クスコ―マチュピチュ ~バックパッカー号に乗って
2009年9月20日
いよいよあの天空都市・マチュピチュを目指す日が訪れた。
まだ日の出ていない中、宿のスタッフが捕まえてくれたタクシーで列車駅へと向かう。クスコ市内にはサン・ペドロとワンチャックの2つの列車駅があるのだが、マチュピチュ行きの観光列車はクスコ市街から20kmほど離れたポロイ駅発なのだ。タクシー代は20ソルほど。
ポロイへ向かう途中に見えた雪山
途中、運転手に「どこから来たのですか?」と尋ねられ、「Japon(ハポン)」と答えると、「ああ、Japon! フジモリ!!」 ―― やはりペルーでは日本人といえばアルベルト・フジモリ元大統領のようだ。退陣劇は無様だったがそれでもペルーの人々には今でも人気があるらしい。
また、突然「カメラ!」と言われて適当にシャッターを押してみるが、運転手は「そっちじゃなくて、山!」。そう言われて進行方向を見ると、ようやく明るくなり始めた進行方向に、見事な雪山が連なっているのが見えた。こういう風景を見えていると、ここが高地であるということをあらためて実感させられる。
駅に到着し、暫く待った後、7時20分、バックパッカー号に乗車する。バックパッカー号はその名の通り、バックパッカー向けの簡素な列車だが、最安値のこの列車でも往復96米ドルとかなりの値段である。
定刻どおり7時43分、発車。いざ、マチュピチュへと向かう。
バックパッカー号
バックパッカー号車内
列車は途中駅のあるオリャンタイタンボで街に差し掛かるのを除けば、のどかな自然の景色の中を走っていく。初めは家畜の放牧などが見られる開けた平原の中を突っ切るが、オリャンタイタンボを過ぎたあたりでにわかに左右が狭くなる。
初めは平原の中を突っ切る
スイッチバックのポイント
列車はそこで一旦停車した後、バックで下っていく。そしてもう一回停まった後、再び元の進行方向へと再出発する。
スイッチバックである。ポロイから終点のアグアス・カリエンテスまでの距離は約100kmだが、標高差は1400mある。このあたりの谷下りは高低差があるのでスイッチバックが必要になってくるのだ。
沢の見える谷あいを下る
その後はひたすら谷あいを走り続ける。車窓の景色にはきれいな花のほか、サボテンも見られるのがいかにも南米らしい。可愛らしいと言ってもいいくらいの沢の両側には、数百メートルもの高さの山がそびえ立っている。この小さな川が、何千年、何万年もかけてこの渓谷を創り出したのだろうか ―― そう思うと自然の力の偉大さを感じさせられる。
10時をすぎたあたりで、再び周りの景色が変化する。草や低木、サボテンが中心だったのが、にわかに密林めいてきたのだ。
10時40分すぎ、バックパッカー号はアグアス・カリエンテス駅に到着する。この列車の旅だけでも十分に楽しむことができたが、本命はまだこれからである。
列車を降りた場所にあるマチュピチュ村で片道運賃7ドルというかなりお高いシャトルバスに乗り替える。バスはヘアピンカーブの続く山道をぐんぐん登り、先ほど下車したばかりのアグアス・カリエンテスの駅が眼下にどんどん小さくなっていく。
マチュピチュ村
バスは険しい山道を進む
20分かけてマチュピチュの遺跡入り口に到着。128ソルというこれまた安くはない入場券を買って、いざ、マチュピチュ巡りの開始だ。
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