プーノ-2 ~フォルクローレの夜
一旦宿に戻って一休みし、さて食事をと、宿の支配人に
「どこかいい店ありませんか?」
と尋ねたところ、
「リマ通りにレストランがたくさんありますよ」
ということだったので、再びリマ通りに赴く。しかし、いかにも高そうな店ばかり。どこも一品20ソルはする。しかし、せっかくだからチチカカ湖(ティティカカ湖)で捕れた魚を美味しく頂きたい。
トゥルチャ(マス)の串料理
[まあいいか…]
私は何となく、リマ通りからリベルタード通りを少し東に行ったところにあるBalcones de Punoという店を選んで中に入った。
注文したのは、チチカカ湖名物トゥルチャ(マス)の串料理。値段は23ソル。
やはり、安いとは言い難い。
と、料理が来るのを待っていると、ケーナ(横笛)、サンポーニャ(長さの違うパイプを束ねた笛)といったインディオ伝統の楽器やギターなどを持った男たちが現れ、演奏を始めた。すると今度は、民族衣装で身を包んだ男女が踊りながら入場してくるではないか。
フォルクローレの生演奏
アンデスの民族音楽・フォルクローレの生演奏だ。
凛とした音色ながらどこか優しさのようなものも感じられる南米独特のケーナやサンポーニャと、征服者スペインがもたらしたギターという組み合わせだが、これが見事に融合している。
スペインの征服に眉をひそめ続けている私だったが、これだけは素直に楽しむことができた。文化・芸術の融合など世界中どこにでもあることだ。それに、彼らの伝統は決して死滅してはおらず、スペイン文化を取り入れつつもしっかりと生きているのである。
演奏以上に印象的だったのが踊りだ。いろいろな曲に合わせて踊られたが、いずれも明るく、生き生きとしたものだった。音楽や踊りだけではない。踊り子たちの表情もまた明るく、生き生きとしている。
「どう?私たちはアンデスの伝統文化を引き継いでいるのよ!」
そんな誇りを抱きながら踊っているように思われた。
踊り子たちの衣装もバリエーションがあり、時には清楚に、時にはセクシーに、また鳥のマスクや鳥の翼を模したマントなどを身につけての踊りもあった。
時には清楚に
時にはセクシーに
鳥のマスクを身につけての踊りも
料理だけに23ソルと考えてしまうと確かに安くはない。しかし、このフォルクローレの音楽と踊りに払ったと思えば、むしろ得をした気分にすらなる。
歌と踊りはエンドレスに続くが、美味しいマス料理も頂き終わったし、アンデスの伝統芸能も十分に満喫できたので、私は切りのいいところで退席して宿に戻り、明日のチチカカ湖行きに備えた。
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