ラダック・フェスティバル(1)
2011年9月11日
レーに着いて真っ先に訪れたい場所があったのでそこに向かっている途中、中心寺院であるジョカンの入り口から重厚な音楽が響いてきた。もしやと思って入り口の向こうを覗いてみると、やはりだった。チベット仏教伝統の仮面舞踏・チャムが執り行われていたのである。
実は、私が今回、飛行機を使ってでも早めにラダック入りしたかったのには理由があった。毎年9月の1日から15日の間、レーとその近辺ではラダック・フェスティバルが開催され、毎日何かしらのイベントが行われるのである。この日は午前11時からジョカンでチャムが行われるスケジュールになっていたのだ。
私も詳しいことは不勉強なのだが、チャムではいろいろな仮面を被った僧侶たちが入れ替わり立ち代わりステージに出て、管楽器や打楽器の重厚な演奏に合わせて踊りを披露する。今回も、仮面というよりは帽子と覆面をしただけの簡素ないでたちの僧侶たちから、憤怒神(トゥンガム)の仮面をした4人組、骸骨(アツァラ、チティパティ)の仮面をして客席にツァンパ(チベット人の主食である、麦焦がしを粉末にしたもの)を振りまいたりと奔放な2人組、鹿神(シャワ)の仮面をした1人が次々とステージに現れ、最後は総出で踊りを披露してくれた。
チャムは東京・新宿で行われたイベント等で見たことがあるだけで、ぜひとも現地で見たかったチベット芸能の一つだ。偶然の巡り会わせでタイミングよく見ることができた幸運がこれからも続いてくれればいいのだが・・・
チャムが終了して、今度こそ最初に訪れたいと思っていた場所へ赴く。メインバザールから少し上がった所にある、HIDDEN HIMALAYAという旅行社だ。ここにいらっしゃる日本人女性Sachiさんは、現地の人と結婚して上記の旅行社を経営していて、私も来る前からTwitterで連絡を取っていたのだ。Sachiさんから、フェスティバルの日程やレーのインターネット事情(別記事にします)など役に立つ情報を教えて頂く。
昼食をとったり街中を散策したり、宿に戻ってブログの下書きをしてインターネットカフェでブログをアップしたりした後、次なるフェスティバルのイベント会場へと赴いた。
今回のイベントは、ポロの試合である。言わずと知れた馬上のホッケーだが、私は生も中継・録画も含めて、初めての観戦となる。
試合はメインバザールからすぐ近くのポロ競技場で行われた。選手たちはサッカー場と同じぐらいのフィールドをフルに利用して馬を走らせ、木のボールをスティックで巧みに操りながら白熱した試合を展開する。時には観戦者のすぐ近くまでボールが転がってくるが、選手たちは観戦者にお構いなしでボールを追いかけてくるので、見ている方がボールや馬をよけなければならず、時として観戦者たちが大慌てで逃げ惑うシーンも見られた(私自身も2、3度逃げ惑った)。
チベット人は元より遊牧民である。馬を利用したイベントとしては他にも天然の平原を利用した競馬などがあり、彼らにとっては打ってつけの競技と言うことができるだろう。
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