バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ラダック、北インド(2011年)

チベット難民マーケット

2011年9月23日

レーで買ったばかりのお気に入りの帽子を早々と無くしてしまった。日差しの強いラダックで帽子無しというのはかなりきついので、新しく買いに行くことにした。

最初に買った場所であるポログラウンド近くのマーケットに行こうと歩いていると、メイン・バザールの南端から西へ少し行った場所に別のマーケットを見つけた。入り口には

TIBETAN REFUGEE MARKET (チベット難民マーケット)

と書いてある。
チベット難民マーケット
よくよく見ると、このあたりにはチベット難民のハンディクラフト・ジュエリー売り場があちこちにある。

マーケットの中に入ってみると、特に変わったところは無い。さまざまな日用品が売られている普通の市場である。しかし、ここではチベット本土から難を逃れてきたチベット人が生計を立てるために働いているのだ。
チベット難民マーケット

[決めた、ここで買おう]

仮にもチベット支援を少しばかりやっている身である。自分が買い物をすることがチベット難民のためになるのであれば何よりだ。
その中の1件の店で品定めする。品揃えはそれ程ではないので、デザイン的にベストのものを求めることはせず、ベターなものを選んで購入した。
「お目が高いね。200ルピーだよ」
店の主人が言う。
前にポログラウンド近くのマーケットで買ったものが280ルピーだった。今回のものは200ルピー。同じ品物ではないにしても、80ルピーもお得な値段だ。

これとは別の時間に、手袋も買いに行ったのだが、このとき出された品物の一つが、何と中国製だったのである。チベット難民が中国製の品物を売るとは、何という皮肉だろうか…。
手袋を売ってくれたおばさんが、やたら「Tibet」という言葉を繰り返している。祖国が恋しいのだろうか。
ふと、私はカバンの中に忍ばせていた「Tibet will be Free !」と書かれたバッジのことを思い出し、それを出しておばさんに見せた。すると、おばさんはとても嬉しそうにそのバッジを手にしてしげしげと眺めていた。
「I also hope Tibet will be free !」
私はおばさんに、強い言葉でそう言った。


レーに来る皆さんにお願いがあります。
チベット難民の皆さんのために、レーで日用品を買う時はぜひ、チベット難民マーケットをご利用下さい。

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