チョグラムサル
2011年9月17日
せっかくチョグラムサルに来たのだからここで見るべき場所も訪れてみることにした。
チョグラムサルとシェイの境目あたりに大きながあるというので、まずそちらへ向かってみた。しかし、この道は既にバスで2度通ったことがあり、それだけ大きなものだったら既に車窓から目にしていてもおかしくないはずである。それが今まで見られていないというのはどうしたことか。
実物を見て分かった。確かに大きな仏様が岩肌に彫られてはいるが、その姿の半分ほどが木陰に隠れていたのである。これではじっくり探さないと見つからないのももっともなことだ。
仏教の“慈悲”に反する言葉とは分かっているが、敢えて言う。
お願いです。この木、切り倒してください。
今度は、チョグラムサルのレー寄りの端のほうへと移動する。
ここにあるのは、チベット難民キャンプ・ソナムリン ―― そう。中国共産党の迫害からヒマラヤを越えて逃れてきた本土チベット人たちのコミュニティである。ラダック人居住区の家屋の壁が日干し煉瓦の色そのままになっているものが多いのに比べ、こちらでは鮮やかな白に塗られているのが多いのは、ラダックと本土の文化の違いということなのだろうか。
4年前に訪れた、インドのチベット難民コミュニティの中心であるダラムサラと比べると、空気がより穏やかでゆったりと時間が過ぎているようにも思われる。しかし、彼らにも祖国を去らざるを得なかったことへの苦悩が深く心に影を落としているはずだ。
私という個人が、今ここで彼らの役に立てることは殆ど無い。あるとすれば、難民たちの手によるハンドクラフトの店で買い物をするぐらいか。
彼らに仏のお慈悲を、祖国への安全な帰還を・・・
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