アンコール・ワット-1 ~夢の遺跡に到達
2007年10月20日
昨夜の最悪な体調からは脱出することができたが、午前中は大人しくゲストハウス近くのオールド・マーケットをぶらぶらとするにとどめる。 広い敷地に建てられた木造平屋のカンボジアらしいブースに、食料、衣類、仏具、土産などの店が所狭しと並んでいる。少々大人しめな印象を受けたが、まだ午前中だったからなのかもしれない。
オールド・マーケット
オールド・マーケット内部
マーケットの南側には川が流れている。川の北側(こちら側)は割と開けた街になっているが、川の向こう側を見ると、これぞ昔ながらのカンボジア、と言わんばかりの木造家屋が椰子の木々の間に建っている。
木造家屋と椰子の木の、カンボジアらしい風景
午前中は日差しが強かったが、午後になると少し曇ってきてすごし易くなってきた。
体調も悪くなく、こうなってくると、すぐそこに「あの遺跡」があるというのにじっとなどしていられない。ゲストハウスで自転車を借りて街の北郊外へと向かう。
(ただ、この自転車、ギアがかなりゆるくなっていて、午後乗り回しているだけで10回以上チェーンが外れて私をキレさせた)
目的地に行く途中で入場券を買う。1日券20ドル、3日券40ドル、1週間券60ドルとべらぼうに高いが、ワールドワイドに知れ渡る「世界遺産」である。妥当とは決して思わないが、仕方があるまい。3日では足りないだろうと、1週間券を購入した。
更に自転車をこぎ進めると、堀に行き当たる。堀の向こうに、いかにも歴史のありそうな建造物の塀のようなものが早速見えてきた。そして間もなく、老朽化してはいるものの威厳があり、規模も大きい城門が見えてきた。
これこそ、私が長年訪問を熱望してきた場所…
アンコール・ワット
この旅最大の目的だったと言っても過言ではない。
その遺跡が、今まさに私の目の前にあるのだ。
感無量である。
歴史あるこの遺跡を自分の目で見たことそのものに対する感動も、勿論ある。
しかし、それだけではなかった。
前回も書いたように、カンボジアには内戦、地雷といった暗いイメージがまとわりついていた。そのため、以前の私には、この遺跡が「行きたくても行けない場所」であるように思えていたのだ。
しかしその後、内戦が終結し、カンボジアの情勢が安定してくるにつれ、「アンコール・ワットに行った」という人の声が日増しに聞こえるようになってくる。そこで私も、今回訪問に踏み切った。
「行きたくても行けない場所」だと思っていた場所に、今こうして来ている ―― その感動の方が何倍も大きかったのである。
1861年、フランス人アンリ・ムオットがこの遺跡に遭遇した時には密林の中に突然この遺跡が見えたというが、今は観光用に道が切り開かれて、"密林の中に突然"という印象は無い。ま、これも仕方あるまい。
900歳近いクメール様式の神殿は、私の期待を裏切らなかった。
余りにも有名な中央塔とそれを囲む4基の尖塔は、表からはなかなか見えず、入場してもはっきり見えたかと思えばまた見えなくなり、私を結構じらしてくれたが、だからこそ見えた時の感慨は尚更だった。
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