バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

ギリシャ、カタール、香港

アテネ-1 ~初めてのヨーロッパ入り

カタール・ドーハからギリシャ・アテネには4時間半ほどで到着。これだけ東西に離れているのだから時差があるだろうと思っていたが、ギリシャがサマータイムに入っていたこともあり、カタールとギリシャの間に時差は無かった。

空の旅を終えてイミグレーションに来てみると、長蛇の列ができていた。しかし、1か所だけ列が短くなっていて、ヨーロッパ系の人ばかりが並んでいる。ギリシャ人専用の窓口か?と思っていると、係員の言葉が聞こえてきた。
「ヨーロッパのパスポートをお持ちの方はこちらへお並び下さい」
なるほど、そういうことか。ギリシャはEU(欧州連合)に加盟していて(加盟のために無理をしすぎて金融危機に陥ってしまったが…)、EU加盟国の国籍を持つ者はパスポートに入国スタンプを押されることなく入国できるのだ。私はこの時、初めて「EU」となるものの存在を実感し、そしてヨーロッパの一体化が想像以上に急速に進んでいる印象を受けさせられた。
しかし、外国人も入国カードの記入・提出をすることもなくパスポートのチェックと入国スタンプの押印だけで入国審査は完了と、十分に簡素な手続きだけでギリシャに入国することができた。
地下鉄から見えたアテネの風景
地下鉄から見えたアテネの風景

空港から街中へは地下鉄が便利だ。地下鉄とはいえ空港を出発して暫くの間は地上を走るので、その間ギリシャの風景を楽しむことができる。
地下鉄から見える風景は、果樹園の向こうに背の低い白壁の家屋がなだらかな丘の斜面の上まで建ち並ぶものだった。果樹園に白壁、というのがいかにも西洋的だが、なぜかこの風景を見ながら思い出していたのはネパール・カトマンズを遠くから見た風景だった。「背の低い家屋がなだらかな丘の斜面の上まで建ち並ぶ」という点が似ていた気がしたのである。

アクロポリ駅で下車。その名の通り、ここはアテネ最大の観光地であるアクロポリス最寄りの駅だ。既にアクロポリスは見えているが、ここは明日ゆっくりと訪れることにして、まずは宿探しだ。
当初はアクロポリ駅すぐ近くのAthens Backpackersを考えていたのだが、行ってみると満室だった。
「ゲストハウスならあと1つ、この近くにSTUDENT & TRAVELLERS INNがありますよ」
と、スタッフが親切にも教えてくれたので、そちらに向かうことにした。

STUDENT & TRAVELLERS INNの方もかなり満室に近い状態だったが、一番安い地下のドミトリーに空きがあった。明かり採りの窓すら無い部屋だが、明日はそんなに早起きをする必要も無いし、取りあえず今回は1泊だけして明日の夜は別の街へと向かう予定だったので、ここに泊まることにした。
それにしても、この条件の悪いドミトリーでも宿台は1泊14ユーロ。アジアでの貧乏旅行ばかりしてきた身にはかなり割高に感じられたが、これがヨーロッパの物価ということなのだろう。
ムサカ
ギリシャでの一食目・ムサカ

この一帯はプラカ地区といい、アクロポリスを訪れる観光客たちで賑わっている。その中でも、宿のあるキダシネオン通りはオープンカフェ形式のタベルナ(食堂のこと。『食べるな』ではない。ちなみにイタリアやスペインでもこう言うらしい)や土産屋が軒を並べ、一際賑わっている。
「コンニチハ! オイシイヨ!」
タベルナの店員が日本語で声を掛けてくる。そう言えば夕食がまだだった。せっかくなのでここで食べていくことにしよう。
「ムサカ、オイシイヨ!」
と勧められたギリシャの名物料理・ムサカはメニューの中で一番安い。高いものを勧めてこないのが良心的だ。
ムサカはナス、ひき肉、ヨーグルトソースを地層のように重ね合わせて焼いた料理。ナイフを入れてみると崩れそうになるくらいに柔らかく、口の中でほぐれるようなふわりとした食感がいい。
但し、メニューの中で一番安かったとはいえ、お値段は8ユーロ。ギリシャの旅は物価高との闘いになりそうな予感がした。

キダシネオン通り
夜が更けても賑わうキダシネオン通り
夜闇に浮かぶアクロポリス
夜闇に浮かぶアクロポリス

食後、夜が更けても賑わいが衰える気配も無いキダシネオン通り近辺を散策してみる。
キダシネオン通りからは肝心のアクロポリスは全く見えないのだが、1か所、障害となる建物が無く丘の上のアクロポリスがしっかりと見える場所があった。地下鉄を下りて地上に出た時に目にしていたはずなのだが、あの時は宿探しに神経を集中してしまっていたのでじっくりと見るのはこれが初めてとなる。夜闇に浮かぶその姿は、いかにも神が現れそうな神々しさを放っている。
明日はいよいよ、アクロポリスに上ってあの有名な神殿を間近に見ることになる。

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