経験だった。
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