クスコ-3 ~伝統の品とアルマス広場
鮮やかな色のセーター等が売られる衣類店
丘から“下界”に下り、アルマス広場近くの裏通りを歩いていると、一つ奥に入った所に衣類を売る店を見つけた。ペルーの衣類といえばアルパカセーターが有名だが、ここにも色とりどりのセーターをはじめ、アルパカの毛糸で作られた帽子やバッグなど、いろいろなものが売られている。私はその中から、落ち着いた色の毛糸で織られたつば付き帽子を買う。
別の場所では、楽器を売る小さな店を見つけた。ケーナ(横笛)やサンポーニャ(長さの違うパイプを束ねた笛)など、南米の民族音楽フォルクローレに欠かせない楽器が置かれている。思ったほど高くなかったのでサンポーニャあたりを買っていこうかな、と品物を見ていると、
「こっちがプロフェッショナル用、こっちがセミプロ用です」
と、店の娘さんが説明する。セミプロ用で十分だ。一つ買わせていただくと、簡単な指南書(英語)もつけてくれた。後で宿に戻った時に、その指南書を見ながら早速試してみたが、なかなかうまく音が出てくれない。コツを掴むにはかなりの練習が必要そうである。
カテドラル
ラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会
その後、アルマス広場に出る。昨日は表から見ただけだったカテドラル(大聖堂)やラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会を中に入って参観することになるが、単独でチケットを買えばそれぞれ25ソルのところを、それら2つを含めた5か所を回ることのできる50ソルの通し券があったので、迷わずそちらを購入した。
まずはカテドラル。内部は広い空間となっており、イエス・キリストやマリアなどの像や宗教画、ステンドグラスなどが幾つも飾られている。
中には「最後の晩餐」もあったが、レオナルド・ダ・ヴィンチの描いたオリジナルと比べかなり安っぽい。この時は全く気づかなかったのだが、実はカテドラルの「最後の晩餐」でテーブルに置かれている料理はクイ(南米の食用モルモット)とのことだ。ほぼ全てがヨーロッパ様式の中、ここだけピンポイントで南米の伝統が加えられている形である。
ラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会から望むアルマス広場
次にラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会。こちらの内部はまあ、普通に「教会」なのだが、荘厳な雰囲気はひしひしと感じられる。階上に上がると、アルマス広場を目の前に見下ろすこともできる。
前にも書いたように、私はヨーロッパ文化がむしろ好きなくらいである。これらの聖堂・教会や展示品も、普通に建築物、宗教美術として見る分には素晴しいものであることに間違いない。しかし…
なぜペルーにヨーロッパ建築なのだ?
なぜペルーにキリスト教なのだ?
それらはいずれも、元々はこの地に無かった征服者スペインの文化なのだ。そうした歴史的背景を考えるとやはりやりきれない気持ちになり、素直にこの風景を喜ぶこともできなくなってしまう。
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