バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ギリシャ、カタール、香港

香港-1 ~香港最後の“魔窟”は今…

2011年5月7日

夜中にカタール・ドーハで飛行機を乗り継ぎ、香港には午後2時40分に到着した。
接続の関係で日本へ戻るのは翌日。往路では空港施設から出ることすらなかった香港だったが今回はここで1泊することになる。香港は2007年以来4年ぶり、5度目の訪問となる。

5度も訪れていながら、日本人定番の安宿にはまだ泊まったことがない。今回はその1つであるラッキー・ゲストハウスに泊まることにした。
ジョーダン(佐敦)通りから上海路を少し北に入った場所にある、廟街近くの雑居ビルの前に来ると、「ラッキーハウス」とカタカナで書かれた看板が目に入る。その先の階段を2階に上がった場所にそのゲストハウスはあった。かなりのオンボロだが、宿泊費はドミトリーで80HK$と格安。「安く泊まれるのならどんな所でも寝られる」というバックパッカーにはうってつけの宿だ。
日本語が分かる初老の男性が番頭をやっているが、この時は英語のみOKの中年女性が仕切っていた。
「どう? あなたもやってみない? 好きな番号を選べば私が券を買っておくわよ」
と、女性は新聞を広げてそう誘ってくる。香港で人気の、競馬だ。残念ながらギャンブル、特にレース系のギャンブルには余り興味が無かったので丁重にお断りした。

参考:ラッキー・ゲストハウス紹介ページ

小奇麗に変貌した美麗都大廈
小奇麗に変貌した美麗都大廈
重慶大廈@工事中
重慶大廈@工事中
宿も決まったところで早速、九龍の街へと繰り出した。
照りつける日差しの下、街にあふれる人波(土曜日だったということもあるが)、2階建てバスなど車がひっきりなしに走る道路、その両側に並ぶ高層ビル、そこから道路へ突き出すように掲げられているネオンの看板等、相変わらずの“香港らしさ”の洪水に身を流される。しかし、心なしか、来る度に小奇麗さが増してきているようにも感じられる。
中でも驚いたのが、美麗都大廈(ミラドーマンション)の変貌ぶりだった。2007年に訪れた時(写真)は赤茶けていて今にも壊れそうな老朽化ぶりだったのが、白を基調とした割としっかりとしたビルディングに生まれ変わっている。
少し南へ行った所にある有名な重慶大廈(チョンキンマンション)も美麗都大廈同様のビルディングで、その怪しげな外観・雰囲気は九龍城無き今となっては香港最後の“魔窟”と言うべき存在だが、今回見ると全館改装工事中である。重慶大廈もいずれ、美麗都大廈同様毒気の無い外観へと生まれ変わるのだろう。
重慶大廈内部
重慶大廈内部
重慶大廈の中に入ってみると、やはり以前よりも垢ぬけた印象を覚えた。しかし、ハードが変わったとはいえ、中にある施設、中にいる人間には変わりは無いのである。入り口からグランド・フロア(日本で言う1階)を貫く通路の左右には両替商や商店が立ち並んでいる。中央のエレベーターホールに行くと各階案内の掲示には相変わらず、私もかつて利用したことのある安宿の名前がずらりと並び、「泊まらないかい?」と客引きたちが押し寄せてくる。勿論、入り口の前の客引きも相変わらず手ぐすねを引いている。
そして、軒を並べる両替商――手近なところでは入り口すぐにあるが、ここはレートが極めて悪いぼったくり店ので使ってはいけない。奥の方に行けば行くほどレートは良心的になるので、雰囲気を恐れずに奥まで進んで、レートを比べて店を決めよう。
ちょっと落ち着いた感があるとはいえ、混沌とした雰囲気はまだまだ健在だ。幾ら見かけが変わったところで、根っこは変わっていない。重慶大廈はやはり“重慶大廈”なのである。このビルディングは今後も恐らく、香港最後の“魔窟”であり続けることだろう。

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ラッキーの南京虫はもう出ませんか…?

月夜野さん、コメントありがとうございます。

取りあえず、私は無事に1泊過ごすことができました。確かに南京虫出てきても不思議ではない雰囲気はありましたが(笑)。

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