バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

韓国、モンゴル

ソウル-1 ~寒さの第一関門

2008年12月26日

1年ぶりの海外は、まずは韓国・ソウルだった。
昨年のアジア周遊以来の海外ということになるが、"新しい旅に出た"という感覚ではない。むしろ、1年の休みを経て"旅に戻った"という気分である。最初に到着したのが14年前にも少しだけ訪れたことのある韓国だったためか、或いは私にとって海外に出ることがもはや非日常でも何でもなくなったためか、何の違和感も無く旅に入り込むことができた。
 ――  いや、一つだけ気がかりがあった。それは、寒さである。
今回の真の目的地はこの時期最高気温で-15度、最低気温で-30度まで下がるという厳寒の地なのでそれに比べればまだましなのだが、到着直前の機内アナウンスによるとソウルの時点で既に-5度まで気温が下がっているという。
ソウルの寒さをどう感じるかが、今回の旅をしのげるかの第一関門となりそうだ。たかが-5度で身を縮めているようではこの先身動きがとれなくなってしまう。

20時すぎ。前回来た時にはまだ無かったインチョン(仁川)空港に到着する。
年末年始の海外旅行ラッシュでこの日のうちに次へ乗り継げるフライトのチケットは取れなかったので、一旦外に出て1泊する必要がある。
[さて、寒さはどんなものかな]
入国手続きを済ませた私は、気温0度の外気の中に一歩、足を踏み出した。
確かに、空気はひんやりとしている。しかし、身が縮こまるほどのものでもない。
よくよく考えれば、私は以前海外の、体感温度がもっと低い街に6年間近く暮らしていたのである。 夜景
バスから見えたソウルの夜景
この程度の寒さなら耐えられて当然だ。
第一関門は難なくクリアである。問題は明日だ。これよりも10度は低い気温にどこまで耐えられるか。

空港からバスでチョンノ(鍾路)[1]へ。バスを下りると、夜闇の中ながら以前にも見た李舜臣像が立っているのがはっきりと分かる。
路地裏に入って、大元旅館というゲストハウスの門をくぐる。日本人バックパッカーがよく利用する宿で、私が入ったドミトリーにも先客の日本人が2人いた。彼らと少しばかり話をしている中、
「ソウルにはどのくらいいるんですか?」
と1人に聞かれた。
「いや、ソウルは1泊だけで、明日にはモンゴルに行きます」
「モンゴル? 滅茶苦茶寒いんじゃないですか?」
「寒いみたいだね。-20度ぐらい」
しかし、その寒さを承知の上で行くのである。いや、韓国の寒さに耐えられた私はむしろ、どこまで寒さに耐えられるかが楽しみにすらなりつつあった。

とはいえ、オンドルのよく効いた宿の室内に入るとやはりほっとしたのは否定できない。ジンロ(真露)を寝酒に、体に暖気を取り込みつつこの日は床に就く。

[1]バス停名は「クァンファムン(光化門)」だったが、バス停からクァンファムンまでは500mほど離れている。

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