バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第8部 カンボジア、ベトナム、ラオス

アンコール遺跡東部-1 ~密林を抜けてプレ・ループまで

2007年10月23日

本日の目標は、アンコール遺跡東エリア。範囲が少し広い(と地図を見て感じた)ので、今回は普通の自転車ではなく、電気自転車を使って巡ることにした。
最高で時速30km出る電気自転車は、右ハンドルのグリップをひねるだけで、こいでもこがなくても前へ進むので、至極快適。まずは一昨日、カメラのバッテリー切れのために途中で引き返してしまったブリア・カンへと走る。

ブリア・カン
ブリア・カン
ブリア・カンのパルテノン神殿のような建造物
ブリア・カンのパルテノン神殿のような建造物

12世紀末の仏教遺跡ブリア・カンは想像以上に規模が大きかった。どうやら宗教遺跡にとどまらず、一種の村のようなコミュニティを形成していたらしい。ひときわ目立つ中央祠堂以上に、南側の庭にある2階建てのパルテノン神殿のような建造物が印象に残った。
ニャック・ポアン
ニャック・ポアン

さて次へ、と自転車を走らせる。ところが、その「次」がなかなか遠い。地図で見て感じる以上に道が長い上に、今度はカメラではなく電気自転車のバッテリーが切れ、こがないと動かなくなってしまったのである。
僅か2つ目の遺跡で既にクタクタ。その上、次に訪れたニャック・ポアンが池の真ん中に小さな祠があるだけの平凡な遺跡で、がっかりまでついてきてしまった。
一つだけ幸いだったのは、この遺跡の近くで電気自転車のバッテリーを交換してもらえたことである。

3つ目の遺跡への道も長かったが、速度が戻ってきたおかげで気分も良くなってきた。
次に訪れたタ・ソムはそれ程規模の大きくない仏教寺院だが、西門を覆うようにして生えたガジュマルや東門の個性的なデバター(女神のレリーフ)が印象的だ。

タ・ソム
タ・ソム
デバター
個性的なデバター
ガジュマルに覆われた西門
ガジュマルに覆われた西門

その次に向かう途中、田園地帯があり、水辺で牛に草を食べさせている農家の親子がいる景色に遭遇した。決して裕福ではないだろうが、身なりは割ときちんとしている。
農家の親子
この子たちのために不安なく暮らせるカンボジアを
カメラを向けるとちょっと恥ずかしそうに顔を隠そうとする子どもの姿が素朴である。この子たちのためにも、早く地雷が完全に撤去されて忌まわしい内戦の傷跡を払拭し、不安なく暮らせるカンボジアになってほしい。

やがて、東バライに到着。「バライ」とはカンボジア語で人工池のことで、アンコール・トムの東西にはそれぞれ大きなバライがあるが、東バライの方は現在水は無い。その中央に、目指す4つ目の遺跡・東メボン(ヒンドゥー)があった。
[これは…]
まずは一目見て、この日見た中でもトップクラスの規模の大きな建造物にうなり声を上げる。四方に飾られた保存状態のいい象の石像が象徴的だ。

東メボン
東メボン
象の石像
東メボンの象の石像

5つ目のヒンドゥー遺跡プレ・ループでは、高台の上にある中央祠堂に上って四方を望んでまたうなり声。とはいっても、今度は遺跡よりも別のものにうならされたのだ。
プレ・ループ中央祠堂
高台に建つプレ・ループ中央祠堂
プレ・ループ中央祠堂の周囲は密林
周囲は密林だ
入る前は舗装道路を通ってきたので余り意識していなかったのだが、中央祠堂の見晴らし台に鎮座する獅子の像が見つめる先 ―― 遺跡の四方は熱帯樹木の緑で埋め尽くされている。アンコールが密林の中の遺跡、ということを初めて強く意識させたれた瞬間だった。
「あそこにアンコール・ワットがあります。見えますか?」
たまたま通りかかった別の日本人を案内していたカンボジア人ガイドが日本語で説明する声が耳に入ってきた。どこだろう?と便乗して南西の方を見ると…

はるか向こうに、注意して見なければ分からない程小さく見える…。

「アンコール遺跡」と一口で言っても、そのエリアはとてつもなく広いのだ。プレ・ループからアンコール・ワットまで直線距離でも5kmほど離れているのである。
この日出発する時に「範囲が少し広い」と思っていたのだが、"少し"どころではない。
[日が暮れるまでに戻れるか?]
―― 嫌な予感がしてきた。

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