ジャカルタ-1 ~発展とスラムと
2010年5月4日
車窓から見えたジャカルタの町並み
線路のすぐわきはスラムとなっていた
ジョグジャカルタからの列車がジャカルタに差し掛かったのは午前8時すぎだった。先日ジャカルタに到着した時は街には出ずにそのまま飛行機を乗り継いだので、ジャカルタの街の様子を見るのはこれが初めてとなる。
車窓から見えるは、さすがは発展著しい国の首都と唸らせられる、大規模な街だった。昨日までいたジョグジャカルタもそこそこ都会だったが、首都となると桁が違う。建物は規模が大きく垢ぬけているし、道路もジョグジャカルタの2倍以上の幅があり、それでいて行き交うバイクや自動車の密度もまたジョグジャカルタの上を行っている。インドネシアという国の勢いをそのまま象徴しているかのような町並みだ。
しかし ―― 車窓の外に見えたのは華やかさばかりではなかった。
線路のすぐ横は、バラックやテントが華やかな都会から隔離されるようにして建ち並ぶエリアとなっていた。
―― スラム…
いくら国が急速に発展しているとはいえ、その急な流れに乗ることができない、恩恵を受けられない人々も数多くいるのである。現在世界で最も急成長している大陸中国もその発展の恩恵を受けられていない人々の方が圧倒的に多いのだが、インドネシアもそれと同じような状況にあるのかもしれない。
やがて列車は街の中心部であるガンピル駅に到着。私はここで下車して安宿街に向かうが、途中信号の無い大きな交差点に遭遇してしまう。ジャカルタの交通事情は先ほど書いた通り。しかも悪いことにこの時は朝のラッシュ時間帯だった。渡るタイミングを見計らうのも一仕事である。
距離の割には苦労を強いられてようやく安宿街のジャラン・ジャクサに到着し、ボルネオ・ホステルに宿を定めてバックパックを下ろす。
東南アジアの首都もしくは中心都市の安宿街といえばタイ・バンコクのカオサン通りやベトナム・ホーチミンシティ(サイゴン)のデタム通りが思い出される。しかし、ここジャラン・ジャクサはそれらとは比べては気の毒なほどの閑散ぶりだ。
ジャカルタ滞在はこの日だけで、明日は朝の便でシンガポール経由での帰国の途に就くことになる。従って、ジャカルタ巡りはこの日だけとなる。首都とはいえ旅行客にとっての見どころはそんなに多くはない(これがジャラン・ジャクサの閑散ぶりの原因か)ものの、時間は有効に使わなければならない。私は早速、ジャカルタの街巡りに出かけることにした。
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