プノンペン-3 ~ワット・プノンと影絵芝居
2007年10月26日
市内に戻り、気分を変えて違う趣きの場所へ行ってみる。
ワット・プノン。日本語で言えば「丘の上の寺」という意味で、文字通り小高い丘の上に寺院と仏塔が建っている。
「プノン」と言えば、この街の名前にも含まれている。実は、「プノンペン」というのは、「ペンさんの丘」という意味なのだ。14世紀にペンさんという裕福な夫人が建立したといわれる寺がこのワット・プノンで、これが"プノンペン"の語源となっているという訳である。
仏教寺院なので本堂の中には勿論、仏像があるが、それ以上に人々、特にカンボジアの人々の参拝を受けているのが、仏塔の傍らの祠に祭られたペン夫人の像だったりするのだ。
ワット・プノン
ペン夫人の像
そこから少し北へ行くと、クメール・ルージュに破壊されたものを日本の援助で修復した橋がトンプレッサ川に架かっている。「カンボジア日本友好橋」との別名がつけられており、橋のたもとには友好碑も設置されている。
カンボジアと日本の友好が、今後のカンボジアの安定につながってくれれば幸いである。
カンボジア日本友好橋。右側に見えるのが友好碑
夜になって、カンボジア伝統芸能である影絵芝居を見せてくれる場所があるというので行ってみる。シンガポールのアジア文明博物館で展示されているのを見て以来、ずっと気になっていたのだ。
ソバンナ・プム・アソシエーションでは毎週金、土曜日に影絵などの伝統芸能を上演している。この日はちょうど金曜日で、演目を見ると影絵芝居とカンボジア・ダンス(アプサラダンス)をミックスさせたものを演じてくれるという。
午後7時半すぎ、開演。
牛革で作った細かいつくりの影絵人形はそれだけで十分に一つの芸術として成り立つほどだ。人形そのものは動かないのだが、団員が人形につけられた2本の棒を手に、舞台奥に張られたスクリーンの前で後ろで巧みに動かすことで、影絵人形或いはその影に、実に生き生きとした動作がつく。アプサラダンスとの融合も違和感なく、生演奏によるBGMも併せて、一度に3種類のカンボジア伝統芸を楽しむことができる、非常にお得な演目である。
カンボジア伝統芸能の影絵芝居
アプサラダンスと影絵の融合
帰り道は既に暗く(街灯は点いていて人通りもあり、危険は感じなかった)、雨も少し降っていたが、そんなことは気にならないくらい心地よい余韻が残った。
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