バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ラダック、北インド(2011年)

レー → アルチ

2011年9月24日

前日、「夜10時まで開いています」と言っていた洗濯屋に9時すぎに行ってみたら、既に閉まっているではないか…
[おいおい、出していた洗濯物を受け取らないとレーを離れられないぞ]
一時はこの日朝8時の出発が危ぶまれたが、7時にその洗濯屋がシャッターを開けてくれ、洗濯物を受け取ってどうにか余裕を持ってレーのバスターミナルに行くことができた。

バスターミナルで1人の日本人男性を見かけて声をかけてみたところ、寄り道はしないものの私同様ザンスカールを目指しているという。
「レーからの直行バスが見当たらなくて…」
「カルギルからパドゥム(ザンスカールの中心都市)へのバスも少ないみたいですよ」
カルギルを経由してパドゥムを目指す私にとって、少し不安材料が発生してしまった。

しかし、今の私にとってはまず次の目的地・アルチに向かうことが当面の目標だ。
8時発のアルチ行きのミニバスの屋根にしっかりとバックパックを固定して席に着き、午前8時、レーを出発する。
ミニバスの車内
ミニバスの車内

実は、アルチ訪問は2日前に急遽決めたことだった。
事は、パンゴン・ツォからの帰り道の途中で「にゃむしゃんの館」に立ち寄った時の会話に始まる。

「え? まだアルチに行ってないんですか? あそこには絶対行かないと!」

ラダックに来るに当たって殆ど全くと言っていいほど予習をしていなかった私が「アルチってどこ?」的な発言をするや否や、「にゃむしゃんの館」の女主人エツコさんとパンゴン・ツォへ一緒に行った吉田さんが一斉にそう言った。何でも、仏教美術の素晴らしいゴンパがあるという。
そう言われると行かない訳にはいかない。アルチはちょうど、レーからザンスカールへ行く途上にあるのだから、その行程に組み込めばいいだけの話だ。

ということで、アルチに立ち寄ることにした次第である。

アルチは下ラダック、即ち、レーから見てインダス川の下流の地域に属する街だ。バスはインダス川を下っていくコースを取るのでほぼ下りばかりのコースになるかと思いきや、レー空港を離れて暫くするとどんどん砂漠の山を上って行く。やはりラダックほどの山がちな地域となると、コース取りもそう単純にはいかない。

そうこうしているうちに、山道は下りとなり、再びインダス川が見えてくる。幹線道路はそのままインダス川北岸を先の方へ伸びていくが、アルチ行きのバスはここで幹線道路を外れ、鉄橋を渡ってインダス川南岸へと進んでいく。

鉄橋を渡って10分後の10時半、アルチのバス終着点に到着。終着点とは言ってもバスの発着が1日計4回しかない街なのでバスターミナルと言うよりは単なる駐車場のような場所である。

宿は、手持ちのガイド本に「最も安い」と書かれていたLotsava Guesthouseにするが、それでも300ルピーかかった。今回の旅で初のバス・シャワー付きの部屋となったが、お湯はおろか水も殆ど出てこない。窓の外は農村風景だが、下手に窓を開けて外の空気を吸おうとするとハエが何匹も入り込んでくる。ちょっと失敗した。

周囲は前述の通り農村地帯で、牛や羊、ゾなどの家畜の姿が見られる。後でちょっと上手に上った時には、立派なヤクの姿も見ることができた。
「モー」や「メー」のほか、ロバがオットセイかチューバッカのような奇妙な声を上げるのが時折聞こえてくる。

さて、到着したばかりで少し気が早いが、次の目的地への移動方法を考えよう。レー方面なら直行バスが出ているが、私の進む逆方向にはバスが出ていない。どうすればいいのか、バスの終着点と宿で確認したところ、答えは一緒だった。

「鉄橋まで何とかして行って、そこからバスなりトラックなり拾ってください」

“何とかして”というのはつまり――最悪の場合、バスで10分かかった距離を「歩け」ということである。

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